「はたらく人のコンディショニング事典」(著:岩崎一郎、松村和夏、渡部卓)より
「ドーパミン」とは何か
みなさん、「ドーパミン」はご存知ですか?
おそらく、言葉自体は聞いたことがあるという人が多いのではないのでしょうか。
しかし、「ドーパミン」とは何者なのか、いったいどういう働きをするのか詳しく知っている人は案外少ないのではないかと思います。
実は、このドーパミンは私たちの生活に密接に関係している物質なんです。
運動すればドーパミンが出てやる気もでる
「ドーパミン」とは脳の神経伝達物質のことです。
「ドーパミン」が私たちの体に与える影響は、実に広範囲に及びます。
なかでもやる気との関係性は、仕事のパフォーマンスを上げるためにはぜひとも知っておきたいところです。
ドーパミンを分泌するために重要になってくるのは運動です。
身体を動かすことで分泌されるドーパミンは、意欲と運動システムの要となる神経伝達物質です。
ドーパミンが分泌されると、気持ちが前向きになり幸福感が増すだけでなく、やる気と集中力も向上します。
身体を動かすと、脳のドーパミン・ニューロン同士の繋がりが強化され、ドーパミンが出やすくなるため、自然とやる気が増してくるのです。
また、運動を習慣化すると、脳内のドーパミン貯蔵量が増えるというメリットも。
ドーパミン受容体をつくる酵素が生成されて「報酬中枢」にある受容体そのものが多くなるので、何かを成し遂げたときに、より多くのドーパミンが分泌され、強い満足感を得られるようになります。
目標を立てて運動してみよう
今まで運動習慣の無かった方は、日々の生活にランニングやウォーキングをとり入れてみてはいかがでしょうか。
手軽に始められますし、目標設定も簡単です。
ドーパミンは何かを達成したときにも分泌されるので、少しずつ距離を伸ばすなど、小さくてもいいので新しい目標をどんどん立てて達成していきましょう。
そうすることで新たなモチベーションが生まれ、やる気が持続しやすくなります。
運動後に分泌されるドーパミンのピークは1時間~1時間半で、この間は落ち着いて物事を明晰に考えられると言われています。
朝に余裕がある方は、出社前を運動の時間に充てるといいでしょう。
「やる気が出ないのは気合いが足りないからだ」というような根性論で考えるのではなく、運動や食事でドーパミンを増やし、科学的にやる気を引き出してみてはいかがでしょうか。
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