「最高の体調を手に入れて、もっとパフォーマンスを高める」には? 『最高の体調』著者・鈴木祐氏(愛称:パレオな男)のアドバイスをもとに、ビジネスライフ社長がさまざまなミッションにチャレンジしながら、健康経営・疲労回復に役立つ情報をお届けします。 第4回は「メンタルコントロール編」。認知行動療法に基づき、思考の歪みを整えるテクニックをご紹介……のはずが?
小早川氏、睡眠を振り返る
——最高の体調を目指して「睡眠」「筋トレ」をこなしてきた小早川社長(43)。年末に行われた鈴木氏との打ち合わせでは、現状報告が行われたのだが——。
鈴木「10月から睡眠・筋トレと生活を改善してきたわけですが、その後調子はどうですか?」
小早川「まず、飲み会が楽しくても疲れを感じたら早く切り上げるようになりましたね。夜の12時前には家に帰り、12:30には布団に入るようにしてます。相変わらず寝つきはすごく良いので睡眠データもバッチリです。6:30には起きていますし、間違いなく以前より改善してますね」
以前は「飲み会が楽しくて断りづらい」と言っていた小早川氏だが(連載第二回参照)、睡眠に影響しない程度にコントロールするようになったという。
小早川「最近、8時間寝られるような会社経営の方が儲かるんじゃないかと思うようになって。会社のスタッフ全員が8時間睡眠をとっていたら、とても仕事効率が上がりそうですよね。仮に8時に出勤して19時には退勤するとしたら、0時前就寝が現実的になると思うんです」
鈴木「そんな会社になったら売りになりそうですね! 出勤時間が早すぎると体内時計が夜型の人には厳しいと思いますが……。小早川さんは朝型なのかもしれません」
鈴木氏によると、体内時計には「朝型・昼型・夜型・不眠型」という4つのパターンがあるという。「昼型」の鈴木氏は7時〜7時半に起床するが、それよりも早く起床する小早川氏は確かに「朝型」と言えそうだ。
「最近は朝型かもしれませんが、昔は夜型でしたよ? 0時過ぎまで仕事したり、飲んだり……」と疑わしげな小早川氏に、鈴木氏は「それは生活パターンを勘違いしている」と説明する。
鈴木「若い頃は夜に遊びに行ったり、無茶してしまうから『自分は夜型』と勘違いするだけです。それに、第二回でも言いましたが、夜型でも0時には就寝するべきなんですよ」
小早川「それはよくわかるなあ! 20代の時、朝は家を出るギリギリまで寝てましたから。駅まで全力ダッシュしてなんとか出社時間に間に合わせたりもしましたね。余裕を持って出勤できなかったのは夜の活動が体に負担をかけていたからかもしれない。若いからと言って油断はできませんね」
◆参考記事「朝型信仰の罠!体質の差が睡眠格差を生む「社会的ジェットラグ」に要注意」
◆参考記事「”文明病”を撃退する!進化医学のメソッドで最高の自分になる方法とはーー鈴木祐さんに学ぶ~著者と語る朝渋~」
筆記開示で眠りの質が高まる
「8時間睡眠」の効果は明らかなものの、生活リズムが仕事に左右されるビジネスパーソンには難しい。「現時点で完全なる8時間睡眠はできていない」という小早川氏に鈴木氏は「どうしても時間が取れないなら、眠りの質を高めるしかありません」とアドバイスする。
小早川「寝つきはかなりいい方なんですが、これ以上眠りの質が高まる方法なんてあるんですか?」
鈴木「筆記開示というテクニックがあります。紙に気持ちをワーッと書き出すだけのものですが、手軽で効果が高い方法です」
鈴木氏の推奨する「筆記開示」とは、思考回路に自動的に浮かぶものに気づき、書き出して見つめ直すことで、思考の歪みを正していくという、「認知行動療法」の一種。健康面では
・免疫システム機能の改善
・血圧の低下
・肺機能の改善
・肝機能の改善
などのほか、メンタル面では
・試験前の抑うつ症状の軽減
・心理的幸福感が大きくなる
・不眠症患者の入眠までにかかる時間が短くなる
などの効果が実証されている。
睡眠にも効くという言葉に小早川氏も「やりたいですねえ!」と乗り気だ。
◆参考記事「たった4日間日記を書きなぐるだけで心身ともに健康に&仕事効率もアップするらしい。」
「悩みはないです」!?小早川社長、驚きのメンタル状況
「日頃の不安を書き出すことで寝つきが良くなるというデータがあって……」と続ける鈴木氏。しかしどういうわけか、小早川氏の表情は曇ってしまった。
「これは、不安症で悩んでいる人に効果があるんですよね?」
頷く鈴木氏に「困ったなあ」と小早川社長。
「そんなに悩んでることないんだよなあ」
鈴木「……悩みが、ない?」
小早川 「会社を設立して14年……。紆余曲折あったおかげか、精神面も鍛えられました。
だから、自分は普通の人に比べて心が強いんですよ!」