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面接で自信を持つ方法 |就活・転職活動 編-科学的な適職Q&A-

科学的な適職Q&A
Written by 鈴木祐

発売1週間で5万部突破、「就職・転職・キャリア設計に役立つ!」と話題の書籍『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』(鈴木祐 著)。→試し読み・関連記事はこちら

この記事では、事前アンケート・読者アンケート等で読者の方から寄せられた「キャリアにまつわる疑問」から、書籍内でカバーしきれなかったものをピックアップ。著者の鈴木祐氏に回答いただきました。


第1回「夢を追い続けた人は幸福になれるのか?|科学的な適職Q&A「好きを仕事に」編」

第2回「通勤時間の悪影響を受けない対策法|科学的な適職Q&A「仕事への満足度」編」


第3回は、就活・転職活動にまつわるお悩みについてです。

Q1 就活・転職活動の面接で自信を持つ方法について

企業との面接をする際、どうしても嘘をついている気分になってしまい罪悪感が拭えません。どうすればそのような感覚を払拭できるでしょうか?

[回答]

めちゃめちゃあるあるな話ですね 笑。そうですね、基本的に自信ってその仕事で成果を出すことでしか生まれないんですよ。なので、まず始めてもない仕事で自信がないっていうのは当たり前ですよね。一部に「根拠がない自信を持て」みたいなアドバイスがあると思うんですが、基本的に根拠のない自信を持つ人は遺伝で決まります。つまり、根拠がない自信を持っている人は遺伝的に恵まれた人と言えるので、それは参考にしない方が無難ですね。

さらに言ってしまえば自信があるのが良いのか問題というのもあります。大体多くの自信についての研究で分かっているのは根拠がない自信を持っている人は実際は能力がないし、成果も実際上がらないし、単にナルシシズムのレベルが高いだけだっていうことが分かっていて、実社会でなかなか活躍しづらいんですよ。それに比べたら自信がない方がましですね。

その感覚が嫌だっていうのも分からなくはないですけど、基本的にはみんなあることだと受け止めるしかないですね。

対策の1つとしては成長マインドセットを身につけることですね。自分の能力は生まれつき決まったものではなくて、後から伸ばせるっていう感覚のことなんですけど、これがない人ほど罪悪感に絡め取られやすいっていう傾向があります。具体的にどうやって伸ばすかというと、どんな人もそれなりに努力しているはずなので、自分の成果というよりか努力の総量にフォーカスして自分を褒めてあげるというやり方がありますね。

就活や転職だといかに面接を乗り越えるかといったゴールにフォーカスしてしまいがちなんですけど、この面接でどんな成長ができるか、どのようなものが得られるかにフォーカスしてみると多少は楽になれますね。「いつもより大きな声で挨拶できた」とかそういう些細なことでも良いですよ。

罪悪感問題は一時期どんな人でも悩むところではありますよね。すごい成果を残している人でも悩んだりする問題なので、これに関しては「そういうものだ」って思うのが一番大事なんだと思います。

 

Q2 どのくらいの期間で仕事の適性を判断すればいいか?

就いた仕事が自分に適しているかを見極めるのに必要な期間はどのくらいなのでしょうか?

[回答]  

明確な基準はないですけどね。ざっくり言って3ヶ月くらいで見極められるんじゃないでしょうか。3ヶ月おきに「科学的な適職」の中で紹介されている「ヒエラルキー分析」や「仕事満足度尺度」をやってみるといいと思います。ただし、自分が求める価値観が明確になってないと自分が幸福かどうかは判断できないので、自分の価値観をはっきりさせることが第一になりますね。

適性を見極められない時は「なんか嫌だな」くらいの非常に漠然とした感覚で物を見ているケースが多いんで、それではいつまで経っても見極められないと思います。自分の基準をはっきりさせてから判断する必要がありますね。その時に「科学的な適職」で挙げられた「仕事の幸福度を決める7つの徳目」を参照にするのも良いですし、他に何か基準があればそれを取り入れても良いと思います。

職場の問題に関して調査レポートがあるわけではないんですが、1つのコミュニティに入ってから、全体がどういう価値観で動いているのか、どういう性格の人が働いているのかが分かるには、だいたい3ヶ月くらいかかることが多いです。

 

Q3 就活・転職活動でエージェントに相談するのはいい方法か?

