誰もが1日のうちに何かしらの飲み物を口にしています。水道水以外にも、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、自販機などでは、実にさまざまな種類の商品が売られています。
これだけ多種多様な飲み物が存在するということは、それぞれに長所と短所があることを示しています。では、どんな時に何を飲めばいいのでしょうか。
もちろん、ご自身の好みで自由に飲んでいただいても構わないのですが、飲み物それぞれの特徴を知っていればそれを効果的に活用することもできるのです。
この記事では医学栄養学的に正しい飲み物の選び方をご紹介します。
〈なんとなく会社に行きたくないとき〉
朝、会社に行きたくないと思うことってありますよね。その理由のひとつが、まだ眠気が残っていて休息モードのままであり、「さあ、これから仕事だ」という戦闘モードに転換できていないせいではないでしょうか。
戦闘モードに突入するためには、レモンの香りがする炭酸水が適しています。糖をちょっとだけ含んでいると、血糖値も少し上昇してシャキッとなります。つまり、最適な飲み物はレモンスカッシュです。通常はビタミンCが入っているので、一瞬だけ気分が高揚します。
〈普段、デスクで水分補給するとき〉
デスクワーク中の水分補給に大量の水分は必要ありません。軽くのどが渇いた程度でしょうし、脱水の程度も軽いはずです。少量ずつ飲めるものがいいですね。
栄養やナトリウムの補給も必要ないでしょう。むしろカロリーオーバーや食塩過剰に気をつけないといけません。
そのため、デスクで水分補給をするときのオススメは、ミネラルウォーター、炭酸水、お茶、麦茶などです。スポーツ飲料やコーラ類のような甘い飲料はカロリーオーバーになるのでやめましょう。甘い飲料を水代わりに飲まないようにしてください。
〈重要なプレゼン・商談の前に集中力を高めたいとき〉
集中力を高めたいときは、飲んだ瞬間にシャキッとなるものがいいでしょう。私がオススメしたいのは酢です。酢を飲むと脳だけでなく体も電気を流したようにシャキッとなります。
コーヒーなどもカフェインにより脳に刺激が入りますが、時間とともにジワジワッと効いてくる感じです。その点、酢は飲んだ瞬間から効き始めるのがいい点です。
重要なプレゼンや商談を「話す」という面からみると、声帯の保護も重要です。話し続けると声帯が乾き気味になって、声がかすれてきます。そんなときは水です。お茶でもコーヒーでも牛乳でもなく水です。
お気に入りのミネラルウォーターを手元に置いて、話し続けながら、ときどきひと口飲むということを続けると声がかすれにくくなります。
〈会議で斬新なアイデアが出ないとき〉
会議で煮詰まったら、一休みしてリラックスしてから脳も体もリフレッシュしたいところです。脳をいったん休ませたいものの、エンジンを切るわけにはいきません。休息タイムが終わったら、すぐにフル稼働です。つまり、リラックスと緊張との両方が必要です。
そんな状況に適した飲み物は何と言ってもコーヒーです。
コーヒーを飲むと、気分はほっこりでき、同時にカフェインで脳は刺激されるという理想的な飲み物です。車のアクセルとブレーキを同時に踏むようなもので、交感神経的なものと副交感神経的なものの両方を同時に刺激してくれます。
コーヒーは短時間の休憩タイムに少量飲むのには非常に適しています。しかし、大量に飲み過ぎると、体か脳のどちらかが破綻する可能性が大きくなります。
具体的には、胃が痛くなったり、頭痛がしたり、不眠になったりします。飲み過ぎには注意してください。胃が弱い人はミルクなどを加えるとよいでしょう。
コーヒーもシュウ酸を含んでいるので、尿路結石の既往がある人は牛乳を入れて飲むことをオススメします。
飲み物の力で気分を切り替えたり、持続させたりできることが分かったのではないかと思います。いつも同じ飲み物を選んでしまいがちな人も、これを機にぜひシチュエーションに合わせた飲み物選びをしてみてください。
「なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?」(著:田中越郎)より
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