血糖値と肥満の関係とは?
健康診断の血液検査でもよく見かける「血糖値」。血糖値とは、血液の中に含まれるブドウ糖の濃度を表す値のこと。血糖値は、食事をすれば上昇し、インスリンがすい臓から分泌されます。このインスリンの働きによって、食後2時間もすれば元の値に戻るのです。
このように、血糖値を正常な値に戻してくれるインスリンですが、余ったブドウ糖を脂肪として合成して体に蓄える働きもあります。つまり、血糖値が急激に上昇し、大量にインスリンが分泌されると、脂肪がつきやすくなるのです。そうなると、肥満につながるだけではなく、生活習慣病などの病気に発展し、心臓病などのリスクも高まってしまいます。こうなってしまうと、仕事に集中して取り組むことが難しくなってしまいますよね。
血糖値を急激に上げないための方法
血糖値を急激に上昇させないための方法は、いくつかあります。すぐに取り組むことができておすすめなのが、「食事の間隔を空け過ぎないこと」と「野菜を先に食べること(ベジ・ファースト)」。特に、野菜を先に食べる方法は、血糖値を上げやすい炭水化物を後に回すことで、効果的に血糖値の上昇を防ぐことができます。
しかし、この方法では、満足できない人もいることでしょう。「ごはん、パン、パスタ…炭水化物が大好き!」という人たちです。このような人たちにとっては、炭水化物を後回しにする「ベジ・ファースト」では、炭水化物を好きなだけ食べることができないので、不満に思うかもしれません。
炭水化物好きのための「低GI食品」とは?
先ほど触れた「ベジ・ファースト」の効果からもわかるとおり、食べ物には、野菜のように血糖値の上がりにくい食べ物と、ごはんやパンのように血糖値の上がりやすい食べ物があります。それを見分ける目安となるのがGI(グリセミック・インデックス)です。
GIとは、簡単にいえば、食品を食べた後の血糖値が上がるスピードを表した数値のこと。ブドウ糖を摂取したときの血糖値の上昇率を100として、その他の食品の上昇率を相対的に表しています。
つまり、数値が100に近いほど、血糖値が上がりやすい食品ということ。
それでは、食品を具体的に見ていきましょう。たとえば、白米のGIは81、じゃがいものGIは90で、炭水化物は一般的に値が高めです。
ところが、中にはGIがそれほど高くない炭水化物もあります。それが玄米や雑穀ごはん。いずれもGIは55しかありません。
実は炭水化物の場合、白い食べ物よりも茶色っぽい食品のほうが、GIが低い傾向があるのです。うどんのGIは85ですが、そばは55ですし、食パンは、91ですが全粒粉パンは55、ライ麦パン58です。
また、パスタのGIも65で、炭水化物では比較的低いほうです。うどんや食パンと同じ小麦粉でできているパスタのGIが低めなのは、原料となるデュラムセモリナという小麦に秘密があります。デュラムセモリナは、普通の小麦よりも硬く、粉にしても粒子が粗いので、消化吸収に時間がかかり、血糖値の上昇が抑えられるのです
もし主食を選ぶことができるなら、「白米より玄米」など、白いものより茶色っぽいものを選びましょう。血糖値が上昇しにくいので、ダイエット中でも安心して食べられます。
炭水化物以外にも、GIを食材選びのひとつの参考にしてもよいでしょう。たとえば、野菜でも、にんじんやとうもろこし、じゃがいもやかぼちゃなどは、糖を多く含むため、GIは高くなります。また、ヘルシーなイメージがある果物の中にも、GIが高いものがあるので要注意です。次の表を参考にしてみてください。
乳製品と一緒に食べてGIを下げよう!
また、このほかに、「他の食品のGIを下げる効果のある食品」もあります。お酢や、チーズ・牛乳といった乳製品です。
たとえば、コーンフレーク+牛乳、チーズトースト、ポテトグラタンなどのように、主食やじゃがいも、かぼちゃなどのGIが高い食品と、乳製品などを一緒に食べるようにするといいでしょう。
炭水化物好きな人も、そうでない人も、食品それぞれのGIを意識しながら食事をすると、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。食事の間隔を空け過ぎないことと、野菜から食べることの2つに加えて取り入れたいですね。
GIがわからない場合は、「白いもの」より「茶色いもの」を選ぶように心がけ、高GIの食品はGIを下げる乳製品と一緒に取ることで、炭水化物の無理な制限をしなくてもよくなるので、ストレスも減らすことができます。
GIを意識して血糖値が急激に上がるのを防ぎ、健康を維持して仕事に集中できる体を整えましょう。
「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(著:道江美貴子)より
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