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通勤時間をムダにしない対策法|仕事の満足度 編-科学的な適職Q&A-

科学的な適職Q&A
Written by 鈴木祐

発売1週間で5万部突破、「就職・転職・キャリア設計に役立つ!」と話題の書籍『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』(鈴木祐 著)。→試し読み・関連記事はこちら

この記事では、事前アンケート・読者アンケート等で読者の方から寄せられた「キャリアにまつわる疑問」から、書籍内でカバーしきれなかったものをピックアップ。著者の鈴木祐氏に回答いただきました。


第1回「夢を追い続けた人は幸福になれるのか?|科学的な適職Q&A「好きを仕事に」編」


第2回は、『科学的な適職』全編を通して取り上げられている「会社・仕事への満足度」についてです。

Q1:ベストな通勤時間の限度は?また、通勤時間の悪影響を受けない対策法とは?

『科学的な適職』には「通勤時間が長くなるほど人生が不幸になる」(P160)とありますが、どのくらいの通勤時間までが健康に被害を及ぼさないのでしょう?

また、どうしても通勤時間を変えられない場合、通勤時間の悪影響を受けない対策法はあるのでしょうか?

[ 回答 ]

まず、ベストな通勤時間というのは「ゼロ」、ですね。笑 データによると、通勤時間は短ければ短いほど良い。悪影響の上がり幅が大きくなるポイントというのも特にないんですね。わりと綺麗に時間に応じて増加していく感じです。

通勤時間ってすごく無駄感があるじゃないですか。この「自分は今無駄な時間を過ごしてるなあ」っていう感覚が、脳に悪影響を及ぼすんですよ。

つまり、通勤時間の悪影響を受けないためにはそういう無駄な時間を過ごしている感覚を消せばいい有意義なことをすれば良いんです。なんだったら「今自分は、偉大なる仕事を行うために移動しているのだ!」って自分に言い聞かせるのも良かったりします。笑 分かりやすいのは勉強や読書ですね。自分に役に立つものは何か、見極めてやるのが一番良いですね。

 

Q2:同じ作業に飽きてきたら?仕事のマンネリ化対策

「人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいるとき」(P110)とありますが、毎日の仕事がマンネリ化してきたとき、モチベーションを上げるための具体的な方法はあるのでしょうか?

[ 回答 ]

仕事がマンネリ化しているということは、作業がつまらなくなっているということなので、作業の難易度を上げてみると良いと思います。方法はいろいろありますが、一番手っ取り早いのは作業時間を短くすることですね。この時間までに終わらせる、みたいな時間設定が一番分かりやすいです。

アプリを使ってみるなど、仕事を全く別のやり方でやってみるという方法もありますね。毎回ちょっとずつ内容を変えていくと学習効率って上がるんですよ。勉強もそうなんですけど、同じような問題を解く時も今回は手書きのノート、次はPCというようにやり方を変えていくと学習効率が上がります。手順を変えてみるのもやり方を変えることになりますね。

人間のモチベーションというのは、かなりのところまで難易度設定で決まるので、仕事に飽きてきたと思ったら時間や方法を変えて難易度設定をいじっていただければと思います。

 

 

Q3:仕事への満足度の判断方法とは?

仕事に特に刺激を感じず安定している状態は「仕事に満足している」と判断していいのでしょうか? その場合、趣味などに力を入れるべきでしょうか。

[ 回答 ]

仕事に刺激がない状態でも満足感があるのなら「満足している」と判定して良いし、刺激がないことで満足感がないと感じるなら「満足していない」ということになりますね。安定が好きな人は刺激が少ない状態で満足するだろうし、好奇心旺盛で刺激を強く求めるような人はそれでは満足できない。

趣味などに力を入れるべきか、とありますが、「仕事で満足感を得られない場合、趣味に力を入れれば仕事の満足感も上がる」というデータがありますね。メカニズムはよくわかってないのですが。だから別に仕事に満足できなくても趣味に力を入れればなんとかなるんじゃないかという気もします。

今の社会、みんなが満足満足言い過ぎだからそれで心配になる人も結構いるんでしょうね。実際、そこそこ満足していたのに周りから仕事に満足することが大事だと言われすぎて「自分は本当に大丈夫なのか」と疑心暗鬼になるパターンが、かなりありますね。そのせいでかえって満足度が低下してしまうという。周囲のものにとらわれていないかチェックしたほうがいいですね。

 

Q4:家族のために働くのはメンタルにいい?

