「まんがでわかる!元気が出る睡眠」(漫画・カミムラ晋作 監修・鍛治恵)より
睡眠はパフォーマンスを低下させる
睡眠不足で頭が働かず、仕事で思わぬミスをしてしまった経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
人生の約3分の1は、睡眠に費やされます。
だから睡眠の質や量をおろそかにすることは、人生の3分の1をおろそかにすることに等しいと言ってもいいでしょう。
でも多くの人は、その重要性を感じながらも、よりよい睡眠をとるために具体的な対策はとっていません。
睡眠とパフォーマンスには密接な関係があります。
全国の20歳から79歳の男女、約8000人を対象にしたある調査でも、不眠症状の重さとパフォーマンス低下の度合いが比例する傾向が出ています。
「アテネ不眠尺度」という測定方法で「不眠症の疑いがある」と出た層は、日中のパフォーマンスが3割以上低下すると自己採点しています。
自分の実力の3割が常に発揮できないというのは、相当なマイナスです。
逆に言えば、キャリアアップを目標にバリバリ働きたいという人ほど、睡眠を大事にするのが、実は出世への近道なのかもしれません。
プラスを増やしていくことも大切ですが、まずは最も身近な習慣を直すことで、マイナスを減らすことから始めてみてもいいのではないでしょうか。
睡眠は記憶の整理に不可欠!
脳を効果的に休ませ、機能を回復させることができる方法は、睡眠だけです。
睡眠時間は、脳の発達や記憶の固定・整理といった重要な役割も担っています。
たとえば、広島県教育委員会による「平成十五年度『基礎・基本』定着状況調査報告書」では、対象となった小学五年生の睡眠時間が長くなるにつれて成績が上がっています。
「8時間以上9時間未満」で成績は最良になり、「9時間以上10時間未満」もほとんど変わらない点数です。
2006年に山口県で行われた調査では、21時までに就寝している児童は学力偏差値と知能指数のどちらも最良で、就寝時刻がそれよりも遅くなる――つまり21時までに寝ている児童よりも睡眠時間が短くなると、学力偏差値も知能指数も明らかに低下する結果が出ています。
一方、就寝時刻が20時より前と早すぎる場合も、学力偏差値と知能指数が低下しています。
広島県の調査でも、睡眠時間が「10時間以上」の児童の成績は下がっています。
これは睡眠時間が長くなると、勉強時間があまりとれないことが原因だと考えられます。
仕事を減らすための睡眠を
いかがでしたか?
社会人であれば、仕事のために睡眠を削るという場面が多々あるのではないでしょうか。
しかし、それこそが仕事が大変になる原因。
睡眠を削ったことにより、翌日のパフォーマンスが落ち、さらには記憶力も低下することによりミスが増え、仕事が増えてしまう…。
知らず知らず陥ってしまっている負のスパイラルから抜け出すために、まず一度、自分の睡眠習慣を見直してみるところから始めてみるとよいのではないでしょうか。
『まんがでわかる! 元気が出る睡眠 (Business Life)』 (クロスメディア・パブリッシング) |