誰しも一度は経験する憂鬱な朝。そんな朝を乗り越えるための方法を二択形式でご紹介します!
Q 「早起き」はやる気を上げる、下げる、どっち?
A 結局、早寝早起きがやる気をつくる!
早起きして太陽の光を浴びると、脳の覚醒を促すセロトニンが分泌され、頭がすっきりとした状態で目覚めることができます。セロトニンは私たちの精神の安定やコントロールに深く関わる脳内物質であり、分泌されるとポジティブな気持ちが湧き上がってきて、活動的になります。基本的には早起きするとやる気は上がるといえるでしょう。
しかし、早起きすることでやる気が下がってしまう人もいます。仕事のストレスで眠れないとか、配信ドラマにハマって夜更かしをくり返しているなど、寝る時間が遅いため早起きすると寝不足になる人たちです。
睡眠は脳にとって欠かせない休息ですから、眠りが足りないままではやる気は上がるどころか、起き抜けから下がってしまいます。ストレスで眠れないのは仕方がないとしても、だらだら起きているぐらいなら早く寝て、すっきり目覚められるよう心がけてみてください。
Q 「朝の運動」はやる気を上げる、下げる、どっち?
A 運動すると脳が刺激され、やる気が上がる!
健康維持のために運動している人は多いと思いますが、では運動することがなぜ健康につながるのかご存知でしょうか?
近年、「筋肉」の機能についての研究が進み、その具体的な理由が明らかになってきました。じつは筋肉には身体を動かしたり支えたりするだけでなく、「マイオカイン」という筋ホルモンを分泌する働きがあります。
マイオカインは骨の形成や腸ホルモンの分泌、脂肪の分解などさまざまな器官に作用し、私たちの健康をサポートします。マイオカインを効率よく分泌させるには、運動をして筋肉を鍛えることが必要なので、運動は健康にいいといえるのです。
またマイオカインの分泌により、脳を成長させる栄養=「BDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor)」が増えることもわかっています。BDNFは神経細胞の成長や再生を促進させる神経栄養因子で、血管経由で脳に運ばれて記憶に関わる海馬に作用すれば、記憶力が増強されます。この因子は加齢により減少しますが、運動することで増やすことができるため、今からでも記憶や学習のパフォーマンスを高めることが可能です。
運動は、健康にもやる気にもいい影響を及ぼすといえるのです。
Q 「朝起きてすぐスマホ」はやる気を上げる、下げる、どっち?
A 脳のサボり癖とスマホは相性がいいので、注意!
朝起きてすぐにスマホを手に取っていたら、要注意です。何もやることがない、ヒマだ、会社に行きたくない……そんな無気力な朝を迎えている可能性が高いといえるからです。
実際、忙しくて充実しているときは、スマホを見ている時間はありません。ボーッとしながら画面をスワイプしている暇はなく、やるべきことに向けて体を動かしているはずです。
スマホの画面からは、次々と情報が入ってきます。脳というのは基本的にサボり屋ですから、情報を受け取っているだけで満足します。脳と相性がいい分、簡単に依存してしまうため、意識してスマホを遠ざける必要があります。
『自分のやる気が上がるのはどっち?』(著:田中伸明)より
『自分のやる気が上がるのはどっち?』 (クロスメディア・パブリッシング) |