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座りっぱなしの健康リスクと対策4選【動こう!デスクワーカー①】

健康経営のための社内健康イベント

あなたは1日にどれくらいの時間座っていますか?「座りっぱなし」の悪影響は単に運動不足になるだけではありません。この記事ではデスクワークの多いビジネスパーソンに向けて、座りすぎが招く健康被害と、その対策をご紹介します。

日本人は“世界一”座っている

※Bauman et al. The descriptive epidemiology of sitting. Am J Prev Med 2011 より作成

 

実は、日本人は世界で一番座っている時間が長いという調査結果が報告されています。シドニー大学を中心とした研究機関では、世界20カ国の成人を対象に平日の座位時間についての調査※1が行われ、日本が「7 時間」で第1位です。

 

また、平成28年に日本で行われた調査※2では、対象者の2割が昼食・トイレ以外で「休憩を取らない」と回答しており、まさに「座りっぱなし」状態のデスクワーカーが顕在化しています。

 

お手洗いと昼休み以外デスクに張り付いている日がある。

お昼もデスクでお弁当を食べることが多い。

 

このようなデスクワーク習慣が常態化すると様々な不調が現れてきます。

 

死亡リスクが高まる!?長時間座り続ける弊害とは

 

エコノミークラス症候群

長時間の座位状態で起こる病気というと、エコノミークラス症候群を思い浮かべる方もいるでしょう。エコノミークラス症候群とは、食事や水分を十分に取らない状態で狭い座席に長時間座ることで、血行不良が起こり、血の固まり(血栓)ができる症状を指しています。血栓が血管を流れて肺に詰まってしまうと「肺血栓塞栓症」を誘発する恐れもあります。

 

飛行機などの「乗り物で座っている時に注意すべき病気」という印象がありますが、デスクワーク中にあまり休憩をとらない方も注意が必要です。

 

下肢静脈瘤

足のむくみがつらい。いつもなんとなくだるい。疲れやすい。足がつってなかなか寝つけない。

などの症状に悩んでいるデスクワーカーの方は、その原因が「下肢静脈瘤」にある可能性もあります。下肢静脈瘤とは足に不要な血液がたまり、コブや湿疹などが生じる病気。コブがなくても、むくみやだるさ、皮膚の変色として症状が現れる場合もあります。

 

下肢静脈瘤の詳細やセルフチェック項目を確認したい方はこちらの記事をご覧ください。

・デスクワーカー要注意!足のだるさ・疲れの原因は「下肢静脈瘤」かも【セルフチェックシート付き】

 

全身の血流が悪化して生活習慣病の原因に

長年デスクワークをしているけど、むくんだりエコノミークラス症候群になったことは無い。

自分には座り仕事が向いている。

 

と油断してはいけません。

 

WHOの報告(2011年)によれば、座りすぎの生活は、肥満、糖尿病、高血圧、がんなどのリスクへとつながり、世界で年間200万人の死因となっています。

 

座っている状態では足の太ももやふくらはぎはほとんど動かないままです。特にふくらはぎには、歩くことで下半身に下りた血液を心臓に戻す重要な役割があります。つまり、座っていると「第二の心臓」が使われず、血流が滞ってくると血栓ができやすくなり様々な血管トラブルの原因となります。

 

また、血流は全身に酸素と栄養というエネルギー源を流通させているわけですから、エネルギー不足が細胞を劣化させ、体中の臓器に弊害が及んでしまいます。足の筋肉が使われないことも、代謝などに影響して血糖値やコレステロール値に問題が生じます。

 

このように、座りすぎには様々な生活習慣病の原因が潜んでいるのです。

 

「座りすぎ」を防ぐ4つの対策

座りすぎが健康に悪いといっても仕事時間を減らすわけにはいきませんよね。

ここからは、デスクワークの中でも現実的に取り組める「座りすぎ対策」や、座りすぎが引き起こす「血行不良」を防ぐ方法を4つ紹介していきます。

 

①1時間ごとに席を立つ

座りすぎによる不調を防ぐには、少しずつでも座る時間を減らしていくことがなにより大切です。職場では、最低1時間に1度はデスクを離れましょう。プリントアウトを取りに行ったり、お茶を買いに行ったり、トイレに行ったり、ちょっと立ち上がって体を伸ばすだけでも結構違います。

 

ついつい長時間作業に没頭してしまった。そんな時は軽い体操やストレッチでリフレッシュしましょう。体のむくみやコリの改善にも効果的です。疲労回復専用ジム「ZERO GYM」では、オフィスでも手軽に取り組めるストレッチを紹介しています。椅子に座りながらできるのでぜひお試しください。

 

もし立って休憩がとれない場合は、かかとの上げ下ろし運動やふくらはぎのマッサージをして血行不良を防ぎましょう。

 

②水分補給をする

動かないでいるとついつい水分補給を怠りたりがちになります。しかし、脱水症状を防ぎ、血流をよくするためにはデスクワークでも水分が不可欠です。

 

オフィスでの飲み物といえばカフェインを摂取できるお茶やコーヒーが人気ですが、利尿作用があるため水分補給にはオススメできません。リフレッシュ用のお茶・コーヒーとは別に、“こまめに”、“少しずつ”お水やスポーツドリンクで水分をとりましょう。

 

③正しい座り方で作業する

姿勢が悪いと腰痛や肩こりの原因になるだけでなく、呼吸が浅くなり集中力の低下も招きます。椅子に座って作業する際は、以下の6つのポイントをぜひ気を付けてみてください。

 

  • 少し浅めに腰掛けて背もたれに寄りかからない。
  • 腰の骨を心持ち前に突き出す感じで腰を伸ばす。
  • 肩の力を抜く。
  • 軽く顎を引く。
  • 脊柱のS字カーブにそった姿勢をイメージする。
  • 足を組まない。

※引用:『最高のデスクワーク』猪俣武範 クロスメディア・パブリッシング

 

正しい姿勢に慣れていない方は、最初はきつく感じるかもしれません。こまめに休憩をはさみながら、前かがみになっていないか、腰の位置がずれていないか意識的にチェックしてみましょう。

 

④スタンディングデスクを活用する

在宅勤務の機会がある方は、スタンディングデスクを導入してみるのもいいでしょう。大手通販サイトでは昇降式や折りたたみタイプなど多様のデスクを見つけることができます。もちろん、わざわざ購入しなくても、ちょうど良い高さのキッチンテーブルや家具を活用するという手もあります。

 

 

①~③の対策はすぐに取り組める簡単な内容になっています。ぜひ、明日から「座りっぱなしワーク」から抜け出す一歩を踏み出してみてください。

 


■参考文献:

※1The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ):

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21767731/

※2雪印メグミルク「今どきの仕事スタイル調査」:

https://www.meg-snow.com/news/2016/pdf/20160307-1181.pdf

・厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html#:~:text=%EF%BC%88%EF%BC%91%EF%BC%89%20%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%A9%E3%81%8D%E3%80%81%E8%BB%BD%E3%81%84%E4%BD%93%E6%93%8D,%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82

『最高のデスクワーク』猪俣武範 クロスメディア・パブリッシング

『健康な数値』猪俣武範 クロスメディア・パブリッシング

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