論文オタクは「朝までゴールデン街」をこうしてやめた
しかし、何より鈴木氏が問題視するのは「5〜6時間睡眠」。しばしば「12時就寝」の目標を破ってしまうという小早川氏に原因を尋ねると、これからの忘年会シーズンにありがちな答えが帰ってきた。
小早川「仕事相手との飲み会で夜遅くなることが多いかな。交流を深めるいい機会だし、なにより楽しいから断りづらいんですよ。飲み会に行くときの対策とかってないですか」
実は会議当日にも飲み会の予定があった小早川氏。「翌日に響かない飲み方」「おつまみの選び方」などを期待したのだが、鈴木氏からは
「飲みに行かなければいいんですよ」
とストイックすぎる答えが。
「僕も35歳まではゴールデン街で朝5時まで飲み明かすこともしょっちゅうでした。次の日は最悪の気分とコンディションで出社してましたね」
そんな鈴木氏だが、飲み明かしをやめること自体は苦ではなかったという。
「お酒はほんの1杯でも健康に悪い、という論文を読んだんですよ。その日から「じゃあやめよう」と思って」
◆参考記事:「1杯でもダメージがある酒は百薬の長?いやいや、実はたった1杯でも寿命に悪影響かもよ!というメタ分析 」(パレオな男)
「データが頭にあると、具体的なリスクを意識して行動できるんです。
例えば1日睡眠不足になると3日は影響が出る。それを知っていれば夜中の1時半まで飲むリスクをはっきり感じられます。やっぱり知識は大事ですね」
「夜中じゅう飲み会」をやめる最強テクニック
エビデンスを重視して健康を手に入れてきた鈴木氏の言葉に、小早川氏の表情も引き締まる。
小早川「飲み会をゼロにすることはできませんが、日付が変わるまでには帰宅する習慣をつけたいですね」
鈴木「習慣化ということなら、if-thenプランニングが最強ですよ」
if-thenプランニングは鈴木氏の近刊『最高の体調』にも登場する鉄板テクニック。達成したいプロジェクトに対してトリガーとなる条件(if)と行動(then)をまとめて設定するというものだ。
自分が決めたプロジェクトについて、「もしXが起きたら、 Yをやる」といった形式で実行のタイミングをルール化しておく。
【例】
・6時になったら掃除をする
・月曜になったら会社の帰りにジムに行く
小早川「”23時になったら(if)『明日出張だから帰ります』と言う(then)”のはどうです?」
鈴木「小早川さん、もともと飲み会がお好きなんですよね。この場合、時刻だけだとトリガーとして弱いです」
if-thenプランニングのコツは強力なトリガー(if)を作ること。楽しい飲み会を途中で退席するには、より「条件」を意識しやすいものがいい。
しばらくして、小早川氏が唐突に口を開いた。
「じゃあ、英語を勉強しよう!」