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呼吸法を上手に実践するための7つのステップ

「なにもしていないのに調子がいい」(著:森田敦史)より

呼吸法を上手に実践するためのポイント

Young Blonde Woman Practicing Yoga Outdoors In The Park

呼吸法を上手に実践するためには体の中に生じる力とその方向性を消さないというコツがあります。体のことを考えるポイントを3つの見方で説明しましょう。

1.形を見る

2.動きを見る

3.力を見る(読む)

ゆっくりと小さく前へならえから、前へならえの動きをしてみましょう。形を見るというのは、前へならえの完成形のみです。つらくとも楽でも、完成した形だけを見ています。良い姿勢、背骨のゆがみ、骨盤のゆがみといった形だけにこだわっているということになるのです。形さえ合っていればいいので、重くても軽くても痛くても何でもよいのです。これでは体のことが正確にわかりません。

動きを見る、というのは前へならえの始めから終わりまでの動きを見ることを指します。手が重く出ているのか、軽く出ているのかといった違いを見ることができるのです。形だけでなくプロセスも見るということです。

力を見る(読む)というのは、動きの始めから終わりまでの手を出そうとしている力を、体の中で見るということです。感じるものであって目で見るものではありません。片手だけ前へならえをしてみましょう。動き終わったらその場で止まります。そこにカバンの持ち手を手首あたりにかけてみます。

さらに片手だけ前へならえをして、物理的に動きが終わっても、ずっと前へならえの力を消さないようにしてみましょう。そのままの状態でカバンを手首にかけてみます。前者と後者の違いがわかるでしょうか。

前者はカバンの重みを強く感じこらえる感覚が働き、後者は重みこそ感じながらも、こらえる感覚はありません。これが形や動きが同じでも、物理的な動きが終わった後に力を生じ続けているのと、止めてしまうことの差です。

動きというのは形だけでも動きだけでもなく、体の中に発生する力もしっかり考慮することが必要なのです。力むと呼吸は浅くなります。呼吸が浅くなっても力みやすいのです。力みを抜き呼吸を楽にする、ニュートラルにしやすくするという点で、とても大切です。

力みとは力の滞りです。力を溜めてしまうと力は溜まります。それを癖にすると力の溜まりは滞りになります。滞りは凝りにつながり、筋肉や関節が緊張し呼吸も浅くなってしまうのです。

大切なことは力を溜めない体、力を滞らせない体をつくること、そうすれば呼吸が楽になります。ゆがんでいる人でも元気な人もいれば、ゆがんでいなくても元気でない人もいる、その差は何でしょうか。力が滞ることなく呼吸が楽な状態であれば、多少ゆがんでいても問題なく生きていけるのです。背骨や骨盤の形だけみて良し悪しを判断するのは馬鹿げているということです。

形だけにとらわれないようにしましょう。大事なのは無形の部分です。会社にたとえてもそうです。利益が出ていたとしても、社員が疲れてモチベーションが下がっていればよい状態とはいえないでしょう。体も同じです。形だけでは見えないものが大きな意味を持っているのです。

力むのではなく、地面に通すということをすると力みが消えやすくなります。力を入れるのではなく預ける、通すということ(手足を抜く)を通して力みのない呼吸が楽になる体を手に入れます。これが力を抜く、ということです。

力を通すメソッド

手のつき方

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手のつき方手順

1.パーを作ります。無造作に作るのではなく、親指と小指を引き離すようにして作るとより開きましょう。

2.パーを作ったならば壁に手をつきます。ベッタリと手をつきつつ、とくに人差し指の根元から親指の根元(コンタクトポイント)をつかせます。

3.肩から力を入れて押すのではなく、腕から胴体を引き離すようにセットして鎖骨の始まりあたりとコンタクトポイントを一直線のつっかえ棒を作るようなイメージでつき、体の重みを乗せて壁や床に力を伝えていきます。肘の横じわは45度くらい上向きにセットしておきましょう。

足のつき方

1.足指を立てて指先は前に向けてつき、片膝立ちになります。

2.5本指でしっかり床をとらえ、体重を5本指のつけ根に乗せるようにします。

3.自分の膝より内側に足をセットしないようにします。

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STEP1 壁に手をつく

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壁を押す力はずっと消さないようにします。図の矢印は力を伝える方向です。

