忙し過ぎてご飯を食べ損なうことってありますよね。
食事を抜くと栄養不足になりそうです。
そんなときでも飲み物なら短時間で栄養を補給できます。
そもそも食事に含まれている重要な栄養素とは何でしょう?
それは、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルです。これらを五大栄養素と言います。
しかし、実は五大栄養素だけでは不十分で、食物繊維を加えた合計6つを食事で摂る必要があります。食物繊維は「狭義の栄養素」の範疇には入らないのですが、「広義の栄養素」で考えると極めて重要な栄養素です。
長期的に見ると、これら6つの栄養素はすべて摂る必要があります。一方で短期的に見ると、たまには抜いてもいいものもあります。体のなかにストックがある糖質と脂質はしばらくの間なら食べなくても問題はありません。
逆に言うと、1日3回サボらずにキチンと摂るべき栄養素があり、それはたんぱく質と食物繊維です。ちなみに、その次はビタミンとミネラルになります。
このように時間の観点から栄養素を見ると、忙し過ぎてご飯を食べ損なった場合でも、たんぱく質と食物繊維だけは摂りたいところです。両方をひとつの飲み物でまかなうのは少し無理があります。それぞれ分けて考えましょう。
飲み物でたんぱく質と食物繊維を補う
たんぱく質を多く含む飲み物は牛乳、乳酸菌飲料、豆乳です。このうちどれかを飲みましょう。
食物繊維を多く含む飲み物は野菜果物ジュースです。ただし、ジュースだけでは食物繊維の必要量はまかなえません。
1日当たりの食物繊維の目標摂取量はおおよそ20〜25g程度となっています。しかし、通常の野菜ジュース1杯当たりの食物繊維はその10分の1以下です。飲まないよりはマシですが、過度な期待はしないほうが無難です。
味が強いジュースには食塩、そして甘いジュースには甘味料が加えられていることが多く、ナトリウムやカロリーの過剰摂取には注意してください。
また、野菜ジュースを飲むときに気を付けるべき点がもう1つあります。食物繊維の種類についてです。
食物繊維には水に溶けるもの(水溶性)と溶けないもの(不溶性)とがあります。栄養面ではそれぞれ特徴があるのですが、深いところまではよくわかっていないというのが正直なところです。よって栄養学的には、どちらが優れているかではなく、どちらもきちんと摂るようにしましょう、ということになっています。
たとえば、グレープフルーツの場合、そのまま食べると果肉中の不溶性食物繊維も一緒に摂ることができます。しかし、自分で絞ってジュースにすると、不溶性食物繊維はほとんど摂ることができません。捨てるほうの絞りかすに貴重な不溶性食物繊維が残っているのはもったいないですね。
不溶性食物繊維はサイズが大きいものが多いので、飲み物のなかにフワフワと混ざった小さな塊が肉眼で見えることがあります。通常の市販飲料は濾過という工程があるので、小さな塊は除去されます。そのため、市販飲料の食物繊維は水溶性食物繊維がメインだと考えていいでしょう。つまり、飲料だけでは不溶性食物繊維は摂取できないということです。
結論としては、忙しくて食事をとれないときは、野菜果物ジュースに加えて牛乳を飲むようにしましょう。牛乳の代わりに乳酸菌飲料、もしくは豆乳でも構いません。
「なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?」(著:田中越郎)より
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