転職や就活をする際、エージェントに相談するのはよい手段だと言えるのでしょうか?

[回答]

良いと思いますよ。「科学的な適職」にも書いた通り、自分の中の可能性を広げるっていうことなんで。手広く情報を張っておいた方が良いのは間違いないですね。あと実務的なことでいうと、転職サイトからの応募だけだと機械的に落とされるケースが結構あるんですけど、それをエージェントが取り持ってくれるケースが結構あります。ただし、エージェントの方も商売でやっているので、向こう側の都合に絡めとられないためには、前提として自分の価値観をしっかり定めてから相談することが大切ですね。

 

Q4 就活・転職活動をするほど、どの職がいいか決められないのですが…

「まずはやってみて合うか判断する」より「はじめからいい職に就こう」と考えすぎて前に進めません。どうすればいいでしょうか?

[回答]

これは普遍的な問題ですね……笑。マキシマイザー問題と言われるものです。マキシマイザーっていうのはMaximizer、つまり常に最大化を求める人のことです。

これはわりと根が深い問題で、現代人に増えつつある傾向なんですよね。選択肢がすごく増えたために選択できなくなって常に最高を求めるようになるという傾向が全てにおいて見受けられるようになっています。パソコンやスマホを買うにしても最上のものを買おうとしてどれにしようか何も決断できないっていう。

これに関しては自問のテクニックが必要になるとは思いますよ。そもそもなんで自分はそういう会社に入りたいのか。この質問を掘り下げるしかない。

パソコンが欲しいと思った時に商品を選べなかったとして、そもそもなんで自分はパソコンが欲しかったのか、文章を書きたいのか、動画を編集したいのか、そういうそもそもの目的によって選択は違ってきますよね。動画編集だったらスペックが必要ですし、文章を書きたいのなら軽スペックなものを優先した方が良いでしょうし。というのは企業選びでも同じですね。

自分がそもそも何を求めているかはっきりさせる。それがないとぼんやりとした目標のもとで彷徨うことになりますね。この方の言う自分にとって「良い職」とは何なのか、ということに立ち返って考えてみるのが大事かなと思いますね。

 

『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』(鈴木祐)

 

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職選びの常識を科学的根拠が覆す!

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【目次(一部抜粋)】

STEP1  幻想から覚める Access the truth ~職業選択にありがちな7つの大罪~

〈大罪1〉好きを仕事にする

〈大罪2〉給料の多さで選ぶ

〈大罪3〉業界や職種で選ぶ

〈大罪4〉仕事の楽さで選ぶ

〈大罪5〉性格テストで選ぶ

〈大罪6〉直感で選ぶ

〈大罪7〉適性に合った仕事を求める

STEP2 未来を広げる Widen your future ~仕事の幸福度を決める7つの徳目~

〈徳目1〉自由

〈徳目2〉達成

〈徳目3〉焦点

〈徳目4〉明確

〈徳目5〉多様

〈徳目6〉仲間

〈徳目7〉貢献

STEP3 悪を取り除く Avoid evil ~最悪の職場に共通する8つの悪~

〈1位〉ワークライフバランスの崩壊

〈2位〉雇用が不安定

〈3位〉長時間労働

〈4位〉シフトワーク

〈5位〉仕事のコントロール権がない

〈6位〉ソーシャルサポートがない

〈7位〉組織内に不公平が多い

〈8位〉長時間通勤

STEP4 歪みに気づく Keep human bias out ~バイアスを取り除くための4大技法~

〔技法1〕10/10/10テスト

〔技法2〕プレモータム

〔技法3〕イリイスト転職ノート

〔技法4〕友人に頼る

STEP5 やりがいを再構築する Engage in your work ~仕事の満足度を高める7つの計画~

仕事の満足度を判断する方法

仕事を最高に変える行動計画

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About the author

鈴木祐 

サイエンスライター

サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)他多数。

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