ダイエットに取り組もうとする時、多くの人はまず糖質を制限しようと考えます。それぐらい糖質制限という言葉は一般的になりました。同じく炭水化物も制限すべきものという認識になっていますが、少し注意を要します。
炭水化物の定義は三大栄養素のひとつであり、消化されてエネルギー源となる「糖質」と、体内の消化酵素では消化できない「食物繊維」からなります。
一般的に使われている炭水化物の意味は主にこの「糖質」の意味です。しかし「糖質」といってもブドウ糖、果糖などの単糖類、砂糖や乳糖の二糖類、オリゴ糖、デキストリン、デンプンなどの多糖類、エリスリトール、マルチトールなどの糖アルコールと多くの種類があり、すべてが同じ「糖質」というワケではありません。
ブドウ糖は吸収されればそのまま血糖になりますが、果糖は少量であれば腸の中で代謝されて、血糖となることはありません。
砂糖はブドウ糖と果糖の2つが結合した二糖類で、腸の中で分解されてブドウ糖と果糖になります。よって砂糖を食べて血糖値が上がるのは、吸収されたブドウ糖によるものです。
乳糖は牛乳に含まれている二糖類でブドウ糖とガラクトースという糖が結合したものです。乳糖を分解する酵素は成人で85%が活性を持っておらず、乳糖不耐症の状態にあります。しかし多くの日本人が下痢、腹痛などの乳糖不耐症の症状を示さずに牛乳を飲めているのは、乳糖を分解できる腸内細菌が増加することによって適応しているためです。
この乳糖にさらにガラクトースが結合したガラクトオリゴ糖は、分解する酵素をまったく持っていないためにそのまま小腸を通過して大腸に流れ込みます。そして大腸のビフィズス菌の餌になります。このように人が分解することができない2から10個の糖が連なったものをオリゴ糖と呼びます。
オリゴ糖は人の消化酵素で分解できないために栄養にはならず、腸内細菌のよい餌であるプレバイオティクスとなります。オリゴ糖にはフラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノースなどがあり、血糖値を上げません。これらの糖質は、血糖値を上げることはないため体に悪さをしません。
気をつけたいのは穀物

しかし、単純にブドウ糖だけが連続してつながっているデンプンは違います。デンプンの結合は、人の持つアミラーゼという酵素で簡単に分解できるためどんどんブドウ糖がつくられます。その結果血糖値が急激に上昇します。ご飯やパン、ジャガイモ、サツマイモなどに含まれるデンプンが血糖値を上げる能力は砂糖よりも高いために、これらの穀物を食べる量は制限をかける必要があります。
ではどの程度制限をかける必要があるのか? ですが、それはその人の糖質を代謝する能力によります。インスリンホルモンの効果が弱い(インスリン抵抗性)人は、大きく制限する必要があります。また血糖は筋肉でも代謝されますので、筋肉量の少ない人もまた制限する必要があります。
逆に言うと、穀物などデンプン食品をたくさん食べたいと思うなら、インスリン抵抗性を改善、筋肉量を増加(筋肉の機能を向上)させる必要があるということです。
『男のヘルスマネジメント大全』(著:石川 雅俊)より
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