病気や不調の改善、健康増進にもっとも効果的なのは、生活習慣の乱れを整えることです。
これは耳にタコができるほどよく聞く言葉です。
では、「生活習慣の乱れ」とは一体、どのようなことを指すのでしょうか。
真っ先に挙げられるのが、「食習慣の乱れ」でしょう。
この食習慣の乱れは、
①食事の回数
②食事の量
③食事の内容
④食事の時間
⑤食事のとり方
という5つの要素から探っていくことができます。
ご自身の食習慣を振り返り、好ましくない点がないかチェックしてみてください。
- 空腹感がなくても1日3食かならず食べている
- 寝る前にお腹を満たさないと気がすまない
- 1日中ちょこちょこと食べ物をつまんでいる
- 毎日かならずスイーツを楽しんでいる
- 満腹感がないと食事を終えられない
- 常に食が細く、スタミナもない
- 1日のメインの食事は夕食で、メニューも量も豪華にしている
- 濃い味つけの料理でないと満足できない
- ごはん、麺、パンなどの炭水化物でしっかりお腹を満たしている
- 野菜を積極的に食べていない
- コンビニ弁当、中食、外食の頻度が高い
- 仕事の都合上、夕食は9時以降になる
- 早食いで、1回の食事に10分もかからない
- 食事は基本的にひとりでとっている
圧倒的に多く見られるのは、広い意味での「食べ過ぎ」です。
「量が多い」「頻回に食べる」「糖質・脂質が多い」「間食やつまみを食べ過ぎる」「寝る前にも食べる」といったように、無自覚のまま必要なカロリー数を毎日大幅に超えて摂取している人も少なくありません。
このような方々は、「空腹感を満たしたい」という身体的な欲求ではなく、精神的な欲求、つまり仕事のストレスの反動や、自分へのご褒美として食べ過ぎている場合が多いのです。
そのため、無理に苦しい減食をするのではなく、食べなくても気がすむように、ストレスマネジメントなど意識面での調整を行うことも重要です。
ちなみに、1日の推定必要カロリー数は、活動量が「ふつう」の18~29歳の男性で2650キロカロリー、30~49歳では2700キロカロリーとされています。
また、食事の内容、つまり「何を食べるか」については情報があふれており、中には矛盾する結果を示している研究も存在します。
健康によい食品・悪い食品
本当に信頼できる情報を見極めるには、どうすればよいのでしょうか。
ひとつの指針を示しているのが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 内科学助教授の津川友介医学博士です。津川博士は、さまざまな研究についてエビデンスの強さを評価し、健康によい食品・悪い食品を5つのグループに分類しています。
(1)複数の信頼できる研究によって「健康によい」とされている食品
魚・野菜・果物・茶色い炭水化物・オリーブオイル・ナッツ類
(2)少数の研究で「健康によい可能性が示唆されている」食品
ダークチョコレート・コーヒー・納豆・ヨーグルト・酢・豆乳・緑茶や紅茶
(3)健康へのメリットもデメリットも報告されていない食品、あるいは健康に「よい」という研究結果と「悪い」という研究結果が拮抗している食品
ここに挙げた以外の多くの食品
(4)少数の研究で「健康に悪い可能性が示唆されている」食品
マヨネーズ・マーガリン
(5)複数の信頼できる研究で「健康に悪い」とされている食品
ハムやソーセージなどの加工肉・じゃがいもを含む白い炭水化物
ただし、厳格に「グループ(1)・(2)」の食品だけを食べる必要はありません。
もし食べて幸福度が上がるのであれば、「グループ(4)」の食品を少量、あるいはときどき楽しむというスタイルでも良いそうです。
「男のヘルスマネジメント大全」(著:石川雅俊)より
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