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【オンラインコミュニケーション】初対面の相手の心をつかむ自己開示術

 初対面の相手に自己開示をする際に心がけると良いエピソードについてお話しします。

 そもそも、「自己開示」とはどのようなコミュニケーション力を指すのでしょうか。「自己開示」とは、文字通り“自分を開示すること”を意味します。決して自分を承認してもらうことが目的ではなく、相手の警戒心を和らげ、安心感や親近感を持ってもらうことが目的です。

 もちろん、相手にマウントを取るのは論外ですが、一方的に自己開示をしすぎても、相手を困惑させてしまいます。そこで、あらかじめ準備しておいてほしいエピソードの種類が二つあります。

 一つ目は「相手が共感しやすい“プチ自虐”」、二つ目は「相手が素直に褒めやすい“プチ自慢”」です。一つ目の「プチ自虐」は、すでに意識している方も多いかもしれませんが、二つ目の「プチ自慢」は少し意外に思った方もいるのではないでしょうか? ここで注目していただきたいのは、どちらのエピソードも“相手が”という主語で始まっている点です。

相手との距離を縮める、プチ自虐とプチ自慢

 まずは、「相手が共感しやすいプチ自虐」について。

 自虐といっても、相手に気を遣わせすぎない、クスッと笑えて共感しやすい内容が理想です。たとえば、最近のちょっとした勘違いエピソードや、苦手なこと、嫌いな食べ物、ご家族との日常的なやりとりなどが適しています。

 意識してほしいのは、初対面の相手が「わかります!」と笑顔で気軽に共感できる内容であることです。反対に、重すぎる自虐ネタや深刻な失敗談などは避けた方が良いでしょう。聞き手がどう反応すればいいのか迷ってしまい、気を遣わせる原因になります。

 明確な線引きは難しいですが、いわゆるパーソナルスペースを侵すような話題や、「この人と仲良くなるのは少し不安だな」と感じさせるような内容は控えるべきです。

次に、「相手が素直に褒めやすいプチ自慢」について。

 先ほどもお伝えしたように、自己開示の目的は承認されることではありません。このプチ自慢の意図は、あなたの話をきっかけに、「プチ自慢もOKな雰囲気」をつくり、相手が本音を話しやすい空気を生み出すことにあります。

 たとえば、ふるさとの魅力や家族のちょっとしたエピソード、子どもの頃の些細な成功体験など、相手が素直に「いいですね」と言いやすい内容を選びましょう。大切なのは、「自分を大きく見せるため(=相手を下に見るような)自慢」ではないことです。

 話し始める際には、「最近ちょっと嬉しかったことを話してもいいですか?」と愛嬌たっぷりに伝えると、柔らかい印象になります。プチ自虐とプチ自慢、両方のエピソードをバランスよく持っていることで、「この人は本音で接してくれているな」「裏表がなさそうだな」と安心感を与えることができます。お互いに表面的ではない言葉を交わせることで、自然と心の距離も縮まっていくはずです。

 とはいえ、初対面では一方的に長々と語ることは避けましょう。自虐ネタも自慢ネタも、あくまで“プチ”であることを心がけてください。相手を困らせるような一方的で自分本位な自己開示ではなく、「相手と良い関係を築くための自己開示」を意識してみてくださいね。

 

「オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方」(桑野 麻衣)より

【併せて読みたい】
コミュニケーションの基本!相互信頼を深めるには相手を”承認する習慣”にあった!


『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』 (クロスメディア・パブリッシング)

 

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