ついつい口をついて出る言葉、あなたのやる気を下げていませんか?やる気を左右する口ぐせを二択形式でご紹介します!
Q ポジティブな言葉とネガティブな言葉、やる気が上がるのはどっち?
A ポジティブな言葉を使う人はやる気が上がる
人間の脳というものは、あなたが発した言葉で現実を認識します。あなたが「楽しい」と言えば楽しい現実があると認識し、「つまらない」と言えば現実はつまらないと認識します。その意味で「口ぐせ」はやる気を左右する重要なファクターといえます。
脳があなたの言葉で現実を認識することを、職場でよくある例で紹介しましょう。
ある会社に、部下によって評価の分かれるA課長がいたとしましょう。若手時代に自分を育ててくれたと感じている部下Bにとって、A課長は「厳しいけれど、指導力のある上司」という評価です。一方、別部署から異動してきた部下CにとってのA課長の評価は、「強引で嫌みな上司」です。
では、問題です。A課長の下で働き続けるとして、やる気が上がるのは部下Bと部
下Cのどちらでしょうか?
答えは簡単。上がるのは、部下Bで、下がるのは部下Cです。
先ほど、脳は「言葉」で現実世界を捉えると説明しました。部下Bは、上司を「指導力がある」とポジティブに評価していますから、A課長が少し強引に感じられる発言をしても、「みんなを引っ張ってくれる」という認識になります。
ところが、同じ場面でも部下Cの捉え方は異なります。「また強引に自分の意見を押しつけてきた。イヤな上司だ」と受け止め、「やる気が出ねぇ……」となるわけです。
あなたが認識する世界をつくっているのは、あなたの言葉です。ポジティブな言葉を選べば、ポジティブな世界が現れます。ネガティブな言葉を選ぶと、ネガティブな世界が現れます。
脳神経科学的に言うと、ポジティブな言葉を使う人はやる気が上がり、ネガティブな言葉を使う人はやる気が下がるのです。
Q 「疲れた」「しんどい」と思っても、口に出さない方がいい、出した方がいい、どっち?
A やる気のことを考える前に自分の不調の原因を探ろう
皆さんは毎日のように、「疲れたな」「しんどいな」と言っていませんか?
無意識で言っているかもしれませんが、こういう場合は心身のどこかによくない状況が起きていて、それが言葉として表出していることがありますから、意識して自分自身をふり返ることをお勧めします。
「なぜ私は毎日のように、疲れた、と言うのだろう?」
「しんどいって、何がしんどいのだろう?」
鏡を見ながら、自分に向かって問いかけてみてください。そして、肉体的に疲れているならば休養を、精神的にしんどいのならば原因を探って取り除くような行動を起こしましょう。
無意識のうちにこぼれ出るネガティブな言葉は、その原因を意識的に振り返ってほしいという脳からのサインです。そんなふうに捉えて、次の行動につなげていくことが大切です。
Q 「グチ」を言うとやる気が下がる、むしろ上がる、どっち?
A 上げはしないが下げもしない
グチを言うとやる気が下がりそうなものですが、脳科学的には「そうとも限らない」といえます。さすがにやる気を上げる効果までは期待できませんが、グチにはやる気を下げない効果がありそうなのです。
そもそも人がグチを言うときは、脳が「その問題を見直しなさい」とあなたに伝えている……と考えることができます。人間関係のグチが多ければ、「その関係を見直したらどうか?」、仕事がつまらないというグチが多いならば、「その仕事を続けるか考えよう!」と脳はあなたに伝えているのです。
でも、ほとんどの人は考え直したからといって、すぐに人間関係を断ち切ったり、仕事を辞めたりはできませんよね? だからグチを言って、現状を変えられない自分と折り合うためのガス抜きをしているわけです。
現状をすぐに変えることはできないけれど、希望を失わず、変化が訪れるまで今の状況で頑張るためにグチっているのです。居酒屋でのぼやき合いは、やる気を上げませんが、下げもしません。グチるのをやめて苦しくなるぐらいならば、積極的にグチってしまいましょう!
『自分のやる気が上がるのはどっち?』(著:田中伸明)より
『自分のやる気が上がるのはどっち?』 (クロスメディア・パブリッシング) |