サラダチキンならぬ「サラダフィッシュ」爆誕
サラダチキンの次は「サラダフィッシュ」——。
2019年3月からセブンイレブンで販売されている「サラダフィッシュ」が話題だ。今や定番商品となった「サラダチキン 」の魚バージョンと言えるこの商品。現在は
・サラダフィッシュ さば(税込267円)
・サラダフィッシュ サーモントラウト(税込300円)
・サラダフィッシュ まぐろ(税込300円)
以上の3商品が発売中だ。
だが「サラダフィッシュ」という新概念の登場に
「焼き魚と何が違う?」
「コスパが悪いのでは?」
などの疑問が生まれる。
そこでビジネスライフ編集部員Sはセブンイレブンのサバ商品とスーパーの塩さばを比べてみることにした。
サバのメリット
平均的なさばは100gあたり291kcal。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの良質な脂が豊富で、脳機能を高めストレスを軽減する効果も。低糖質・高タンパクのためダイエットや筋トレ向きの魚として人気を集めている。
■DHAには脳の働きをよくする効能が!DHAを多く含む食品まとめ
こういったさば人気を反映してか、セブンイレブンでさばを原材料に含む商品は予想以上に多い。
セブンイレブンのさば商品4種
10種類ほどあるさば関連商品のうち、今回は以下の4種を取り上げて比較する。
①サラダフィッシュ さば(税込267円)
1パック1枚あたり…224kcal
たんぱく質12.7g/脂質19.0g/糖質0.3g
本記事の主役商品。低温で蒸し上げたさばをガーリック風味に仕立てている。骨が取り除かれ、そのまますぐに食べられる。
②さばの塩焼(税込289円)
1パック1枚あたり…271kcal
たんぱく質17.6g/脂質22.3g/糖質0g
さばを遠赤外線で香ばしく焼き上げた「さばの塩焼」。
③国産さば 水煮缶(税込181円)
1缶190gあたり…431kcal
たんぱく質26.2g/脂質36.1g/糖質0.2g
「鯖缶ダイエット」などで話題になった水煮缶。セブンプレミアムでは国産さばを使用している。
④スモークフィッシュさば(税込213円)
1パック33gあたり…84kcal
たんぱく質6.4g/脂質6.2g/糖質0.8g
こちらはPBではなく松岡水産の自社商品。ノルウェー産のサバを桜チップで燻製にしている。
塩焼きとサラダフィッシュ、味の違いは?
大きさがほぼ変わらない塩焼とサラダフィッシュ。「焼く」のではなく「蒸す」ことで調理されたサラダフィッシュは、塩焼に比べ水気が多い。しかし味にはほとんど違いを感じなかった。素材を重視した商品だからだろう。
厚み・長さ・重量でコスパ比較
「身が薄い」と言われるサラダフィッシュだが、実際はどうなのか? セブンのサラダフィッシュと塩焼、スーパーで購入した塩さばを比較してみよう。
コンビニVSスーパー 厚み・長さは?
サラダフィッシュの厚みをオレンジの線で示した。
「さばの塩焼き」「スーパーの塩さば」に比べ、サラダフィッシュの身が薄くなっている。加工する過程で身に圧力がかかったのかもしれない。
次は塩さば(スーパー)と塩焼(セブンイレブン)の長さを比較。
調理後の2品を比べたところ、塩焼(セブンイレブン)は17センチ。塩焼(スーパー)はほぼ19センチ。
塩さば(スーパー)は調理後に水分や脂が落ちて縮んだものの、大きさの違いは健在だ。
セブンのさば4種VSスーパー 内容量と1gあたりの値段は?
