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疲労回復、美肌効果も!ホエイ、カゼイン、ソイ、ピー、ヘンプ。あなたに合ったプロテインは?

①ホエイプロテイン

ホエイプロテイン-疲労回復、美肌効果も!ホエイ、カゼイン、ソイ、ピー、ヘンプ。あなたに合ったプロテインは?

ホエイプロテインは、生乳からできているタンパク質の一つです。

ヨーグルトには、白っぽい液体(乳清)が入っていますね。この部分を粉末状に加工したのがホエイプロテインです。

乳タンパクの中でも、ホエイプロテインが20%を占めています。

 

■ホエイプロテインのメリット

ホエイプロテインの一番のメリットは、吸収が速いことです。

摂取後、数十分で血中に取り込まれ、素早く血中アミノ酸濃度を上げてくれます。すぐに体内でのタンパク質の合成がなされるため、トレーニングの前後に適しているといえます。

また、9種類のアミノ酸の中でも、筋肉の修復や生成に不可欠な3種類をBCAA(Branch Chain Amino Acids)といいますが、ホエイにはBCAAがカゼインよりも豊富に含まれています。

そのため、筋肉増強を目指す人や、筋肉の疲労回復をしたい人に向いています。

 

ホエイプロテインのデメリット

ホエイプロテインを含む多くの乳製品には、乳糖(ラクトース)と呼ばれる糖類が含まれています。多くの大人には、乳糖をうまく消化できない人がいます。これを乳糖不耐症といって、お腹の膨満感、消化不良や下痢を伴う人がいます。

乳製品でお腹が緩くなってしまう人は、要注意です。

ホエイプロテインにはコンセントレート(WPC)とアイソレート(WPI)という加工法があります。アイソレートは、タンパク質以外の成分を分離したものなので、乳糖の含有量は非常に少なくなります。

このため乳糖不耐症の人は、アイソレートまたはWPIと表記のあるホエイプロテインを選ぶことをおすすめします。

 

ホエイプロテインのもう一つのデメリットは、ニキビができやすくなる可能性があるということです。

ホエイを摂取すると、インスリン様成長因子(IGF-1)という物質の分泌が促されます(4)。IGF-1の血中濃度が高いことと、ニキビには相関性があることがわかっています(5)。

プロテインを飲み始めたらニキビが増えてしまったという人は、プロテインの種類を見直した方が良いかもしれません。

また、IGF-1の血中濃度が高いことが、乳がんを始めとする多くのがんの発症と相関性があるというエビデンスも数多く出されています(6, 7)。


②カゼインプロテイン

カゼインプロテイン-疲労回復、美肌効果も!ホエイ、カゼイン、ソイ、ピー、ヘンプ。あなたに合ったプロテインは?

カゼインプロテインもホエイと同様、生乳由来のタンパク質の一つです。

乳タンパクの80%を占めるのがカゼイン。

モッツアレラチーズをもっちりと、ブリーチーズをなめらかにするのは、カゼインの役割です。

 

■カゼインプロテインのメリット

カゼインがホエイと違う点は、吸収が遅いという点です。ホエイが素早く消化吸収されるのに対し、カゼインはゆっくりと時間をかけて吸収されていきます。

このため、ホエイよりも腹持ちが良いのがカゼインの特徴です。

また、カゼインには9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれています。

私たちの体は、長時間食事を摂らないでいると、糖新生というプロセスを経てタンパク質を分解し、エネルギーに変換してしまいます。

エネルギー源がない時は、何を分解するかというと、筋肉です。
ですので、せっかく鍛えて付けた筋肉も、何も食べない時間が続くと水の泡。

そこで、消化吸収がゆっくりおこなわれるカゼインプロテインを摂取することで、筋肉の分解を遅らせてくれるのです(8)。

せっかく付けた筋肉を失いたくないという人や、長時間食事を摂れない時に活用したいプロテインです。

 

カゼインプロテインのデメリット

カゼインのデメリットとしては、ホエイと比べると混ざりにくく、均一性が低いことです。コップに入れてスプーンでかき混ぜるよりも、シェイカーやブレンダーに入れてよく混ぜると良いでしょう。

また、ホエイよりも価格が高いのも特徴です。

カゼインに乳糖は含まれていませんが、乳製品アレルギーの多くが、カゼインに反応するといわれています。乳製品アレルギーがある人は、カゼインプロテインは絶対にNGです。

 

また、乳タンパク不耐症(カゼイン過敏症)といって、カゼインを摂取した後の数時間~数日後に、膨満感、消化不良、下痢や便秘などを起こすことがあります。これは、摂取後にすぐに反応が起きる乳製品アレルギーとは違います。

乳製品アレルギーは、乳製品を食べるとIgEという抗体が反応し、くしゃみや鼻水などの呼吸器系や、肌のかゆみや蕁麻疹などの皮膚系の症状が出ます。

一方で、乳タンパク不耐症(カゼイン過敏症)は、IgGやIgAといった抗体が反応し、ゆっくりと消化器系の症状が出ます。このため、遅延性アレルギーともいわれています。

乳糖不耐症と症状が似ているので判断が難しいところですが、乳糖不耐症と自覚症状がある人でも、実は乳糖ではなくて、乳製品の別のものに反応していることがあります。その主要なアレルゲンが、カゼインなのではないかといわれています(9)。

 

さらに、ホエイだけではなくカゼインでもIGF-1の分泌が増えるため、ニキビに悩まされている人は向かないかもしれません10)。

IGF-1とがんとの相関性も無視できないので、長期の使用には注意が必要です。



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