「明日に疲れを持ち越さないプロフェッショナルの仕事術」(著:渡部卓)より
アメリカや中国、中東のビジネスマンや学者、官僚には元気!という印象があります。別に彼らは特別な人たちではありません。普通にしているのですから、普段見慣れている日本人は特に疲れているということなんです。
中東のオマーンの学会の際にこんな言葉に出会いました。
“What a relief, to rest while the sun is at its hottest.”
( なんと心休まることだろう、太陽が一番暑いときに休むのは )
砂漠の民の智恵で、一番暑い時間帯は休んでしまおうということなのですが、要するに!生活にメリハリをつけましょうということです。当たり前の話のようですが、深い意味のある言葉ですね。
日本人は相当な疲労が溜まっている?!
日本人はよくハードワーカーだと言われますが、けっしてエネルギッシュには見えません。暑い国の人たちはよく怠け者だと言われるのですが、見た限りでは、とてもエネルギッシュに働いています。要するに、日本人はメリハリなく長時間働いているだけで、疲れが溜まってしまっているのではないのでしょうか。
まれに、経営者の中で、疲れを感じないで、朝から寝る時まで常にエネルギッシュで働いているという人もいます。しかし、こうした人は軽度の躁状態がずーっと続いているようなもので、精神科の専門家に言わせると要注意だそうです。なぜなら、体や精神からの信号を受け取れない可能性があり、ある時突然ポッキリと心が折れたり、体の不調に襲われてしまいます。仕事が出来る人について、「あの人はメンタルが強いから」ということが言われます。しかし、大多数の人は強い面もあればもろい面もあります。自分の弱さを自覚したうえで、そこをカバーしながらパフォーマンスを残しているからプロフェッショナルなのです!
明日に疲れを持ち越さないためには、疲れのメカニズムを知ることが大切!
あなたが朝起きた時に感じるだるい疲労感は、病気に起因するものでない限り、あなた自身でコントロールすることが可能です。コンロトロールするとは、決して疲労を感じないことではありません。なるべく疲れにくい体をつくる、日頃の疲れをためない、長引かせないということが大切です。プロフェッショナルと呼ばれる人たちは、疲れとうまく付き合い、疲れにくい体をつくり、仕事の段取りから無駄をなくし、人間関係を良好にし、休息を上手に取ることのできる人なのです。つまり疲労をマネジメントしているのです!