コスパをはかるならやはり「重さあたりの値段」が重要。そこで各サバの「1gあたりの値段」を計測してみた(小数点2位切り捨て)。
見た目から塩さば(スーパー)が優位に思えるが、予想は果たして覆るのか。
塩さば(スーパー)
調理後…1gあたり1.6円(2019年5月7日時点)
水分が抜けた調理後の状態で計測。価格が変動しやすいため、常にこの値が信用できるわけではないことに注意してほしい。
塩焼(セブンイレブン)・サラダフィッシュさば
さばの塩焼…1gあたり2.8円
サラダフィッシュさば…1gあたり3.5円
スモークフィッシュさば(松岡水産)
スモークフィッシュさば…1gあたり7.1円
国産さば水煮
国産さば水煮…1gあたり1.1円(水煮缶の水を切った状態で計測)
以上5品を比較すると驚きの結果が。なんと「重さあたりの値段」が一番安いのは、スーパーの塩さばではなくコンビニのサバ缶だったのだ。
高コスパ順にランキングすると次のようになる。
1位:国産さば水煮(1gあたり1.1円)
2位:スーパーの塩さば(1gあたり1.6円)
3位:セブンイレブンのさばの塩焼(1gあたり2.8円)
4位:サラダフィッシュさば(1gあたり3.5円)
5位:スモークフィッシュさば(1gあたり7.1円)
缶詰が安いのは小さなサバでも出荷できるからだろう。2位以降の商品では加工度が高くなるにつれ値段も上がっている。
コスパが全てか? サラダフィッシュのメリット3つ
しかし、サラダフィッシュの可能性は「コスパ」だけでははかれない。塩さば(スーパー)の調理過程と比較すると、サラダフィッシュのメリットは3つある。
①台所を汚さない
スーパーで買った塩さばはそのままでは食べられない。自宅の魚焼きグリルかフライパンで加熱する必要がある。
調理後に面倒だと感じたのは、さばから落ちた脂で汚れたグリルの掃除だ。また、調理中に台所に広がったニオイは換気扇をつけてもなかなかとれない。
その点サラダフィッシュはサバ特有のニオイが薄く、台所への影響は少ない。臭いに敏感な人や脂汚れの処理が面倒な人にはサラダフィッシュがオススメだ。
②すぐ食べられる
サラダフィッシュは皿に移さなくても食べられる。簡便さは調理に15分ほどかかった塩さば(スーパー)と比べるまでもない。
③食べ過ぎ防止
スーパーで塩さばを買う場合、丸ごと1尾以上の分量でしか購入できない場合が多い。一度に調理して持て余す可能性もある。
一方、サラダフィッシュの場合1パックの分量は100g以下。一食にちょうどいい量だけを購入できる。
目的別おすすめさば商品
「値段」「手間」「量」のうち、どの観点を重視するかで選ぶべきサバ商品は変わってくる。それぞれの商品がどんな人に適しているかをまとめよう。
「自炊もやぶさかではない」→スーパーの塩サバ
時期にもよるが、低価格で肉厚のさばが食べられるのがスーパーで買う際の利点。調理には少しコツが必要だ。筆者が強火で調理したところ、脂や水分がかなり抜け、コンビニ商品よりもパサついてしまった。
「コスパ重視・手間カット」→鯖水煮缶
コスパNo.1のセブンイレブンPB商品「国産さば水煮」は、脂が十分にのったサバが入っている。調味料も食塩のみとシンプルだ。味噌汁に入れてアレンジする方法も。
上記二つは高コスパ。しかし調理中や廃棄する缶詰のニオイは強烈だ。
さば独特のニオイを回避したいなら、以下のパック済の商品をおすすめする。
「メインのおかず1品」→さばの塩焼(セブンイレブン)
電子レンジで50秒加熱するだけで夕飯のおかずが1品増える。インスタント味噌汁と白米があれば立派に魚定食の完成だ。今回の検証では筆者が焼いた塩さばに比べ、脂がのってしっとりしていた。
サラダのトッピング→サラダフィッシュさば
「ガーリック風味にレモン果汁を加えた洋風な味付け」とある通り、味がしっかりついて美味しい。サラダフィッシュがトッピングされているサラダなら、ドレッシングがなくても美味しく食べられそうだ。
忙しい時の間食…スモークフィッシュさば
燻製のため程よい固さがあり、片手でも食べられる。サラダチキンスティックの亜種という印象だ。作業中や小腹が空いた時に最適。少量のため、カロリーが気になる時でも抵抗なく摂取できる。
サラダフィッシュの登場で手軽に摂取できるようになった「サバ」。懐具合と相談しつつ、サバの「良質な脂」を生活に取り入れてみてはどうだろうか。
参考サイト
■コンビニ サラダフィッシュ続々 セブン全国展開、ローソンは新商品サバ(Yahoo! JAPANニュース)