壁に手をつく手順

1.壁際に立ち、真横の壁に右手をついて、つっかえ棒から力を伝えるおうに寄りかかります。

2.壁に力を伝えつつ胴体全体を腕から引き離そうとしてみましょう。

3.腕に痺れのような刺激を感じるがそれはOKです。

4.そのまま顔を左に向けましょう。

5.壁に力を伝えながらも胴体は腕から引き離すことをキープしつつ、5回ほどゆっくりと深呼吸をします。

6.ゆっくりと戻ります。

以上を左右で各3~5回ずつ繰り返します。

STEP2 四つん這いになる

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四つん這いになる手順

1.足指を立てた状態で正座し両手を図のようにつきます。

2.手はパーにします。。

3.両腕から胸を引き離すようにし両手のポイントから床に対して斜め下前に力を伝えます。自然とお尻が可方につくゆに動きます。息は止めないようにしましょう。

4.お尻が動かなくなっても手から床には一定の力を伝え続けます。

5.そのまま気持ちよくゆっくりと5回ほど深呼吸をします。伝える力を弱めないようにしましょう。

6.ゆっくりと四つん這いになり2回目に移ります。

以上を3~5セット繰り返します。

STEP3 肩を入れていく

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肩を入れていく手順

1.足指を立てた状態で正座になり、、図1のように指を真横に向けてつきます。

2.手のつき方は、「手のつき方 図1」を参考にしてください。

3.両腕から胸を引き離すようにして両手のポイントから床に対して斜め横下に力を伝えます。

4.右手の方により力を伝え、左肘は軽く曲げ図2のように右手の伝える力を使って動きます。

5.ポジションができても右手は力を伝え続けるようにします。

6.3回ほどゆっくりと深呼吸、伝える力は弱めないようにします。

7.左手に伝える力を使って正面に戻ります。

以上を左右交互に5~10セット繰り返します。

STEP4 地面を蹴って引き起こす

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地面を使って引き起こす手順

1.四つん這いになり、息を吐きながら手に力を伝えることで、お尻が買ってに引けてしまうように動きます。

2.お尻がこれ以上引けなくなっても手に力を伝え続けます。(5秒くらい)

3.息を吸いながら手に伝える力はそのままで両足で床を蹴るように力を伝えます。

4.足の蹴る力が手に伝える力より少し勝ると、手と足の力がせめぎ合いながらも体が勝手に四つん這いに戻ってきます。(図4)

以上を呼吸に合わせゆっくりと20~30回繰り返します。

手からの力が体幹を通って足に、足の力が体幹を通って手に伝わります。

STEP5 腕を抜く

図5-1

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図5-2

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腕を抜く手順

1.片膝立ちになり、右膝が足首の真上になるくらいに曲げ、左脚は5本指で床をとらえます。

2.左膝に体重を乗せ、左足で踵を後ろに送るように踏み込み、床に力を伝え、右足の力を抜きます。

3.お尻を突き出さないようにして恥骨を上に向け、両方の股関節を真ん中によせるように意識し、下腹部をへこませます。

4.そのままのポジションで万歳します。

5.2~3回ゆっくりと深呼吸し、ゆっくりと元にもどります。

以上を左右交互に5~10セット繰り返します。

体を捻る

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体を捻る手順

1.腕を抜く手順の1~4までをします。

2.下腹部をへこませたまま手を下ろし、胸の前でボールをやさしく持つイメージで手をセットします。(図6)

3.そのままゆっくりと左に体を捻ります。(図7)

4.捻るとき下腹部をへこませ両足を踏み込み床への力の伝え方を強くしながらおこないます。

5.無理のない範囲で捻ったならば腕は真横に開きます。力の伝え方をくずさぬようゆっくりと1回深呼吸をし、ゆっくりと戻ります。

以上を左右5~10セット繰り返します。

STEP7 ももを引き込む

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momohiki2

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ももを引き込む手順

1.図8のように広く片膝立ちをします。

2.右膝が足首の真上になるくらいに曲げ、左右は5本指で床をとらえます。

3.左膝に体重を乗せ左足で踵を後ろに送るように踏み込み床に力をつたえ、右足首の力を抜きます。

4.お尻を突き出さないようにして恥骨を上に向け、両方の股関節を真ん中によせるように意識し、下腹部をへこませます。

5.そのままのポジションで万歳します。

6.右膝を後ろに引き込むように上体を右の太ももに預けます。(図9)

7.両手を軽くついてお尻を上げ左膝を伸ばします。そこから左足の踵を後ろに送るようにして床に力を伝えると共に右膝を少し後ろに引き込むようにします。(図10)

8.このとき右足と左足で床を引き裂くような力が床に伝わっています。

9.その状態をキープしながら足から力を伝えつつ、ゆっくりと1回深呼吸をします。

10.ゆっくりと左膝をつき元に戻ります。

以上を左右各3~5セット繰り返します。

力を通すメソッド、いかがでしたでしょうか。日頃から各メソッドを行うようにして、力みのない、呼吸が楽になる体を手に入れてみてください。

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