飲み過ぎた日の翌日は、
ブラックよりカフェラテを
前日飲みすぎて、朝から頭が割れるように痛い……。ビジネスパーソンならば誰でも一度は経験したことのある状況でしょう。
こんな典型的な二日酔い症状にこそ、コーヒーが効きます。
そもそも二日酔いで頭痛が起こるのは、 体内で分解しきれなかったアルコールがアセトアルデヒドに変わり、これが脳内の血管を拡張させることで周囲の神経を刺激するためだと考えられています。こうした不調を改善する一番の改善策は、アセトアルデヒドを一刻も早く体外に排出させること。そして、拡張した血管を元に戻してあげることです。
二日酔いを改善するコーヒーの飲み方
コーヒーには、そのどちらにも作用する働きがあります。まず、優れた利尿作用を持つコーヒーを飲むことは、アセトアルデヒドが尿として排出されるのを促進します。加えて、カフェインには血管を収縮させる働きがあり、拡張した血管を元に戻すことで頭痛の改善に期待が持てるのです。
さらに、こんなひと工夫もおすすめです。ぜひ、いつも飲むコーヒーをカフェオレやカフェラテ、カプチーノなど、牛乳をブレンドしたものに変えてみてください。二日酔い時は胃腸の働きが低下していることが多いので、ミルクを加えてあげると、肝機能や疲労の回復が助けられ、より効果的です。
上司にイラついたらミルク入り
わけもなくイライラしたり、落ち込んだり、といった場面でも「コーヒー+牛乳」の組み合わせが吉と出ます。牛乳に含まれるアミノ酸の一種「トリプトファン」が、俗に幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促してくれるからです。イライラを抑えたいときに、力を発揮してくれるでしょう。
トリプトファンの摂取量の目安は、成人(体重 60kg)で1日に約120mgとされていますが、精神状態が気になる場合は少し多めくらいがいいでしょう。魚介類や肉類、豆類などにも多く含まれますが、牛乳は100mℓあたり約40mgとダントツ。コップ1杯分(約200mℓ)で、約80 mgものトリプトファンを摂ることができます。
また、カルシウム摂取の観点からも、コーヒーに牛乳はおすすめです。牛乳100mℓあたりのカルシウム量は約110mgで、その含有量は食材の中でもトップクラス。カルシウム不足は骨密度の低下による骨粗鬆症や、大腸がんの増加など、あらゆる病気の原因となります。
カルシウムの1日の推奨量は、成人男子で800mg、成人女子で650mgです。
意識して摂っていないと不足しておかしくありません。そして、カルシウムは骨や歯を丈夫にするだけではなく、筋肉の収縮や血液の凝固、神経の情報伝達にも不可欠な成分です。
忙しくてあまりバランスのよい食事を摂れていないという人は、普段のコーヒーにミルクを加えてアレンジしてみてもいいかもしれません。
砂糖を入れるなら、白より黒
人間の脳は非常に重要な場所であり、血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)という脳と外部との関所を返して、物のやり取りが行われています。ですから、いくら「栄養源」と言えども簡単には脳内に入り込むことはできず、その中で唯一、砂糖(ブドウ糖)がスムーズに活用されるのです。
このように、脳と糖は、切っても切れない関係です。血液中にある分解された糖分(ブドウ糖)は全身のエネルギー源となりますが、その20 ~25%を脳が消しています。働くビジネスパーソンは、常に最善の思考能力を維持するためにも、血糖値(血液中の糖分)を維持し脳の栄養不足を招かぬようにすることが求められるのです。
ただし、エネルギー源だからと言って、糖分の摂り過ぎは血糖値を増やし過ぎることで病気の原因にもなりかねませんし、また、血糖値の急上昇が起こると反動で低血糖状態(血糖値の低下)が生じ、脳や精神状態に悪影響になることもありますから、要注意です。「砂糖」と一言にいっても多種多様。カロリー数も違えば、含まれる栄養分にも差があります。
黒砂糖と白砂糖、どこが違う?
まず、見た目がはっきりと違う「白砂糖」と「黒砂糖」。色に大きな違いはありますが、この2つの材料は一緒。基本的にはサトウキビやサトウダイコン (テンサイ)が使われます。これらから絞り出された「粗糖液」から不純物を 取り除き加熱すると砂糖の結晶ができあがります。この時点ではまだ「密糖」という成分が含まれており、これを分離させ砂糖の結晶のみにしたものをさらに精製していくと「白砂糖」ができあがります。
一方、「黒砂糖」は粗糖液から不純物を取り除き煮詰めだけであり、「密糖」を始めとするミネラルが豊富に含まれたままの状態です。白砂糖が糖度98前後に比べ、黒砂糖は80~86前後とマイルドな甘さですが、独特な味わいを持ち、また、血糖値の急激な上昇を招きにくいとも考えられます。
つまり、白砂糖は甘味の調整やエネルギーを補給するという意味では良いかもしれませんが、栄養面やダイエットのことを気にするのであれば、黒砂糖が断然おすすめ、というわけです。
コーヒーショップにもよりますが、白砂糖でもカラメルやメープルの成分を混ぜたザラメ糖やハチミツなど、砂糖のラインナップは意外と多いものです。コーヒーを活かすも殺すも、あなたの砂糖選びにかかっているかもしれませ
ん。
「朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる」(著:馬渕知子)より
『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』 (クロスメディア・パブリッシング) |
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