「忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」(著:杉本恵子)より
「食」習慣は5色バランスではじめよう
「食」習慣を「黒・緑・黄・赤・白」の見た目で判断し、毎食ごとに5色のバランスを考えて摂るだけ。今日から楽しく実践でき、たとえコンビニ・ライフでも、改善が継続できます。
まさに、ズボラなあなたにピッタリの方法です。
栄養学を知らなくても使える「5色健康法」
「杉本恵子の食材5色バランス健康法(以下、5色健康法)」は、普段の食事の中で「黒・緑・黄・赤・白」5色の食材を意識するだけで、面倒なカロリー計算や栄養学の専門的な知識も必要なく、誰でも簡単に実践できるものです。
誰でもというのは誇張ではなく、実際に幼稚園・保育園・小学校でも、「食育」の話をさせていただいてから、子供たちが実践しているくらいです。子供たちは色が大好きです。食事時に「あー、黒がないよ!リンゴはどこに入るの?」という会話がはじまります。
例えば、赤は「肉類、ハム、赤身の魚、トマトやニンジンなどの赤い野菜」、白は「ごはん、パン、牛乳、豆腐」、黄色は「納豆、ゆばなどの大豆製品、カボチャ、サツマイモ、トウモロコシ、柑橘類」。
緑は「ホウレン草、ブロッコリー、レタス、キウイ、枝豆」黒は「ワカメ、昆布、ヒジキなどの海藻類、シメジやシイタケなどのキノコ類、黒ゴマ、黒豆」と色分けしています。
えっ、そんなふうに見た目で決めていいんですか?と思われるかもしれませんが、この5色健康法は栄養学などの「学問」ではなく、バランスよく食べるために自分が食べている食材を意識しやすくするための方法なので、見た目で判断して構わないのです。
ナスは、外側が黒でも中を見ると白が半分以上なので白、バナナは黄色でも食べる部分は白、キノコ類は、白いエノキダケ以外は黒、ちょっと茶色でも黒に入れます。
ただし、梅干などの加工食品は製造段階や調理で味付けされるものなので、その食材の元々の色で判断するのが基本。100%果汁の飲料以外の飲み物、お菓子、味噌などの大豆製品以外の調味料なども5色にはカウントしません。
男性の多いセミナーでは、「必ずビールが黄、赤ワインは赤、白で日本酒?黒はコーヒーや炭酸飲料。緑がないな!」という言葉がどこからとなく出てきます。
ドリンクでも調味料でも5色になりますが、「5色健康法」には入りません。あくまでも食材についての色別です(醤油=黒、わさび=緑、からし=黄、ケチャップ=赤、マヨネーズ=白)。
「5色健康法」を発見するヒントはお婆ちゃんの一言から
実は「5色健康法」を発見するヒントをくれたのは、当時85歳の、とあるお婆ちゃんでした(お婆ちゃんは百歳で元気一杯、旅立ちました)。
今から37年ほど前、大学で栄養学を学び、管理栄養士としてひゃか点の健康管理室に勤めていたときのことです。
その頃の栄養士の世界では、タンパク室がどれぐらいでカロリーがいくらというような計算に基づいたメニューを考えるのが常識になっていました。
そんなとき、何の疑問も持たずに「身体にいいメニュー」として計算してつくった料理を見たお婆ちゃんは、私にこう言ったのです。
「おやおや、黒が足りませんね」
「・・・・・・黒?」と考えているうちにお婆ちゃんは台所にスタスタと歩いて行き、続けて私に言いました。
「黒で海苔ですよ。この食事を見て御覧なさい、黒がないでしょ。人間はね、食事をするときには黒・緑・黄・赤・白の5色の食材を食べれば元気に暮らせるものよ。
マグロが赤でご飯が白。カボチャは黄、ホウレン草が緑だから、白ゴマか黒ゴマならよかった。お味噌汁の具材がわかめの黒なら良かったね」
私が呆気に取られていると、お婆ちゃんは海苔や黒ゴマをテーブルの料理に散らしていきました。すると、なんだか一気に見た目も華やかで身体にもやさしそうな食卓に変身したのです。
食事と健康のマネジメントはストレスなく簡単に
忙しいビジネスパーソンが、毎日の食事、特にランチや付き合いでの飲み会や外食のときに、「栄養素が・・・・・・」なんて毎回考えるのは現実的ではないでしょう。
だからこそ、好きなものを食べながらストレスなく簡単に「食と健康」のマネジメントができる5色健康法がビジネスパーソンの方々に向いているのかもしれません。
「何を食べているか」は重要
食事に気をつかう健康法というと、お年寄りや小さな子供、あるいは子育て中のお母さんのためのものというイメージもまだまだあるみたいですが、実は「食と健康」」が重要なのはビジネスパーソンも同じです。
忙しくしている人ほど食べること、食べるものは重要なのです。忙しいからといって食事がおざなりで適当なものばかり食べていると、パフォーマンスが低下します。
自分の身体が思ったように動かなくなったり、大事なときに体調を崩したり、いつも疲れを引きずっていては元も子もありません。
バランスよく食事を摂るというと「3食ちゃんと食べないとダメなのでしょうか?」と心配されることもありますが、そこも大丈夫です。
5色健康法では、何食摂るかが大事なのではなく「何を食べているか」のほうが重要だからです。
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