FOOD

1杯目は好きなお酒、2杯目は太らないお酒? 飲んでもやせる“食べ合わせ”ダイエット

こちらの記事は週刊女性PRIME(運営:主婦と生活社)の提供でお送りします。

お酒の席が好き、外食ばかり……だからダイエットなんてムリムリと、あきらめていませんか? 飲んでも食べてもやせる方法はあるんです。要はメニューの組み合わせ次第。管理栄養士・松田真紀先生が提唱する「食べても、飲んでも、やせる!」“松田式メソッド”で飲みながらスリムになっちゃいましょう!

やせたいからこそお酒も料理もどうぞ

「やせたいからと、カロリーばかり気にしていませんか。なぜかカロリーを気にする人に限ってメタボが多いんですね」と、松田先生。

その理屈はこう。カロリーを減らしたいけれど、空腹はイヤだからと、お腹のたまるカップ麺やおにぎり、菓子パンを食べてしまう。でも、これらは太りやすい「糖質加工食品」で、中性脂肪を増やすんです。したがって、こうしたものを食べ続けると、基礎代謝が落ちて太りやすい身体になってしまう。

「しかも肌があれたり、生気がなくなったり、いつも倦怠感に悩まされたりするようになりますよ」

大事なのは、肉、魚、卵、大豆といったタンパク質を食べること。太りそうだからと敬遠してしまいがちですが、逆に、代謝が活発になり脂肪が燃えやすい身体になり、カロリーを消費してくれるといいます。

そして、これらの料理こそ、居酒屋のメニューにはたくさんあります。

だから居酒屋ダイエットでは、

(1)カロリー制限は必要なし。タンパク質や脂質を必ず食べましょう。
(2)朝、昼は普通に食べて、夜だけ居酒屋メニューにする。もちろん、お酒も飲みましょう。
(3)1日3食でもよし、食べたくない日は2食でもよい。

こんなに簡単なんです。

「もしあなたが、40代も半ばを過ぎて、そろそろ更年期にさしかかっていたら、積極的に大豆製品などもとるように心がけてくださいね。居酒屋メニューには大豆のお料理もたくさんありますよ」

お酒の飲み方にはコツがある

さて、今度はお酒のお話。お酒には太りやすいお酒と太りにくいお酒があって、太りやすいお酒とは「醸造酒」で大麦が原料のビール、ブドウが原料のワイン、お米が原料の日本酒、そして、もち米が原料の紹興酒など。太りにくいお酒は「蒸留酒」で焼酎ウイスキーブランデー泡盛など。

「最初の1杯は好きなお酒で、気持ちよく乾杯しましょう。そして2杯目からは蒸留酒を」

お酒で問題になるのが糖質。糖質が高いほど血糖値を上昇させて、体内の脂肪細胞をつくるインスリンの分泌を促進させて、太りやすくなってしまうのです。下のお酒の糖質量の表を見てもわかるとおり、ダイエットをするなら日本酒やビールを飲み続けるのはやめましょう。

ワインでは赤ワインのほうが血糖値を抑制する働きがあるポリフェノールを豊富に含んでいるので、おすすめです。

太らない飲み方のポイントは、割って飲むこと。ウイスキーならお湯割りを。焼酎を緑茶やウーロン茶で割れば、カテキンの脂肪燃焼効果が期待できます。グレープフルーツやレモンで割れば、ビタミンCの働きで疲労回復の効果もあります」

お酒の選び方

■1杯目は好きなお酒を飲む

■2杯目からは太らないお酒(泡盛、赤ワイン、テキーラ、ラム、ジン、ウォッカ、ブランデー、ウイスキー、焼酎)を飲む

■女性にオススメは…1杯目はビールか赤ワイン、2杯目からはホットのウーロン割りか緑茶割りの焼酎

女性はもともとアルコールの分解力が男性の約半分と弱く、しかも女性ホルモンの分泌が衰え、太りやすくなり、閉経を迎えると、中性脂肪やコレステロール値が上がる傾向が。ビールには女性ホルモン様物質が含まれています。赤ワインにはアンチエイジング効果が。ウーロン茶や緑茶割りはダイエットにぴったり。

脂肪を燃やす鉄板メニューはコレ

やせるには「燃焼食」

居酒屋メニューに松田先生が注目したのは「ダイエットに最適な3つの食材を使ったメニューがそろっているから」で、それは、

(1)脂肪を燃やす燃焼系の食材
(2)老化を防ぐ抗酸化の食材
(3)腸内環境をよくする整腸作用のある食材

「この3つの食材を使ったメニューを選べば、誰でもやせることができます」と松田先生は断言。

最初の、脂肪を燃やす食材とは『青魚』と『大豆』を使った料理。日本人ならみんなが大好きなマグロの刺身や、しめサバ、アジのタタキ、サンマの塩焼きなど。

大豆のメニューといえば、枝豆、納豆、そして冷や奴などの豆腐料理。

青魚と大豆には共通している2つのダイエットに有効な栄養素があり、ひとつがバリン、ロイシン、イソロイシン(まとめてBCAAと呼ばれています)が含まれていて、肥満の原因を撃退してくれるのです。

もうひとつ共通しているのが、不飽和脂肪酸を含んでいること。

脂肪酸(油)には、中性脂肪やコレステロールを増やす飽和脂肪酸と、中性脂肪になりにくい不飽和脂肪酸があります。青魚の油も大豆の油も、不飽和脂肪酸。

青魚の不飽和脂肪酸は、EPAやDHAと呼ばれ、血液中に蓄積された脂肪を溶かしたり、血管をしなやかにして、血液サラサラ効果が。

大豆の油は、肝臓の機能を改善

「居酒屋では青魚と大豆の料理を積極的に食べてください。それだけで脂肪が燃えやすい身体になりますよ」

老化を防ぐ「抗酸化食」

太りたくないの、やせたいの……でも、それだけで満足ですか。若いうちはやせればキレイになれるけど、40歳を過ぎてからのダイエットは、ただやせればいいってわけにはいかない。やせてシワシワになって、老け込んでしまったら本末転倒。やせても、若くなくちゃあ意味がない。

「老化と肥満は、密接な関係があります。私たちの身体は食事でとった糖質や脂肪をエナルギーに変えているのですが、その過程で活性酸素を生みだします」

活性酸素は身体をさびつかせ、細胞や臓器にダメージを与え始めます。これが酸化で、さらに進むと、身体の機能が衰え、代謝も低下して、老化へと進みます。40代を過ぎたら、まず身体の酸化を防いで、老化を食い止めることが、ダイエットの秘訣だというわけ。

「その点からも居酒屋メニューはぴったりです。老化を防ぐ抗酸化食材を使ったメニューも豊富です。私がおすすめしたいのは、サーモンの刺身やアボカドのサラダ、枝豆や納豆などで、どれも抗酸化力の強い食材です」

松田先生流の抗酸化食材の見分け方は、「赤・黄・緑」の3つの色が目印。

赤はサーモンや、エビ、トマトなど。

黄はレモンやグレープフルーツ、枝豆など。

緑はアボカドやほうれん草、ブロッコリーなど。こうして色で覚えれば、メニューから選び出すのも簡単ですよね。

居酒屋で絶対食べたいやせるメニュー、鉄板9品

腸内環境に「整腸食」

「太ってしまう人、太らない人の違いがどこにあるかというと、腸内環境の差であるといっても過言ではないと思います。腸内環境がよければ、太りません」

つまり腸の中の善玉菌を増やして、悪玉菌を減らせばいい。善玉菌を増やすには、納豆に含まれる納豆菌や、ぬか漬けに豊富な乳酸菌をとること。さらに善玉菌をどんどん増やすにはエサが必要になるけれど、そのエサになるのが豆腐や枝豆に含まれる大豆オリゴ糖。

さらにワカメやモズク、海藻類、こんにゃくなどは水溶性の食物繊維が豊富で、胃の中の食べ物を包み込んで、血糖値の急上昇を防いでくれるし、コレステロールなどの脂質の吸収も抑えてくれる。

「もうおわかりでしょう。居酒屋には腸内環境をよくするメニューが豊富なんです」

さて、ここで「居酒屋で絶対に食べたいやせるメニュー、鉄板9品」を紹介しよう。松田先生曰く「どれも脂肪を燃やす働きがあるメニューです。迷わずに選んでくださいね」

【脂肪を燃やすベスト9】

(1)青魚の刺身

マグロ、イワシ、アジ、サバ、サンマなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、中性脂肪を減らし、内臓脂肪や皮下脂肪になることを防ぐ効果が。さらに、血液サラサラ効果も高い。

(2)サーモンの刺身

サーモンの赤色は、抗酸化物質のアスタキサンチン。ニンジンなどに含まれるβ-カロテンの40倍の抗酸化力があり、血管の若返り、血糖値上昇の抑制、脂質の燃焼を優先的に行います。

(3)焼き鳥、やきとん

焼き鳥でも、やきとんでも、ミネラルが豊富なレバー、ハツ、砂肝などの内臓系をどうぞ。ダイエットに必要な鉄分や亜鉛が豊富に含まれているのです。ダイエットに必須のミネラルを補給します。

(4)ローストビーフ

牛肉に含まれるL−カルニチンは脂肪代謝に関わり、そのダイエット効果はサプリメントとしても発売されている。加齢とともに減少するL-カルニチンはローストビーフで効率よくとりたい。

(5)枝豆

枝豆の食物繊維は腸内環境を整え、大豆イソフラボンが脂肪燃焼ホルモンの分泌を促進。お酒の前に食べておくと、血糖値の上昇を穏やかにし、胃腸のバリア食としても有効です。

(6)だし巻き卵

卵はビタミンC以外のすべての栄養素が含まれている完全栄養食品。中でもレシチンは血管を若々しく改善して代謝を上げる働きをします。さらにお腹にたまり、腹持ちがいいので食べすぎの予防に。

(7)納豆

豆には活性酸素を除去する働きや、食物繊維による血糖値の上昇を抑制する作用、大豆イソフラボンの脂肪燃焼ホルモンの分泌を促す、ダイエット時こそ絶対食べたい。特に夜食べると効果的です。

(8)アボカドサラダ

“森のバター”と呼ばれるアボカドは、60%が脂肪ですが、中性脂肪になりにくい不飽和脂肪酸。しかも抗酸化のビタミンA、C、Eも同時にとれるので若返りにも有効。アボカドサラダをどうぞ。

(9)タコ、イカの刺身

タコとイカに含まれているのがタウリンで、肝臓の働きを改善し、また胆汁酸の分泌を促す、肝臓ケアには欠かせません。その結果、コレステロール値が下がったり、血液サラサラ効果も。

やせる鉄板メニューがわかったので、敬遠したほうがいい食材も知っておきたい。

「女性が好きなポテトサラダですが、あれはサラダといってもポテトの料理。マヨネーズも使っているので絶対、NG。揚げ物なら、サクサク分厚い衣のついているコロッケや天ぷらではなく、衣の薄いから揚げにしましょう

「一酒三菜」でやせる、若返る、キレイになる

やせる+身体を変えるはこのメニューで

「居酒屋ダイエットにはたったひとつだけルールがあり、一酒三菜を守ってください」

この一酒三菜こそが松田先生の居酒屋ダイエットの柱

まず主菜は、魚、肉、卵、大豆を使った料理からメインを1品決める。ダイエットに有効な燃焼系のタンパク質をとるわけです。いくら好きでもいつもマグロばかりというのではなく、いろいろな種類の魚を食べたほうがダイエット効果はアップ。どれを食べたらよいのか迷ったら、旬の魚を選ぶのもひとつの方法。

「女性にはローストビーフもオススメします。家では食べられないし、ダイエット効果もとっても高いんです」

副菜①は、野菜料理から選びます。老廃物を排出するデトックス効果のある野菜や、抗酸化作用のある食材を選んで、身体のコンディションを整えながら。メインの主菜の働きを促進させるのです。

イチオシはトマト。赤・黄・緑の食材の中でもトマトのβ−カロテンは抗酸化作用に加えて、脂肪燃焼、アルコール分解効果もあってダイエットにはぴったり。

アボカドはビタミンA、C、Eがとれる若返り果実で、これも女性たちに積極的にとってほしい。

副菜②は、海藻や、魚介、キノコ類から選ぶ。シメジやシイタケといった不溶性の食物繊維は、胃腸で水分を吸収して、便のかさ増し効果で、便秘の改善にもよい。女性に多い便秘には、キノコ類を。お酒を楽しくおいしく飲むために肝臓や腸に働きかける食材などから好きなものを。

主菜、副菜①,②で三菜が選べましたね。そうしたら、漬物を選びます。居酒屋ダイエットでは、漬物のとり方にもこだわっていて、食事の前に漬物を5切れ、そして飲んだり食べたりしながら、残りの漬物を食べます。漬物だってとっても大事な食材。

最後に、主食を選びます。主食はご飯や麺類ではなく、豆腐料理からどれか1品。これで5品が選べました。これらにお酒を加えたのが1人前のメニュー。

単品をバラバラと食べるのではなく、組み合わせたのは、食べ合わせによるダイエット効果が得られるから。

目的別のメニューを挙げておきますが、これに準じて食材を選び、組み合わせてみましょう。

燃焼食材、抗酸化食材、整腸食材と組み合わせることで身体はどんどん変わります。

「いかがですか、かなり飲みごたえも食べごたえもあるはずです。楽しく食べて、やせましょう」

居酒屋だけでなく、自宅でも応用できますよ。コンビニのお惣菜などでもできるので、やってみて!

ダイエット効果を高める6つの「やせ習慣」

【やせ習慣(1)夕食を食べる前に「ホット緑茶」を1杯飲む】

緑茶はアルコールを代謝し、二日酔いを防ぐ燃焼系のドリンク。居酒屋に行く前にカテキンの多い抹茶入りや濃いめの「ホット」を1杯飲んでおくこと。

【やせ習慣(2)お酒を飲む前に「漬物を5切れ」食べる】

漬物はお酒から胃腸を守るバリア機能の役目が。最初に5切れ、残りはメイン料理の後で。漬物の中でもぬか漬けは脂肪燃焼効果を強化する働きあり。

【やせ習慣(3)お酒の合間、寝る前に「白湯」を飲む】

お酒をひと口飲んだら、白湯をひと口。脱水症状を防ぎ、肝臓のケアを。寝る前に白湯を飲むのも、睡眠中のアルコール濃度を下げ、また脱水症状を防ぐため。

【やせ習慣(4)1杯目は「好きなお酒」、2杯目からは「太らないお酒」を】

1杯目は1日頑張ったご褒美。でも2杯目からは、焼酎、ウイスキーなど糖質の低い蒸留酒を、お湯、お茶、生レモン、生グレープフルーツで割って。

【やせ習慣(5)締めで食べるなら「冷やし茶漬け」で決まり】

白米の糖質は冷たくなると、「レジスタントスターチ」に変化し、血糖値が上昇しにくくなります。また腸を整えて、便秘にも効果的。

【やせ習慣(6)1回の食事時間は「90分」を目安にする】

30分以内にオーダーをすませ、1杯目のお酒を。残り60分で2杯目からのお酒と料理を楽しむ。脳も胃腸も90分を超えると働きが鈍り暴飲暴食の原因に。


<プロフィール>

松田真紀先生◎管理栄養士、(株)バードワークス代表。女子栄養大学卒業後、明治乳業㈱に入社し、スポーツドリンク「VAAM」の立ち上げに携わるなどアスリートの栄養サポートに従事。その後、電通などを経て、「食プロデュース」を行う(株)バードワークス設立。企業、スポーツ団体など300施設以上の栄養指導、一般向けの「ダイエットセミナー」を実施するなど多方面で活躍中。


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