「はたらく人のコンディショニング事典」(著:岩崎一郎、松村和夏、渡部卓)より
恋愛は仕事の妨げになる?
仕事の妨げになるから恋愛は必要ない。
そんな言葉をよく聞きますよね。
しかし、本当に「恋愛は仕事の妨げになる」のでしょうか?
確かに「仕事と私、どっちが大事なの?!」なんて言われてはたまりませんが、実は、恋愛は仕事にいい影響も与えるのです。
良い恋愛は仕事にも良い
恋には脳の反応速度を上げるパワーがある。
これを立証する研究データがあります。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学者グラフトン博士らは、研究によって、恋と脳の興味深い関係性を発見しました。
この研究の際、彼らは次のような実験をしました。
・研究対象は20歳前後の女性36名
・画面に表示された単語が英語かどうか見分けてもらう
・単語の表示時間は1000分の26秒(何も表示されていないように感じる秒数)
本来、何も表示されていないように感じるはずですが、英語かどうか判断するまでの時間を測定すると面白いことがわかりました。
単語を表示する直前(0.15秒前)に、その女性が恋している男性の名前を1000分の26秒だけ表示してみせると、単語を判断するのにかかる時間が0.03秒ほど速くなったのです。
男性の名前が表示されるのはほんの一瞬なので、もちろんテストを受けている女性陣はそのことに気がつきません。
にもかかわらず、反応速度は上昇。
単なる友人の名前では効果がなく、このような違いが出たのは恋人の名前を表示させた場合だけでした。
さらに、恋人の名前を表示させているときの脳内の動きを調べると、「紡錐状回」や「角回」といった大脳新皮質領域に加え、やる気やモチベーションに関わる脳深部が活性化していることがわかったのです。
いい人間関係は脳機能を高める
良い恋愛には、このように脳機能を高める効果があるようです。
でも、これは恋愛に限った話ではありません。
とても良好な人間関係、家族や友人、職場の同僚、上司、部下など、パートナーシップ全般に言えること。
いい人間関係は総じて脳機能を高めると言われています。
仕事に追われ余裕がないときこそ、大切な誰かを思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
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