オンラインでのやりとりが増えた今、これまで以上に自己開示する力が求められています。
私たちがオフラインのコミュニケーションで当たり前のように行っていた「察する」という行為が、オンラインでは難しくなりました。オンラインコミュニケーションが中心になる中で、相手の本心が見えないことは、大きなストレスの原因となります。
実際、仕事でもプライベートでも、相手がどう思っているのか、きちんと理解しているのかがわからず、イライラしてしまった経験はないでしょうか? 対面であれば、ある程度察することも、相手に直接確認することも容易です。しかし、オンラインではそれ以外のことにも気を遣う必要があり、余裕がなくなってしまいます。
直線的なコミュニケーションが求められる今、必要なのは「わからない」「知らない」「できない」といったことを偽らず、正直に伝える姿勢です。その上で、「教えてください」と素直に頼ることができれば理想的です。特にビジネスにおいて、こうした言葉を率直に言えなければ、今後は致命的な結果につながる可能性もあります。
オンラインコミュニケーションは、便利であるがゆえに、相手の本音が見えにくく、深く関わることが難しくなります。一時的に場をしのぐことはできても、最終的には大きなミスやトラブルにつながるリスクがあるのです。
正直に、誠実に表現することが大切
もちろん、何でも好き勝手に素直に言えば良い、というわけではありません。ビジネスパーソンとして、自分で考え行動する姿勢は、これまでと変わらず大切です。ただ、オンラインでのコミュニケーションにおいては、相手に不要なストレスを与えないためにも、ストレートな表現がより一層重要になっているのです。
オンラインコミュニケーションが主流になったことで、これまで以上に「言葉にする力」や「態度に表す力」が重要な武器となっています。私たちはつい応用的なスキルや新しい知識に目が向きがちですが、まずは自分が基本的なことを本当にできているか、今一度見直すタイミングにしてほしいと思います。
自己開示とは、自分の本音や本心を素直に伝えることでもあります。自分にできることをやり切ったうえで、正直に、そして誠実に表現すること。それが、「好かれ、信頼される」ビジネスパーソンへの近道となるのです。
「オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方」(桑野 麻衣)より
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