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積み重ねを「見える化」して、習慣のマンネリ化を避けよう

「なんでも途中で面倒になって、三日坊主で終わってしまう」、そう嘆く方がいます。たった三日かもしれないけど、何かに取り組んだアナタはすごい!のです。

そもそも人間の脳は、飽きっぽくできています。実は毎日同じことを何度も行っていると、脳が刺激を受けづらくなり、「馴化」と呼ばれる状態になってしまいます。

カリフォルニア大学のリュボミルスキーらは、「人は他人のために動くことでどんな変化が得られるか」という実験を行ったのですが、「馴化」を説明するうえで、とても示唆に富んでいます。

実験では、被験者に、“親切な行動を週に5回、6週間にわたって”行うように依頼しました。そのうえで親切な行動のアプローチは、1日に5回でもいいし、3日間で5回でもいいし、1週間のうちに5回でもいい――、つまり、「週に5回」というルールさえ守ればその人に任せる形で行ってもらいました。

親切な行動の内容は、お金の絡まないことならなんでもいいとし、ボランティアの清掃や献血など自分が親切だと思うものに取り組んでもらいました。親切にする相手に関しても、全く知らない他人から友人・知人まで制限はありません。

6週間後、親切な行動をしてきた人と、特に行わなかった人を比べると、驚きの結果が判明しました。前者のほうが、幸福度が高くなっている─というのは、想定の範囲内だった

のですが、「1週間のうち1日だけ、親切な行動をまとめて5回行う」アプローチをした人が、もっとも幸福度が高かったことが判明したのです。

毎日親切な行動を行っている人よりも、1週間に1日だけまとめて5回行う人のほうが、「よい行いをした」と感じていたというわけです。

一日一善より週に1回の一日五膳!?

なぜこのようなことが起きたのか?

そう、これが「馴化」のワナなのです。毎日繰り返し行っていると、脳は刺激がなくなってしまうと説明しました。こうした作用は、それが「よい行い」であっても、変わらないのです。

たとえ自己満足であっても、脳が刺激として感じるには、“一日一善”ではなく、“週に1回一日五善”のほうが効果的だったというわけです。

つまり、毎日続けていると、そのうち飽きが訪れてしまうというのは、脳の構造上、仕方ないことでもあるのです。最初はどれだけ刺激的なことでも、繰り返すうちに慣れてしまい、いわゆる“マンネリ化”のようになってしまいます。

では、「馴化」のワナからどうすれば逃れることができるのでしょうか?

そのためには、「報酬系」と呼ばれる脳の回路が働き、ドーパミンを分泌させることがカギとなります。自分で自分の脳に快感を与え、喜ばせ続ける、達成感を与え続けることができれば、「馴化」に対抗することができます。

これもやる気を促すうえで、効果的な対策術と言えます。たとえば、運動をした日はカレンダーに赤丸を付けておくだけでも「報酬系」は働きます。もしくは、運動をする場合、ジョギングは5ポイント、縄跳びは3ポイント、腹筋30回は1ポイントという具合に、やることを数値化して加算していくと、1週間で自分がどれくらい運動をしたのか確認することができます。

積み重ねを見える化すると、「次の週は1ポイントでも上回ろう!」と報酬系が働き、「馴化」の状況に陥りづらくなるのです。

世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣(著:堀田秀吾)より

 

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