MENTAL

「わかっちゃいるけどやめられない!」…習慣をコントロールできないのは潜在意識のせいだった!

Mess in my head.

やめたいのにやめられない!続けたいのに続かない!

 

一口だけのつもりが、また食べ過ぎた…

早起きしたいのについ二度寝、寝坊してしまった…

気が付けばいつもスマホでネットやSNS、アプリに夢中…

 

頭ではやめたほうがいいとわかっていてもやめられない悪習慣”、ありませんか。あるいは、

 

あらゆるダイエットに挑戦したが、なかなか痩せられない…

新しく買ったランニングシューズ、いまだ新品同様…

読書や語学の勉強、料理・家事、新しい趣味など、あれこれ挑戦したが三日坊主…

 

健康や美容、スキルアップのためにチャレンジしたもののなかなか身につかない”習慣”、ありませんか。

 

一度体に染み付いてしまった習慣を変えるのは、本当に大変ですよね。「今度こそ絶対に変わる!」と決意しても、気づけば以前と同じことを繰り返し、「またやってしまった」「また続けられなかった」…「自分はなんて意志が弱いんだ」と自己嫌悪。「どうせ無理に決まってる」とあきらめたり、「もうヤケだ!」と自暴自棄になったり…。

 

「意志の力」でなんとかしようとしてもダメだった。

 

それでは、どうしたら習慣を定着させることができるのか?

答えはシンプル。潜在意識を味方にすればいいのです。

 

Mobile phone addiction

習慣は潜在意識によってコントロールされている

 

人間の日々の行動のほとんどは「潜在意識」に支配されています。潜在意識にプログラムされたことが、知らぬ間にあなたに働きかけ、知らぬ間に行動してしまうのです。

この潜在意識の力はとても強大なので、意思の力ではなかなか抵抗できません。

 

コンピューターのプログラムは、ある入力をすると決まった出力をするようにできています。潜在意識のプログラムも同じ。間食がやめられない、スマホいじりがやめられない、禁酒や禁煙ができない……などの「わかっちゃいるけどやめられない」は、以下のプログラムによって引き起こされます。

 

①ある五感情報(視覚、聴覚など身体感覚情報)を受ける

=入力する

②それに応じていつも決まった反応をする

=出力する

 

例えば「スマホをいじって夜更かししてしまう習慣」なら、「①帰宅後の落ち着いた時間という状態(=入力)」が「②だらだらとスマホをいじる(=出力)」という行動につながってしまうということです。

 

逆に言えば、「この時間に読書などで仕事力をアップさせる」というプログラムを潜在意識にしっかりとインプットすれば、強い意志を発動する必要もなく、オートマチックにいつも机に向かうことができます。これが潜在意識を利用した習慣化のパワーです。

 

iceberg with above and underwater view

そもそも、潜在意識って何?

 

では、「潜在意識」とは一体何なのでしょうか?

 

意識全体を氷山で表すと、水面に表れている部分が、私たちが意識できている部分で、これを「顕在意識」 (consciousmind) と呼びます。

意識できているので、自分の中で明解で、理性的な部分と言えます。顕在意識の機能は、主に左脳に位置していると言われます。

 

そして、水面下にある部分、つまり意識できていない部分が「潜在意識」 (subconscious mind) です。

潜在意識とは、まさに心の奥底に潜んだ本能的な意識。自覚されることはありませんが、あなたの考え方や行動に大きな影響を与える部分です。この潜在意識は、フロイトが提唱した精神分析学や、ユングが提唱した分析心理学などで用いられ始め、世に知られ始めました。

 

そして潜在意識には、顕在意識による意志のパワーを凌駕するパワーがあるため、「わかっちゃいるけどやめられない」のようなことが起こるのです。一説によると、そのパワーは顕在意識の20,000 倍以上とも言われます。

 

絶大な力を持つ潜在意識だからこそ、有効に設計し、活用していくべきです。潜在意識の中にあるプログラムに動かされるのではなく、自分自身で意図的に設計図をつくり、書き換えることで、人生を切り開いていきましょう!

 

Barking dog

「潜在意識のプログラム」を意図的に書き換える方法

 

では、習慣化の強敵である「潜在意識のプログラム」への対処法をご説明します。

 

潜在意識には、「安心安全第一で動く」という大きな特徴があります。

例えば犬恐怖症の人は、「犬に噛まれる」といった“安心安全が脅かされる経験”から、「犬=怖いもの」という“潜在意識による刷り込み”がなされ、すべての犬に対して“強固な防御プログラムを創り出している状態”にあります。

このように、潜在意識が強力なブレーキとなる根本的動機は、安心安全欲求からきています

 

安心安全を守るため、潜在意識は基本、“現状維持”を続けるために働きます。

「頭では正しいとわかっていてもなかなか実行できない」こと、思い当たりませんか? 実はこのとき、潜在意識によって「急に現状を変えることは何らかの危険をはらんでいる」と判断され、ブレーキをかけられているんですね。

人がなかなか変わることができない原因は、ここにあるんです。

 

潜在意識のプログラムを書き換え、習慣化を成功させるためには、安心安全欲求をしっかり満たしながら進めていくことが肝心です。

 

Beautiful women in gym

頑張りすぎは禁物。まずは定着を目標に

 

潜在意識を安心させるポイントは、「苦痛の感情をつくらない」こと!

「自分の意思」でなんとかしようと、頑張りすぎたり、我慢をしたり、無理をしたりしないことです。

 

初めのうちは、性急に成果を求めず、「定着させること」を目標にしましょう。

例えばランニングなら、毎日10キロではなく、毎日1キロでも、毎日300メートルでも定着させればいいのです。「頑張らないとできない、苦痛をともなう習慣」は長続きしません。少し物足りない、「もうちょっと走りたい」くらいの感覚で続けていると、走ることが“もっとやりたい”→“快の感情”と結びついてきます。

 

スポーツクラブに通うにしても同じ。いきなりハードなメニューをこなすのではなく、例えば、クラブのお風呂に入りに行くだけでもいいのです。何回も続けているうちに、お風呂に入っているときの至福感・“快の感情”と、クラブ自体のイメージが結びついてきます。これが、潜在意識が安心している状態です。

 

好きなことだけやりにいくのだから、自然とそうなりますよね。そして、「クラブに通っている」という事実の積み重ねが、あまり思考や判断を介せず、スポーツクラブに向かうという習慣を定着させていくのです。あとは少しずつ、自分に合った運動量に増やしていけばよいでしょう。

 

“快の感情”と習慣を結びつけ、まずは定着を目標にすること――これが、潜在意識を上手くコントロールしながら、プログラムを書き換えていく最良の方法です。

まずは何か1つ、気楽にはじめてみませんか。

 


習慣をコントロールするには

①「潜在意識を味方にする」――習慣化を妨害する「潜在意識のプログラム」は、安心安全欲求を満たさないとコントロールできない。

②「まずは定着を目標に」――はじめのうちは、“快の感情”と習慣を結び付け、定着させることだけを目標にする。


 

 

自分を変える習慣力(三浦将 クロスメディア・パブリッシング 2015)より

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