こちらの記事は週刊女性PRIME(運営:主婦と生活社)の提供でお送りします。
「ダラダラとスマートフォンをいじってしまう」、「次から次へとやることがたまってしまい、やる気が起きない」、「いつもやることがギリギリになってしまう」などなど。ストレスの多い現代人にとって、テキパキと動くことや、積極的に行動することは至難のワザ。「どうせ私には無理なことだし」なんてあきらめている人も多いかもしれませんが、実はその悩み、修正できるんです!
「すぐに行動に移せなくなっているのは、その人の“性格”や“やる気”とは関係ありません。脳が“すぐやる”モードになっていないからです。自分の脳がどうすれば動きやすくなるのかを考えればすぐできるようになります」
と話すのは、10万部を突破した話題の書籍『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』の著者であり作業療法士の菅原洋平さん。
「よしやるぞ!」と、気合や感情のスイッチを入れるのではなく、脳の仕組みを理解して、合理的に脳を使うことこそ、スムーズに次の作業に移れるポイント。
というわけで、菅原さん監修のもと、すぐできるようになるための脳のつくり方を紹介します。まずは、私たちはなぜ、すぐ行動できない理由をひも解きます。
私たちはなぜ、すぐ行動できないの?
なぜ、すぐに行動ができないかというと、「脳」と「身体」が上手に連携がとれていないから。たくさん情報があると脳はパンクぎみになり、判断が鈍ります。その結果、脳から明確な指令を得られない身体はどうしていいかわからず、動けなくなってしまうんです。
ここでは脳と身体の連携を妨げる主な原因を紹介。まずはすぐに行動ができない要因を知ることが、ナマケモノから脱皮するファーストステップ! 理由をしっかり把握して、実践編に備えましょう!
【1】上手な睡眠ができていない!
脳を効率よく働かせる大前提として、十分に睡眠がとれていることが必要。睡眠は疲れを取る以外に、翌日のパフォーマンスを向上させるためにすべきことでもあります。上手な睡眠というと、早寝早起きをイメージしがちですが、夜型の生活であれば、夜型なりに生体リズムを整えればOK。人はそれぞれ体内時計と呼ばれる一定の規則性(リズム)を刻んでいるから、それを意識して。例えば、夜に働き、お昼の13時に起床する人であれば、13時が自分にとっての「朝」になるように生体リズムを作りましょう。次に公開する記事内で紹介している『4-6-11の法則』を取り入れれば、睡眠の質が向上します!
【2】脳にウソをついている!
「今日は家じゅうキレイにしよう!」「午前中に20キロ走ろう!」と高い目標を立て、やれるかどうか疑わしい自分に対して、言い聞かせているのだとしたら、それは脳にウソをついているということ。できると口に出したことが、“実際はできなかった”となると、脳はそれを記憶します。高い目標を掲げるたびに、脳は“できなかった自分”の行動を命令することにつながるわけ。この悪循環が「結局、自分は何もできていない」という否定となり、行動できない重しになってしまうのです。
【3】「問題が起きたら対処しよう」という考えが強い!
「疲れたら栄養ドリンクを飲んで何とかする」など、問題が起こってから対処する発想を持っていることは、問題そのものの解決から目を背けていることと同じ。“すぐやる”モードに必要なことは、「問題が起こらないようにする」という発想。できない状況になってから、「やらなきゃ!」と自分を奮い立たせるのは、誰にとっても至難のワザ。だから、その前の段階で脳を“すぐ動ける状態”にコントロールすればいいんです。
【4】SNSなど他人の情報に感化されている!
今やインスタグラムやフェイスブックなどのSNSを利用することは当たり前。ところが、これが大きな落とし穴! SNSは知人や友人とつながれる一方で、見たくもない友人たちの写真を見る機会にもなるわけです。その写真の中には、彼女たちの“イケている写真”や“何かを成し遂げた写真”も多数含まれているはず。実は、他人の「できた」を脳に見せると、「自分以外の人はどんどん達成している」と感じ、ますます自分は動けなくなってしまうのです。承認欲求のツールともいえるインスタグラムなどは、他者の「できた」アピールが激しいため、知らないうちに自分の脳に負荷をかけていることに。腰が重いときは、SNSを見ないことを心がけましょう!
【5】「私は〇〇なタイプ」と思い込んでいる!
「切羽詰まってから土壇場でやるタイプ」「せっかちなので最初に手をつけるタイプ」など、自分で自分のタイプをあてはめている人は少なくないはず。でも、そんなタイプはそもそも存在していないんです。夏休みの宿題を夏休み終了間近で終わらせていた人は、「私はギリギリになれば動ける」と思うかもしれないけど、それは自分の脳に都合のよい情報を与えているだけ。同様に「がんばらなきゃ!」と自分を追い込むこともNG。勝手に思い込んでも脳はうまく機能しないもの。いかに自分の脳を「すぐできる」ように仕向けられるかが大事なのです。
※「すぐ動けるようになる脳の使い方 4つのポイント」は次に公開する記事でご紹介します
<教えてくれたひと>
菅原洋平さん
すがわらようへい/作業療法士。ユークロニア代表。民間病院精神科を経て、国立病院機構で脳のリハビリテーションに従事。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で展開し、その活動はテレビや雑誌などでも注目を集める。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』(文響社)をはじめ著書多数。
当記事は「週刊女性PRIME」(運営:主婦と生活社)の提供記事です。