眠くなってから寝ることが重要
睡眠効率を上げるためには、眠くなってから寝ることが重要です。睡眠効率は横になっている状態と実際の睡眠時間の割合で決まるので、横になってからすぐに眠りにつくことができれば睡眠効率は上がります。眠くもないのに早くから横になっていると「眠れない」と感じる時間が長くなり、それがストレスになってしまうこともあります。
「睡眠時間は7時間とらなければならない」というような固定概念に縛られて、眠くもないのにベッドに入るより、無理に横にならずにしばらく起きていた方がよっぽど健康的です。なかなか眠くならないときには、カフェインやアルコールの摂取など体に刺激を与えることを避け、リラックスして過ごしながら、自然と眠くなるのを待ちましょう。
朝型人間と夜型人間の違い
ところで、朝に強く早起きが苦でない人もいれば、反対に朝に弱く夜更かしの人もいますよね。朝型と夜型……この違いは、どこからくるのでしょうか?
私たちの体には、「サーカディアンリズム(既日リズム)」という24時間周期の生体リズムが備わっています。実はこれ、人によって長さに差があり、その違いが「朝型夜型」を分けているのです。
米国ハーバード大学のダフィー博士らが行った実験をご紹介しましょう。
彼らは17名の若年被験者を、外部から隔絶された特別な部屋で生活させました。この部屋は、光量や室温などの環境が一定に制御されており、環境による生体リズムへの影響はみな一定です。その上で、各人が持っているサーカディアンリズムの周期を測定し、それぞれの「朝型夜型」傾向について調べました。
その結果、「サーカディアンリズムの周期が短いと朝型」の傾向、反対に「長いと夜型」の傾向があることがわかったのです。
サーカディアンリズムの周期が短い人、つまり、体内リズムが24時間よりも短い人は、日を追うごとに眠くなる時間が早くなるので、自然と早寝早起きになります。たとえば、体内リズムが23時間50 分の人は、1日目は24時に、2日目は23時50分に、3日目は23時40分に眠くなってしまう。反対に、体内リズムが24時間よりも10分長い人は、1日目に24時、2日目に24時10分、3日目に24時20分と、自然と遅寝遅起きになってしまうのです。
もちろん、朝型か夜型かを分ける要因には、「仕事の関係で早朝から働かなければならない」「深夜まで起きていなければならない」といった社会的要因、生活習慣に関わる部分もあります。しかしそれ以前に、こうした生物学的な要素が関係しているのです。
あなたは朝型体質? それとも夜型体質?
自分が朝型なのか夜型なのか気になった方には、英国ラフバフ大学のホルネらによって作成された「朝型夜型質問紙」という調査票の利用がおすすめ。「日常生活において、どの時間帯により効率的に力を発揮できるか」について19項目の質問に答えることで、朝型と夜型の傾向を判断できます。
国立精神・神経医療研究センターのサイトで公開されているので、一度覗いてみては。