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運動習慣の新常識——医学的根拠に基づく「ちょうどいい運動」とは?

生活習慣の乱れが気になる今日このごろ。

これからの自分のために運動習慣を身につけたいけれど、実際にどのくらい体を動かせばよいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。

運動は、やりすぎもやらなさすぎも問題です。

とはいえ、運動不足の人のほうが圧倒的に多いのが現実です。日本では、運動習慣がある男性は3人に1人、女性にいたっては4人に1人にとどまっています。

運動をすることには、以下のような幅広いメリットがあります。
① 筋肉を増やす
② 骨と関節を強化する
③ 内臓脂肪を減らす
④ 血管を丈夫にする
⑤ 心肺機能を高める
⑥ 免疫力を強化する

このように、直接的な健康効果だけを見ても運動の効能は実に多様です。

ただし、生活習慣病を予防するために必要な運動の方法、強度、頻度に関する知識は、近年の研究により大きくアップデートされています。

運動習慣の始める前に

 

以下に、普段あまり運動をしていない人にこそ知っておいてほしいポイントをまとめました。いずれも医学的な根拠に基づいた情報ですので、運動習慣を始める際の方針として参考にしてください。

  • 太ももの筋肉は「健康の指標」
     運動しないと、太ももの筋肉は1年で平均1%減少します。50代では10%も減少するとされます。20代男性を寝たきりにした実験では、たった2日で1%減少しました。若くても油断は禁物です。
  • 運動は「週12回」でも効果あり
     十分な運動を週1〜2回行うだけでも、週3回以上の人と比べて、死亡率や疾患リスクに大差はないことがわかっています。

  • 低強度でもOK!「スロートレーニング」のすすめ
     ゆっくりしたスクワットなどのスロートレーニングでも、高強度トレーニングと同程度の筋肥大効果が得られます。

  • 生活習慣病予防は「120分の速歩」で十分
     1日10分の速歩でも寿命が約1.8年延びるとされ、週150分で最大4年半寿命が延びるというデータもあります。

  • ウォーキングの「質と量」がカギ
     1日4,000歩(うち5分を速歩)でうつ病や睡眠障害の予防に、8,000歩(うち20分を速歩)で、認知症、心疾患、脳卒中、がん、骨粗しょう症など幅広い病気の予防効果が期待できます。

  • 「+10(プラステン)」の実践でリスク低減
     今よりも1日10分多く体を動かすだけで、死亡リスクが2.8%、生活習慣病発症が3.6%、がん発症が3.2%低下します。

  • 「クロストレーニング」でオーバーユースを防ぐ
     慣れない運動による故障(オーバーユース症候群)を防ぐためには、ランニング・スイミング・バイクなど異なる筋肉を使う運動を組み合わせて行うのが効果的です。

 これらのポイントに注意しながら、無理なく適切に運動を続けていけば、健康な体に一歩ずつ近づいていけるはずです。

「男のヘルスマネジメント大全」(著:石川雅俊)より

<併せて読みたい>

ウォーキング、ジョギング、ランニング…違いを知って、生活習慣に取り入れよう!

運動不足はメンタルにも影響を及ぼす!


「男のヘルスマネジメント大全」 (クロスメディア・パブリッシング)

 

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