「まんがでわかる!元気が出る睡眠」(漫画・カミムラ晋作 監修・鍛治恵)より
寝不足や寝すぎの弊害とは
平日は夜遅くまで仕事を頑張って睡眠不足、休日は睡眠不足解消のためにお昼過ぎまでだらだら寝る…。
この睡眠パターンに心当たりがある方は少なくないのではないでしょうか。
忙しい毎日のなかで、規則正しい睡眠を実現させるのは至難の業です。
しかし、そもそもなぜ私たちは規則正しい睡眠を心がける必要があるのでしょうか。
寝たい時に寝たいだけ寝て、眠たくないときは無理に寝る必要はないのでは?
寝不足はともかく、寝すぎは体に悪影響を及ぼさないのでは?
なぜ正しい睡眠をとる必要があるのか。
疑問にお答えします。
食いしん坊ホルモンが出る
睡眠による体調変化で代表的なのは、肥満です。
睡眠時間が足りないと「レプチン」という食欲抑制ホルモンが抑えられ、「グレリン」という食欲亢進ホルモンが分泌されます。
残業中や深夜に眠れずにいるとき、無性に何かを食べたくなってしまうのにも理由があるんですね。
でもこれは、いわば見せかけの空腹感。
脳は眠気によって覚醒レベルが低下すると、実際には空腹でもないのにエネルギー不足だと判断してしまうんです。
その感覚に騙されて食べすぎてしまうと、食べたものは消費されず、脂肪として蓄積されます。
結果として体重が増えてしまうわけです。
たくさん寝れば太らない?
では、たくさん寝る分には太らないのでしょうか?
実は、寝不足でも寝すぎでも、肥満の指標であるBMIが高くなるんです。
アメリカのウィスコンシン州で行われた「ウィスコンシン睡眠コホート研究」によれば、最も肥満リスクが低くなるのは、7~8時間睡眠をとっている人という結果が出ています。
生き死にともかかわる睡眠
標準体重よりも太ってしまうと心筋梗塞などが起こりやすくなるので、美容などの問題だけではなく、生活習慣病のリスクもより高くなってしまいます。
たとえば、
・不眠症状のある人は、ない人に比べて糖尿病になるリスクが1.5~2倍高くなる
・睡眠時間が5時間以下の人は、5時間以上寝ている人よりも高血圧になるリスクが2.1倍高くなる
などといった研究結果が報告されています。
生活習慣病のリスクを減らすには、しっかりと睡眠時間を確保することが大切なのです。
安易に睡眠時間を削るのはやめましょう。
やはり規則正しい睡眠が大切
いかがでしたか?
睡眠不足を甘く見てる方、要注意です。
生死に直結する睡眠。
寝不足はともかく、寝すぎも体に不調をきたす要因です。
長く健康に人生を楽しむためにも、普段から規則正しい睡眠を心がけましょう。
『まんがでわかる! 元気が出る睡眠 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |