FOOD

「健康のため」と摂っていた野菜ジュースやトマトが逆効果になるケースとは?

忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」(著:杉本恵子)より

市販の野菜ジュースは100%混じり気のないもの?

Beautiful healthy Asian girl like tomato juice isolated on white background.

炭水化物は敵。野菜ジュースを飲んで過ごせば、栄養も摂れるし体重も落とせる。

そんなイメージで野菜ジュースを積極的に飲むようにしているというビジネスパーソンもいるかもしれません。

ここで大事なのは、その野菜ジュースが100%の混じり気のないものかどうかということ。

もし、皆さんの中で、自分で買ってきた野菜、あるいは育てた野菜だけを搾ってジュースをつくった経験があるという方がいればわかると思いますが、野菜だけしか使わずにつくったものは、それほど「おいしい!」と言えるものにはなりません。

やはり、どこか飲みにくさが出てしまうのです。

それに比べて市販のジュースは誰でもゴクゴク飲むことができ、一般的なおいしさも満たしているものがほとんど。

野菜ジュースには添加物が入っていることもある

市販のジュースは、誰でもが飲みやすくするために、商品によっては甘味料や香料、安定剤、酸味料などの添加物が入っていることもあるわけです。

また、そもそも多くの市販の野菜ジュースは「野菜+果物100%」と表示されていても、凝縮加工したものに水を加えてつくられています。つまり、そのままのストレートなジュースではないということ。

ビタミンがどれだけ生きているかが疑問

また、加熱殺菌も必要になるため、熱に弱いビタミンなどの栄養素がどれだけ生きているかというところにも疑問が残ります。

もちろん、市販の野菜ジュースが身体に悪いわけではありませんが、自然な状態の野菜や果物の栄養素が摂れているということではない点は意識しておいたほうがいいでしょう。

そういった意味でも「健康にいいから」と安易に野菜ジュースを毎日飲み続けるのはあまりお勧めできません。

市販のものを飲むならいくつかの銘柄を飲みわけるべし

Various glasses of juices isolated on white background

それでも、なかなか普段野菜を摂れないので少しでも野菜の栄養を補いたいという場合は、同じ銘柄の野菜ジュースを続けるよりも、いくつかの銘柄を飲み分けたほうが身体に同じ添加物が蓄積することを抑えることになります。

また、飲みやすいということは、それだけ糖質もあると考えられるため、摂りすぎると中性脂肪の元になります。あくまで、本来の野菜を摂ることがメインで、野菜ジュースは補助的なものと考えておきましょう。

トマトを食べたら不健康になった?!

みずみずしく真っ赤に熟れたトマト。まさに健康エネルギーのかたまりのような野菜ですが、このトマトが健康を害する場合もあるという、ちょっと信じられないようなケースがあるのです。

北海道旭川のお隣にある町。高級ブランドスイカで知られる『でんすけすいか』など、おいしい農産物がたくさんある恵みの大地ですが、この町で行われる講演会に、毎年、杉本恵子さんが通っているうちに気がついたことがあるそうです。

とってもおいしい農産物や果物に囲まれて、新鮮なものを毎日食べているはずなのに、町民の方々の中性脂肪がとても高かったのです。

不思議に思っていろいろ調べてみると、町の特産品であるトマトに行き着きました。

町民の方々は、トマトの中でもフルーツトマトと呼ばれる糖度の高いトマトを毎日のように食べていたのです。

理由をたずねると「夏になると出荷しきれないぐらいの量が収穫できてしまうので、余ったフルーツトマトはボウル1杯分ぐらい、毎日食べている。お裾分けもする」とのこと。

フルーツトマトの糖度はスイカ並みに高い

More tomatoes:

フルーツトマトというぐらいですからとても甘く、中には糖度が10度前後のものもあります。

普通のトマトの糖度が4~5度ぐらい。糖度10度と言えば、スイカやパパイヤ並みですから、それだけの糖質が含まれたものを毎日ボウル1杯も食べていたら、中性脂肪が高くなっていても当然という状態でした。

まさか健康と身体にいいイメージしかないトマトが健康を害する原因になるなんて普通は思いません。だからこそ、最近の甘くなっている野菜や果物には気をつけないといけないのです。

町民の方からは「先生。トマトはリコピンが多いから健康食品でしょ?先生の赤。カロテンだって多いのにね。検診で中性脂肪が高い原因がフルーツトマトとは・・・・・・?」

晴天の霹靂だと話していました。

昔のトマトは酸っぱかった!

食事に重点を置いたレストランデイサービスで接しているお婆ちゃんたちに聞くとみんな「昔のトマトは酸っぱかった」と口を揃えます。酸っぱいので砂糖をかけて食べていたぐらいだそうです。

それが今では、トマトに限らずいろいろな野菜や果物もメディアで紹介されるときにコメンテーターの「甘いですねぇー」というコメントが「おいしいですね」に聞こえてしまうぐらい、甘いものが当たり前になっています。

それだけに、食べ過ぎにはやはり気を付けないといけません。野菜や果物だから無条件に身体と健康にいいと丸呑みせずに、本当のところどうなのかを知るということが重要。

知っておこうという意識があれば、食べる量や他の食材とのバランスなどで自分の身体を守ることができるからです。

野菜ジュースや甘いトマトを毎日大量に摂っていて、健康的だと思い込んでいた方は、一度摂っている量をよく見直してみませんか?添加物や糖質には十分に注意したいものですね。

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