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今すぐ眠気を覚ます方法とは?眠気覚ましのツボは「抗重力筋」と「腱」にあり!

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忙しいビジネスパーソンと睡眠は切っても切れない関係にあるものです。不規則な生活で睡眠不足になってしまったり、仕事中の眠気と戦わなければならなかったり……。本記事では、睡眠不足と記憶力の関係、眠気覚ましについて紹介します。

睡眠不足は記憶力を低下させる

 

新しい企画を寝ずに考える、試験に向けて徹夜で猛勉強する……といった行為は、発想力、記憶力のどちらをとっても非効率です。寝る間を惜しんで必死に追い込んでも、なかなかいいアイディアは出ませんし、ものを覚えるスピードも普段より落ちるでしょう。

 

イギリスのラフバラ大学のハリソン博士らの行った記憶と睡眠に関する実験では、「眠らないことが記憶力の低下を招く」ことが明らかにされています。

 

博士らは、

  1. きちんと眠った場合
  2. きちんと眠ったうえでカフェインを飲んだ場合
  3.  36 時間断眠をした場合
  4. 36時間の断眠をしてカフェインを飲んだ場合

の4つの条件で、被験者にあらゆる人物の顔写真を見せて覚えさせました。

 

結果、カフェインは一時的に眠気をとってくれますが、記憶力に対してはほとんど効果がなく、しっかり眠った方が多くの顔を覚えられるということがわかったのです。

 

ものごとを覚えているというのは、「大脳に記憶として残っている状態」のことを指します。

一度学んだことや経験したことは、まず海馬が記憶します。ですが、海馬は短期的な記憶をつかさどる場所なので、ここに入っている記憶はすぐに忘れられてしまいます。

そこで重要なのが、「短期的記憶の海馬から長期的な記憶ができる大脳へ、記憶を移す」という作業。この記憶の移動は睡眠中も行われており、寝ている間に、脳内で必要な情報と要らない情報が選り分けられ、大脳にしまわれます。一般的に、海馬にインプットされた記憶の整理が始まるのは6時間後で、それが定着するまでには24時間以上もかかるとされています。

 

情報のインプットと記憶の定着。睡眠はこの2つに深く関係しています。眠らないと、情報を頭に入れる能力も落ちますし、せっかく頭に入れたこともすぐに忘れてしまいます。効率良く仕事をしたいなら、睡眠時間を削ってまで仕事をするのはできるだけ避けましょう。

 

Woman havinh her neck massaged

睡魔に打ち勝つポイントは「抗重力筋」と「腱」

 

いくら抗っても気合では勝てない「眠気」。特に昼食後に訪れる眠気は、ビジネスパーソンの大敵です。どうしても居眠りできない場面で睡魔に襲われたとき、どうやって撃退すればいいのでしょうか?

本当は仮眠をとるのが一番良いのですが、会議中やクライアントとのミーティング直前など、どうしても眠ることができない場面では、一時的な眠気対策が必要になってきますね。

 

一時的に睡魔に打ち勝つには、気合を入れる…のではなく体に直接働きかける方法がおすすめです。具体的には以下の2つ。

 

「抗重力筋」を刺激する

人には、重力に逆らって働く筋力である「抗重力筋」が、「まぶた・首・背中・もも」の4ヶ所にあり、姿勢を維持しています。眠くなった時、この抗重力筋を刺激すると、脳が覚醒することがわかっています。眠くなってしまったら、まぶたを押さえたり、姿勢を正したり、首を捻るなどして抗重力筋を意識的に動かし、身体を起こしてみましょう。

 

・「腱」を刺激する

「腱」とは、筋肉と骨とが離れないように接合している部分。具体的には、「首・肩・手首・ひざ・足首」の5ヶ所です。首や肩、足や手などの関節をぐるぐる動かすのも眠気撃退に効果的です。

なお、腱を動かすといわれると、ついついストレッチをしてしまいがちですが、眠気をなくすという点では逆効果です。ストレッチ運動は血行を良くして副交感神経を刺激してしまうため、リラックスして眠くなってしまうからです。眠気ざましの場合は、抗重力筋と腱を”集中して”動かすようにしてください。

 

Young sleepy man yawning stretching arms back

交感神経を刺激して脳を目覚めさせる

 

また、体の一部に刺激を加える以外にも、交感神経を刺激することで眠気を撃退することができます。

 

たとえば、「あくびをする」。眠いとき無意識に行っていることが多く、意識している方は少ないと思いますが、実はあくびをすることも脳を起こすことにつながります。なぜならあくびは、働きが悪くなっている脳に酸素を与え、活性化させる働きがあるからです。あくびをするとますます眠気が増してしまうのではないかと思う方もいらっしゃると思うのですが、我慢しないで思いっきりしたほうが眠気がひくと覚えておいてください。

 

深呼吸にも同様の効果があります。仕事中は脳も体も緊張状態にあるために、呼吸が浅くなりがちです。肺に入っている空気を出し切るまで息を吐き、胸が膨らむまで吸う。これを何回か繰り返すだけで、少し頭がすっきりします。

また、空気を入れ換えるという意味では、部屋の窓を開けることも大切です。冬場などは、冷たい空気を浴びることによって、交感神経が刺激され、目が覚めます。

腕に冷たい水をあてる、首に冷えたタオルを巻く、冷えた飲み物を飲む、いれたてのコーヒーを飲むなども交感神経を刺激するので、一時的な眠気対策には効果的です。

 

その他にも、

  • ガムを噛む
  • 顔を洗う
  • 明るい場所に行って光を浴びる
  • 同僚に話し掛ける

…なども、目を覚ますのにいい方法です。

 

しっかりと睡眠をとることは効率の良い活動をするために欠かせませんが、どうしても寝不足なときは、以上の方法を試してみてくださいね。

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