任せる勇気が大事!
仕事をうまく任せられる人を不真面目とは言えませんが、真面目な人ほど仕事を自身で抱え込んでしまい、他人に任せる事ができない傾向があります。
とくに管理職の場合、部下の成長を促すためにも自分の仕事を部下に任せる事が大事なのですが、それができてない人も多いのではないでしょうか。上司は部下に仕事を一から説明するよりも自分でやってしまった方が効率が良いと考え、ついつい仕事を抱え込んでしまう。逆に部下は仕事を任せてもらえない為、やる気が消失し成長の機会を失うと言う悪循環に陥ってしまいます。
勇気を持って任せる事は自身のストレスを溜めない為にも、チームのモチベーションを上げる為にも大変重要な技術です。
山本五十六の言葉
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
山本五十六の部下指導に関する非常に有名な一節です。部下に仕事を任せる時は、自分でお手本を見せて、どうしてそうする事が重要なのかを説明し、実際にやらせて、結果についてきちんと評価を与えると言うサイクルが非常に大切だと言う事が述べられています。
上司の命令は絶対的だった昔と違い、近頃の若い人たちはただやってくれと言われただけでは動いてはくれません。どうしてそれをやるのか、それによって本人と会社にどのようなメリットがあるのかを話して聞かせ、納得して初めて自ら動いてくれるものです。また、この納得があるかないかによって、取り組み方が全然違ってくるのも事実です。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
これらも同じく山本五十六の残した言葉です。部下の指導には大変的を得たものですので、是非心に留めておきましょう。
困ったときは頼る!
良き判断は良きパートーナーから。
上司になると判断事項が多く、なにもかも自分で判断しなければと言うプレッシャーに押されてしまいますが、全てを自分一人で判断する必要はありません。
その分野に詳しい人に意見を仰ぐことも大切な方法です。一人の人間がオールマイティーに全ての分野に対して判断を下せるはずはないからです。社内や社外に、法務や財務、またはマーケティング等の専門分野に精通している人たちと良い関係を構築していれば、判断の必要な場面で意見を聞くことができ、判断のスピードも精度も上がります。部内で判断が下せず、「調査をする」ところから始めたのでは遅すぎます。
日頃から人間関係を築いておき、いざと言う時に頼れるのが良い判断を下す鍵と言えます。
避けられないトラブルも
対処法で結果が変わる!!
昨今、細かな社内連絡にもメールやチャットを使うのが当たり前となっていますが、トラブルが起こった時、また起こりそうな時にもメールで対処していないでしょうか。
顔の見えないやりとりは問題をややこしくして、トラブルを悪化させてしまうケースがほとんどです。問題が発生した時にはメールやチャットではなく、直接話し合うことを徹底しましょう。
言葉足らずでトラブル時には状況がうまく伝わらないばかりか、責任の所在や送信者の意図が誤解され新たな問題を生むことがあるからです。トラブル時は平時と違い皆の気持ちが苛立っている事もあり、人間関係にこじれが生じてしまいがちです。
余計なストレスや問題解決の遠回りを避けるためにも、面倒でも直接話す、または電話をするようにしましょう。
タイミングを逃すと大変な事に!
悪いニュースほど早めに知らせよう!!
仕事を抱えてしまっている人は、周りが見えなくなり自身がブラックボックス化してしまいがちです。
情報の共有がない為、周囲の人からも状況を理解されず、悪い情報も一人で抱え込んでしまうケースがあります。これは、最悪で、周りも知らないままに事態は悪化し、どうにもならない段階になって初めて明るみに出るという事態になってしまいます。
悪い情報を報告して仕事の出来を叱責されるのではないかという思いから、周囲に相談できず相当なストレスを抱える事になります。
「悪い情報ほど、早く出せ」というのは世界共通の仕事の基本と言われていますが、特に中国人と日本人はこれが苦手だと言われています。中国人はメンツを非常に大事にする文化なので、悪い状況に陥った時に自分の落ち度と取られかねない報告を避けようとする為です。
「ホウレンソウ」の大切さを日頃唱えている日本人がこの手の報告が苦手なのは不思議な気もしますが、最悪の事態を避ける為にも、バッドニュースは早く伝えるは肝に銘じておきましょう。
『明日に疲れを持ち越さないプロフェッショナルの仕事術』(著:渡部卓)より
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