「ヘルパーズ・ハイ」(P137)の効果について、「自分の仕事が他人に貢献していることを実感できると幸福度が上がる」と説明されていますが、家族のために働くことはメンタルにいいと言えるのでしょうか?

[ 回答 ]

明確に誰かを助けているという実感があればそれで良いと思います。「ヘルパーズ・ハイ」における「他人」には家族も含まれますよ。

ただ、この方が家族に価値を置いているかどうかですね。家族に価値を置いていない場合に生まれてくる、「自分を犠牲にして家族の役に立っている」という思いは決して良くはないです。自分が擦り切れてしまうからですね。

人間は公平性を重んじるので、他人のために自分を犠牲にしているという感覚があると幸福度は下がるんですよ。

ボランティアも年100時間超えると幸福度が下がるというデータがあります。「ヘルパーズ・ハイ」はあくまでも自分を犠牲にしない範囲でした場合のみ、効果が出るんですね。

 


『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』(鈴木祐 著)

 

『科学的な適職』(鈴木祐)

職選びの常識を科学的根拠が覆す!

就職・転職・キャリア設計で悩んでいる方へ。

・後悔の少ない意思決定をするにはどうしたら良いのか

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将来やキャリアを不安に思いつつ、なかなか一歩を踏み出せない方へ、「科学」という精度の高い判断軸を提示。曖昧な精神論には頼らない、合理的な職探しを後押しします。

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【目次(一部抜粋)】

STEP1  幻想から覚める Access the truth ~職業選択にありがちな7つの大罪~

〈大罪1〉好きを仕事にする

〈大罪2〉給料の多さで選ぶ

〈大罪3〉業界や職種で選ぶ

〈大罪4〉仕事の楽さで選ぶ

〈大罪5〉性格テストで選ぶ

〈大罪6〉直感で選ぶ

〈大罪7〉適性に合った仕事を求める

STEP2 未来を広げる Widen your future ~仕事の幸福度を決める7つの徳目~

〈徳目1〉自由

〈徳目2〉達成

〈徳目3〉焦点

〈徳目4〉明確

〈徳目5〉多様

〈徳目6〉仲間

〈徳目7〉貢献

STEP3 悪を取り除く Avoid evil ~最悪の職場に共通する8つの悪~

〈1位〉ワークライフバランスの崩壊

〈2位〉雇用が不安定

〈3位〉長時間労働

〈4位〉シフトワーク

〈5位〉仕事のコントロール権がない

〈6位〉ソーシャルサポートがない

〈7位〉組織内に不公平が多い

〈8位〉長時間通勤

STEP4 歪みに気づく Keep human bias out ~バイアスを取り除くための4大技法~

〔技法1〕10/10/10テスト

〔技法2〕プレモータム

〔技法3〕イリイスト転職ノート

〔技法4〕友人に頼る

STEP5 やりがいを再構築する Engage in your work ~仕事の満足度を高める7つの計画~

仕事の満足度を判断する方法

仕事を最高に変える行動計画

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生活習慣・ストレスを改善したい方へー「過去最高のコンディション」を目指す実践型プログラム

『最高の体調』は『科学的な適職』なども手掛けた科学ジャーナリスト鈴木祐氏による、科学的根拠のあるコンディションを改善するためのテクニックが集約された書籍です。2018年の発売以来、10万部を超えるヒット作として多くの方にご愛読いただいいています。

この度より多くの方に効果を実感いただくための実践型オンラインプログラムを開発しました。

いろいろな書籍・記事を読んで内容に共感したのに実践できなかった・続かなかった経験はありませんか?当プログラムはそんな「忙しい方」「習慣化が苦手な方」「改善点が多い方」にこそオススメです!

 

『最高の体調』実践プログラムの特徴

・必要なツール(実践ワークシート・オリジナルレシピ集・観葉植物など)はスタータキットとしてご自宅にお届けします。

・学習は会員専用ページからいつでも可能です!

・会員限定のコミュニティページでは、最高の体調を目指すユーザー同士で目標の共有、実践報告、アドバイス、質疑応答などができます。

ときには鈴木祐氏がコメント・回答することも!

ここでの投稿で話題になったテーマや要望のあったテーマについて、鈴木氏がメルマガで回答したり、オリジナルイベントや商品を企画したりと、みなさまの声を吸い上げてプログラムがアップデートされています。

 

About the author

鈴木祐 

サイエンスライター

サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)他多数。

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