FOOD

よく噛むことが太りにくい身体をつくるポイント。いろんな食品をとって、しっかり噛もう!

「疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事」(著:柴崎真木)より

 

「パンだけ」よりも「定食」に。組み合わせて食べることがよく噛むことにつながる!

 

Salad of tomatoes and cucumbers, eggs and bread on a light plane.

忙しいと、なかなか一汁三菜形式の定食などは、準備する時間も食べる時間もないという人も多いと思います。しかし、「パンだけ」「ごはんだけ」「麺だけ」といった食生活では、栄養が偏るということ以外にも、太る要因ができてしまいます。

 

パンをよく食べることがやせにくい理由として、一番はよく噛まなくても食べられるということです。特に菓子パンはあまり噛まなくても食べられます

日本チューインガム協会によると、可食部10グラムあたりの咀嚼回数は、クリームパンでは36回、耳ありの食パンだと62回、フランスパンだと108回となっています。

同じパンでも、ライ麦パンや胚芽パンだと、食パンよりも咀嚼回数が増加します。また、これらのパンには、材料にショートニングなどの脂肪が使われていないので、食パンなどに比べるとヘルシー。野菜や鶏のささみなどといった、脂肪の少ない食品に合わせやすいという共通の特徴もあります。

 

このように、パン以外の食品を合わせて食べると、噛む回数もアップします。本当は、栄養バランスという面でも定食がおすすめなのですが、定食を食べるのが難しいときでも、ライ麦パンと鶏ささみのサラダなら、手軽に食べられますよね。

 

実はパンより少ない?ごはんや麺類の噛む回数は?

 

おひつに入れた魚沼産コシヒカリの炊き立てご飯

では、ごはんはどうかというと、実は白米だけだと、可食部10グラムあたりの咀嚼回数は41回。62回の食パンより少ないのです。41回と食パンより少ないのです。しかし、定食にすると、他の噛みごたえの違うおかずと一緒に食べることで咀嚼回数が増えます。ごはんだけではないものの、気をつけなければいけないのは、カレーや丼ものです。これらはかき込んで食べてしまうことも多く、咀嚼回数はぐっと少なくなります。

 

次に、手軽で食べやすい麺類を見ていきましょう。麺類の可食部10グラムあたりの咀嚼回数は、のど越しで味わうそばでは15回、野菜が少し加わるスパゲティナポリタンは38回と少なくなりがちです。

麺類だけの食事は、身体にどのような影響があるのでしょうか。うどん県として知られる香川県は、以前、人口当たりの糖尿病患者数が全国ワースト1位でした。このような結果になったのは、うどんを食べる人の野菜摂取量が低いことが原因でした。

このような汚名を返上しようと、サラダうどんなどのメニュー開発や、うどんに野菜の天ぷらをつけるなどのヘルシーうどん店を増やすなど、県をあげて糖尿病予防活動を推進しました。その結果、香川県民の野菜摂取量が増え、糖尿病患者数も減少したのです

 

つまり、「うどん」などのように、なにか1つの食品だけを食べることがよくないということではないのです。いろいろなものを組み合わせて食べることや、食べる順序、食べる速度に気を配るといったことが大切なのです。

忙しいときでも、コンビニおにぎりだけのランチではなく、サラダなどの他のおかずを一緒にとるようにしましょう。

 

「早食い」「ほおばる」は御法度!噛む回数を意識しよう

 

Healthy nutrition and healthy teeth or diet, young woman bites in a apple

早食いをしたり、1口で大きくほおばったり、よく噛まないで飲み物で流し込むように食べることは、肥満につながる可能性が高いと考えられます。

このことに関して、鶴見大学での研究に面白いものがあります。ハンバーグを「フォークとナイフ」で食べたときは、「フォークだけ」で食べたときよりも、咀嚼回数や時間、1口の量が減少したそうです。

フォークで刺して丸かじりするときには、視覚的な判断を必要とせず、1口をほおばります。それに対し、フォークとナイフを使用するときは、視覚的に1口量を判断して切り取ります。このようなことから、「フォークとナイフ」で食べるほうが、「フォークだけ」で食べるよりも、咀嚼回数や時間、1口の量が減少したというわけなんですね。

また、ごはんをおにぎりと茶碗で食べるときの違いを検討した別の研究もあります。結果としては、茶碗で食べたときのほうが1口の量が減り、噛む回数が増えたそうです。

 

いずれも、食べ方を変えたことだけで咀嚼回数や時間が無意識のうちに増えていることから、フォークやナイフをきちんと使えたり、箸を正しく使えたりすることは、テーブルマナーとしても必要ですが、ダイエットにも大切なことのようです。

 

噛むことで脂肪が分解される!噛むことで分泌されるヒスタミンとは?

 

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最近になって、よく噛むことで脳内に分泌されるヒスタミンという物質が内臓脂肪の分解を促進することがわかってきました。また、ヒスタミンは体内時計の調節機能にも関連しています。

肥満モデル動物研究では、肥満になった動物は神経ヒスタミンの低下と1日の食行動リズムの破綻がみられました。これと同じように、よく夜中になにか食べたくなってしまったりする人は、ふだんの食事でよく噛んでいないことが原因なのかもしれません

自分で料理をつくる場合には、野菜を大きめにカットしたり、少し固茹でにしたりすると、噛みごたえが出て、咀嚼回数が増えます。ぜひ実践してみてくださいね。

 

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