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アウトプットに差が出る。ビジネスで「初速」が重要な理由

「初速」というキーワードは、スポーツや産業の分野で使われることはありましたが、ビジネスの領域では、あまり意識されていませんでした。その理由は、「仕事が早い」とか「仕事が遅い」ということに、明確な定義が存在しないからです。

会議の資料を作成する場合でも、30分で書き上げるのが早いのか、1時間で書ければ早いのか、その基準は曖昧です。そして、コンテンツが整い、締め切りに間に合ってさえいれば、その作業に費やした時間が問題にされることなく評価されてきたのです。

このように、これまでは短時間で終える仕事よりも、じっくりと時間をかけた仕事の方が高く評価される傾向にありました。

長い時間をかけて仕事に取り組むことは、「苦労している」、「汗を流している」、「努力している」と好意的に受け取られ、「ご苦労さま、大変だったね」という上司の労ねぎらいの気持ちが、そのまま評価に反映されてきたのです。

これが「プロセス評価」と呼ばれる従来型の評価基準であり、別名「同情評価」ともいわれるものです。

現代のビジネスでは、プロセスではなく、アウトプット(成果)が評価の対象となっていますから、時間をかけずに多くの成果を出し続けることが要求されています。それを実現するための第一歩となるのが、「いかに仕事の初速を上げるか?」という視点を持つことです。

仕事の初速を上げるメリットには、大きく分けて2つあります。

まずは「時間」や「エネルギー」の配分が最適化されること。次に、現代のビジネスに不可欠な「行動実験」を繰り返すことが可能になること。この2つの効果が、仕事の効率を向上させて、いち早く成果を出すことに結びつくのです。

詳しくご説明いたしましょう。

初速で上げることで得られるメリット

【メリット①】
大事なところに「時間」と「エネルギー」を集中できる

仕事ができる人は、与えられた締め切りよりも少し前に自分なりの締め切りを設定して、その間際に最も力を注ぎ込んでいることがAI分析でわかっています。

最後の「詰め」が甘くなると、差し戻しが生じて評価が下がることを経験として知っているため、彼らはこの最終段階に自分の時間とエネルギーを集中させることを意識して日常の仕事に取り組んでいます。

成果につながる大事なポイントを見極め、自分の時間とエネルギーを最も効果的に配分して最高のパフォーマンスを発揮する……という考え方を「エッセンシャル思考」といいます。

このように最も大事なところに限りある時間とエネルギーを集中させるためには、早めにスタートを切ることが欠かせません。

初速を上げることは、仕事の効率化や成果の最大化に直結するのです。

【メリット②】 
「行動実験」が可能になり、多くの修正ポイントを発見できる

現代のビジネスには、「こうすれば必ず上手くいく」という最適解が存在しません。あらゆるタスクに「正解」がない時代ですから、いきなり成功を目指すのではなく、たくさんの失敗の先に成功がある……と考えて動く必要があります。

仕事ができる人は、「成功失敗」の二元論ではなく、いくつもの失敗を積み重ねた先に成功があることを理解しており、小さな「行動実験」を何度も繰り返しては、失敗によって得た学びをもとに行動を修正することで、最終的に成功にたどり着く……という考え方をしています。

自分の能力と工夫によって問題点を見つけ出し、それをクリアしながら成功への道筋を組み立てていく……という働き方が、現代の多くの企業が切望している「自律型人材」といわれるものです。

こうした行動を可能にするためには、「初速を早くする」ことがポイントとなります。初速を上げることによって、行動実験を繰り返すことができれば、それだけ早く成果を出すことができるのです。

『仕事は初速が9割』(著:越川 慎司)より

<併せて読みたい>

現代ビジネスに必要なマルチタスクとの向き合い方


『仕事は初速が9割』

(クロスメディア・パブリッシング)

 

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