「自分は普通の人に比べて心が強いんですよ!」……と豪語する小早川氏に、鈴木氏も度肝を抜かれた様子だ。
鈴木「確かに経営者は精神面も鍛えられるでしょうね。でも普通は、なかなかそこまで言い切れない(笑)」
小早川「『悩みはありませんか』って聞かれても困ってしまうんですよねえ。悩む前に考えて、すぐに解決に当たりますから」
鈴木「それはいいことですね。でも、処理するべきタスクで頭がいっぱいになることはないんですか?」
小早川「解決すべき課題については常に考えてますけど、悩みというわけではないですからねえ。筆記開示をしてもそんなに効果が期待できない気がします」
「悩み」というワードに気乗りがしない様子の小早川氏。鈴木氏が「そんなことはないですよ!」と引き止める。
鈴木「筆記開示をすればさらに頭が整理されるかもしれませんよ。
小早川さんは考えなければならないことが多いんですよね?
筆記開示は悩みが多い人だけでなく、タスクが山積みの人にもオススメの方法です。
常に思考を巡らせている人なら、眠っている間にも思考している可能性はすごくある。それでは脳が十分に休息できませんよね。眠る直前に筆記開示を行えば、睡眠をより深くできると思いますよ」
4日でメンタル&脳疲労改善!筆記開示のコツ
鈴木氏がオススメする筆記開示だが、次のルールを守って行うとより高い効果が見込めるという。
・執筆は、気を散らすことなく、私的で個人的な場所で行う
・3日~4日連続で書く
・20分書き続け、自分の気持ちの整理に10分かける
・書くトピックは自分で決める
・不特定多数への公開を前提としない
鈴木氏の説得を受け、小早川氏も再度やる気が湧いてきたようだ。
小早川「睡眠時間を伸ばせない代わりに、筆記開示で質を高める………いいですね! ちょうど日記をつけてみたいと思っていたところだし。自分の考えや言動を振り返ってみたいです。
筆記開示の条件に『不特定多数への公開を前提としない』とあるけど、あまり隠したいという気持ちは湧いてこないな。腹が立つことがあっても翌日になると忘れていたりするから、筆記開示に書かなくても処理できてしまうのだと思う。あまり溜め込まない性質なんだと思いますね」
鈴木「感情マネジメントがすでにできているなんて、素晴らしいじゃないですか!
でも、頭の中だけでタスクを処理するのはほぼ無理です。
紙に頭の中を書き出せば脳疲労は和らぐはず。”脳内棚卸し”を行う気分でやるといいかもしれません」
ただ、日記として筆記開示を使うときには注意が必要だと鈴木氏は言う。
「日記だからといって端正な文章を心がけてしまうと効果は期待できない。後から読み返すことを考えない方が頭を整理できます」
社長、筆記開示で眠りを深める……はずが?
まずは3〜4日筆記開示を続けてみて、次回の打ち合わせでその効果を確認するということで、年末の打ち合わせは終了した。
そして年明け、鈴木氏が筆記開示の効果を尋ねると……またもや驚きの返答が。
「最近自分の時間が十分に取れていなかったので、年末年始はのんびりしてたんですよ。ずっと家で読書をしたり映画を見たりしてました。とにかくなにもしたくなくて……。
だから、筆記開示をする気も起きなかったんです!」
「やってないんですか!」と思わずズッコケる鈴木氏。しかし小早川氏の表情に疲労の色は見えない。
「普段人とよく話すので、年末年始は静かにリフレッシュを、と。本に影響されて岐阜まで一人旅をしたり、久しぶりに優雅な時間を過ごせて気分が良くなりました」
「おかげで新年もスッキリと仕事を始められた」という小早川氏に、鈴木氏も「リフレッシュできているなら」とホッとした様子。小早川氏の関心はもっぱら「運動・睡眠」の継続に絞られているようだ。
小早川「ジムが閉まっていたのでHIITはできてないんです。運動面は早く取り戻さないと、という思いがある。休みの間は8時間睡眠を心がけたし、暴飲暴食もしていないんですが」
鈴木「停滞感がある、ということですか。停滞したと感じたときは気分を切り替え、新しいことにチャレンジしてみるのも一つの手ですよ。
まだルーティーンとして固まっていないから継続が難しいというのも停滞感の原因でしょうね。僕の場合、毎日の予定をがっちり決めて対策しています。時間帯まで細かく決め直すといいかもしれません」
相談の結果、「まずはこれまでの睡眠・運動の指令を継続したい」と新年の抱負を決めた小早川氏。ところで、前々回の記事では飲み会を切り上げるため「オンライン英会話に挑戦する」とも宣言していたが……?
小早川「実は英会話、まだ申し込んでないんですよね」
鈴木「申し込んでないんですか!」
あっけらかんと答える小早川氏。2019年、社長の「最高の体調」計画はまだまだ続きそうだ。
「パレオな男に聞いてみた」次回は食生活編。「パレオダイエット」で知られる鈴木氏に、食生活と仕事効率化の関係を教えていただきます。
次回もお楽しみに!
生活習慣・ストレスを改善したい方へー「過去最高のコンディション」を目指す実践型プログラム
『最高の体調』は科学ジャーナリスト鈴木祐氏による、
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