「忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」(著:杉本恵子)より
温野菜と生野菜どっちが身体にいい?
身体にいい食事を考えたときには、野菜をたくさん食べることを思い浮かべます。もちろん、野菜だけで肉類などのタンパク質を全く摂らないことには問題がありますが、そもそも野菜は不足ちがちなので多く摂っておきたいと考えることは間違いではありません。
野菜というと生で食べるほうが新鮮で栄養素をそのまま摂ることができ、身体にも良さそうなイメージがありますよね。
生野菜のサラダは身体を冷やして免疫力を下げてしまう!
ですが、生野菜のサラダは身体を冷やしてしまう働きもあるので、できれば身体を温められる温野菜のほうがお勧めです。そもそも生サラダに向いているキュウリやトマト、レタスなどは夏の野菜。
ところが最近は、あまり季節に関係なく生野菜サラダが食べられています。それでなくても夏場でも冷房が効いている場所で一日過ごしていると身体は冷えて免疫力も低下しています。
冬が旬の野菜は温野菜にむいていて身体を温める効果がある
そんな状態でさらに身体を冷やす野菜を食べるのはあまり良いとは言えません。その点、温野菜に向いているダイコンやカブ、ニンジン、ハクサイ、カボチャなどはどれも冬が旬の野菜。それだけに身体を温める働きも優れています。
お勧めの食べ方は、タジン鍋やレンジで簡単に使えるシリコンスチーマーなどでの蒸し料理。下に薄切りの豚肉を並べて敷いて、その上にダイコンやカブ、ニンジン、ハクサイ、カボチャなど好きな野菜を載せるだけ。
どうしてもフライパンなどで野菜を炒めると、油でカロリーが増してしまいますが、蒸し料理の温野菜ならそんなこともなく、野菜をたくさん摂ることができます。温野菜にかけるドレッシングはゴマドレッシングなどをお好みで。
休日など、少し時間のあるときは野菜スープにするのもいいと思います。水溶性のビタミンもスープならそのまま一緒に摂取できます。スープに少しだけオリーブオイルなどを入れるとカロテンの吸収も高まるのでさらに効果的です。
現代人には黒色の食材がなぜ必要なのか
加工食品にはどうしても添加物がつきまとう
現代の私たちの食生活は、さまざまな添加物とどう付き合っていくかという問題でもあると思います。
添加物ゼロの食生活ができれば理想ですが、現実にはそうはいきません。それならば少しでも余計な添加物を身体に蓄積させないことが重要になってきます。
そのためには、いろいろな現実を知り、「意識する」ことです。
ぬか漬けですらパックで販売されているものには添加物が!
たとえば、スーパーなどで売られている「キュウリのぬか漬け」も、それだけで単純に発酵商品だから身体にいいとは言えないのが現実です。
なぜなら、パックで売られている「キュウリのぬか漬け」の中には、添加物を使った調味液に浸して味をつけ、最後に風味づけとして「ぬか」をまぶしたものも少なくないからです。
そうやってつくられたものは、漬物本来の乳酸菌などもほとんど含まれないため、実際には「ぬか漬けもどき」と呼んだほうがいいのかもしれません。
それでも、忙しいビジネスパーソンが毎日本物のぬか床から取り出した漬物を食べるというのは非現実的ですから、やはり漬物に限らずそうした加工食品に頼らざるを得ません。
避けられない添加物は「黒色の食材」を摂り身体から排出して蓄積させないようにする
どうしても加工食品を摂る機会が多い食生活身体から余計なものを排出する働きのある「黒色の食材」をできるだけ摂っておくことが大切なのです。
また、食と健康をマネジメントするときに「腸」の働きはとても重要。海藻類やキノコ類などの「黒色の食材」は、腸の働きや腸内環境をよくするためにも欠かせないものです。
腸内環境が整っていることで免疫力も高められるため、健康で元気に過ごすためには黒色の食材を意識して摂る必要があります。
常に腸内に汚れを溜めずにきれいな状態を保てるかどうかは、黒色の食材にかかっているといっても言い過ぎではないでしょう。
現代の食生活では「黒色の食材」がほどんどありません。あえて黒色の食材を食べるという「意識」をしないと、どうしても黒が欠けてしまいます。
できるだけ黒に近い色の濃いものも身体にいい
また、コンブ、ワカメ、海苔、ヒジキなどの海藻類やシイタケ、ヒラタケなどのキノコ類といった見た目にも黒い食材だけでなく、それ以外の食材でも、できるだけ「色の濃いもの」をチョイスするように意識してみてください。
砂糖であれば上白糖、グラニュー糖よりもキビ砂糖や黒糖、ゴマも白ゴマより黒ゴマ、マグロもトロや大トロより赤身を摂る。
レタス・キャベツより小松菜やホウレン草。白米より玄米や胚芽米。霜降り肉よりヒレ。濃い色を意識した積み重ねで、少しでも身体と健康にいい栄養素を摂ることができ、身体への負担もやわらげることができるのです。
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