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睡眠効率「だけ」優秀でも意味がない!|最高の体調-パレオな男に聞いてみた-

Written by 鈴木祐

「最高の体調を手に入れて、もっとパフォーマンスを高める」には何をすればいいのか? 最高の体調』著者・鈴木祐氏(愛称:パレオな男)のアドバイスをもとに、ビジネスライフ社長がさまざまなミッションにチャレンジしながら、健康経営・疲労回復に役立つ情報をお届けします。 第2回のテーマは、前回に引き続き「睡眠」について。睡眠時間を圧迫しがちな飲み会の対処法や、鈴木氏が飲み歩きをやめたきっかけなどをご紹介します。

 

社長、最高の睡眠を目指す(後編)


◆前編はこちら→「6時間睡眠でも脳疲労がつきまとうのはなぜ?|最高の体調-パレオな男に聞いてみた-vol.1


前回、鈴木氏から「寝ても取れない脳疲労の原因」「オススメ睡眠ガジェット」を教わった小早川社長。睡眠の問題点を正確に知るため、 「まずはガジェットを使って、次回の会議までに睡眠データを集めてみましょう」 という指令を受けていた。はたしてその結果は?

前回の指令

・毎日適度な運動
・家ではスマホから離れる
睡眠サポートデバイス「Oura ring」を入手し、睡眠を計測する

 

社長、Oura ringに代わる新デバイス購入!

——「最高の体調-パレオな男に聞いてみた-vol.1 」後、Oura ringを入手しようとした小早川社長(43)。ところが注文サイトを見るうち、ある問題が発覚した。

 

「思ったより発送に時間がかかるな……」

 

まず、リングを海外から取り寄せるのには9週間かかる(2018年10月時点)。さらに、リングサイズ選定キットで指のサイズを測ってから自分のサイズのリングを再発注するという手間が必要だ。

そこで社長が向かったのは表参道のApple Store

目をつけたのはAppleが最近買収したという睡眠トラッカー、その名も「Beddit 3 Sleep Monitor」だ。

 

bedditは1本の帯のような睡眠計測デバイス。シーツの下に敷くと自動的に就寝を感知し、「睡眠時間」や「眠りの深さ」「心拍数」「呼吸数」「いびき」などから睡眠の質を総合的に数値化する。

ベッドを家族で共有していても心臓の鼓動と呼吸の動きで人物を判断し、信号を混同することはない。

このBedditの買収でAppleが手に入れたデータは、Apple Watchなどの製品に活用されると見られている。ヘルスケア事業はビジネス的にもますます重要になるだろう。

 


◆参考記事:「Appleが睡眠計測デバイスのBedditを買収して、実現が期待されること」(Yahoo! JAPANニュース)


 

無事(?)睡眠サポートデバイスを手に入れた小早川社長。11月某日、鈴木祐氏をお呼びし、さっそく第2回目の会議が開かれた。

 

睡眠効率「だけ」は超優秀!

睡眠の課題を正確に洗い出すため、まずは計測結果を鈴木氏にチェックしてもらう。

睡眠は100点満点でスコア化され、スマートフォン連携アプリに表示される。「総合スコア」が75点以下なら「改善の余地あり」だが、小早川氏の点数は次の通り。

11月6日(火)11月7日(水)
総合スコア…67
睡眠時間…6時間
睡眠効率…98%
総合スコア…46
睡眠時間…5時間
睡眠効率…98%

 

鈴木「どちらも75点を下回ってますね」

 

小早川「待ってください! 睡眠効率はいいんですよ。ほぼ100%。寝ようと思ったら気絶するようにすぐ眠れるので、そのせいかなと」

 

鈴木「睡眠効率はベッドに横になった時間に対する睡眠時間の割合です。小早川さんの場合は入眠までの時間が短い。就床時間と睡眠時間がほぼ変わらないんでしょう」

 


◆参考記事:「疲れを取るカギ「睡眠効率」とは?睡眠効率を上げる2つの方法


 

鈴木「ただ、睡眠時間は足りていませんね。総合スコアが下がってしまうのも頷けます」

 

「入浴してから就寝」は守るべきか?

小早川「最近忙しくてなかなか6時間睡眠を取れないんですよ。夜遅くまで活動しても翌日の出社時間は変わらないし。いまの世の中、6時間以上の睡眠時間を確保している人は少数派じゃないかな

 

小早川氏の言葉に、同席した編集部員も「私もつい5時間睡眠になりがちです」と同意する。

 

しかし鈴木氏は、「前回も言いましたが、6時間睡眠は十分とは言えない」と言う。

 

鈴木「僕はきっちり8時間は眠らないと頭が働かない。

睡眠時間がそんなに短かったら、僕なら仕事になりませんが……

ただ小早川さんの場合、起床時間が変わらないのは良いですね。体内時計をリセットするためには、起きる時間をずらして睡眠時間を確保するよりも、いつも通りに起きたほうがいいんです」

 

小早川「睡眠時間を確保するなら就寝時間を早めるべきということですよね。

ただ、夜は疲れすぎて風呂に入れないまま寝てしまうことがよくあるんです。翌朝シャワーを浴びることが多い。

『寝る少し前に入浴するといい』と聞きますが、やはり夜にきちんと入浴しなければダメですか?

 


◆参考記事:「疲れているのに眠れないのは自律神経が原因!くたくたなときこそ湯船につかろう


 

鈴木「僕は入浴が夜でも朝でもいいと思ってます。お風呂でリラックスしてから眠りたい人もいれば、目覚めのシャワーがいいという人もいる。最適なタイミングは人それぞれです」


→NEXT:パレオな男は「朝までゴールデン街」をこうしてやめた


About the author

鈴木祐 

サイエンスライター

サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)他多数。

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