仕事のパフォーマンスを上げるのに不可欠なのは、良質な睡眠だ。しかしそれを妨げるのは「不安」や「緊張」である。
「明日起きられなかったらどうしよう」「早めに出社してプレゼンの準備をしなければ」
こういった意識や感情が心身の「安心」を損ね、眠りの質を低下させる。心地いい眠りのために必要なのは「安心感」だからだ。
では、「安心して眠る」状況をつくりだすために必要なのは何か。一流が通う“疲労回復専用ジム”ZERO GYM(ゼロジム)は、「寝る直前の仕込み」がポイントだという。
この記事では、ZERO GYMの著書『エグゼクティブ・コンディショニング』から、寝る前の三大準備のうちの一つを紹介する。
脳の戦闘モードを遮断! 『スクリーン門限』
すでにご存知の方も多いかもしれませんが、最重要事項がこちら。
「寝る1時間前からは、テレビやパソコン・スマートフォンなどのスクリーンを一切見ない」ということです。
ニュースサイト『ハフィントン・ポスト』の創設者として知られるアリアナ・ ハフィントンさんは、睡眠を犠牲にして働いた結果、著しく心身を壊した経験 から、睡眠について深く学び、著書『スリープ・レボリューション』を上梓しました。彼女は、いい仕事をするためには良質な睡眠をとることが必須であり、 そのために、寝る前にスクリーンを見てはいけない、寝室にスマートフォンを 持ち込むなどもってのほかである、と語っています。
スクリーンが発する光は、眠りの質を下げ、睡眠リズムを狂わせることが、さまざまな研究から明らかになっています。
「あ、部下から大事なメールが来ている!」 「明日の会議で使えそうなニュースだ!」
ましてや、その中身が刺激的な情報や仕事の情報など、心身が興奮したり、ス トレスを感じてしまったりする内容なら、もう手がつけられません。
そんな状態から「寝ろ」と言われても、仕事に熱心なビジネスパーソンほど簡単にはいかないでしょう。そして、一度心身が覚醒モードに入ってしまうと、「寝なくては!」と焦れば焦るほど、なかなか眠れない状態が続いてしまいます。
スクリーンを遮断するメリット
スクリーンを遮断することのメリットをまとめると、次の3つになります。
・ブルーライトによる体内時計の乱れを防止
・仕事からの完全シャットダウンで仕事の意識から解放
・自分から情報を探しに行かないことで脳の働きをストップさせる
1つずつ説明していきましょう。
・ブルーライトによる体内時計の乱れを防止
ブルーライトはとても強いエネルギーを持っており、網膜まで到達してしまいます。パソコンやスマートフォンなどの LED ディスプレイ、LED 照明には、ブルーライトが多く含まれており、夜間に浴びると、眠気を引き起こすメラトニンの分泌が減少し、体内時計を狂わせ、睡眠の質を下げる原因になります。 また網膜だけでなく、皮膚も光を感知し、悪影響を与えるとされています。
・仕事からの完全シャットダウンで仕事の意識から解放
心身のリラックスをつくるには、自分が緊張するものをベッドに持ち込まない、ということが重要です。特に気をつけたいのが、スマートフォン。寝る前の気晴らしのつもりで触っていても、仕事のメールや情報が飛び込んできてしまい、つい開けてしまう、ということがよく起きがちです。目につかないところに置くか、電源を切っておきましょう。電源を切ったとたんに、ホッとする感覚がある、という方もいます。
・自分から情報を探しに行かないことで脳の働きをストップさせる
仕事中は、常に自分から発信したり、積極的に情報を探しに行っているため に、体も意識も戦闘モードになっています。それを一旦受信モード、ただぼーっと受け取る側に回り、戦闘モードをぷつっと切ってしまいましょう。
スクリーンを見る代わりに紙の本を読もう
スクリーンを見ない代わりに、何をすればいいか。一番お勧めは紙の本を読むことです。過剰な光が目に入ってこなくなり、かつ「ただ活字を追う」ことで情報の受信モードに切り替わり、自然な眠りを誘ってくれます。どうしても紙の本は慣れないという方は、 Kindle Paperwhiteなどの、ブルーライトをほとんど発しない端末を活用するのも手ですね。
とはいえ、くれぐれも自分の仕事に関するものは読まないこと。小説やエッセイ、趣味の本、刺激的過ぎないノンフィクションなどは、仕事モードを緩めてくれるのでお勧めです。
もし、寝る前たった1時間でもスマートフォンに触れないことで不安になるようなら、それこそあなたが「スマートフォンに支配されている」サイン。
当記事を読んでくれている方は、スクリーン門限の重要性は重々承知のことかもしれませんが、何より大切な必須条件ですので、あえて説明しました。すでにできている方は継続を、あまりできていない方はこれを期に習慣化してください。
最高の仕事パフォーマンスが持続する! 一流が通う疲労回復ジムのメソッド
①安心して眠る
②重力に逆らう
③意識を操る
④食事を革新する
4つのメソッドで、体・心・頭が軽くなり、朝の目覚めがスッキリ爽快に変わる!
なぜエグゼクティブは、日々ハードワークをこなし、結果を出し続けることができるのか? その秘密は、日々の「コンディショニング」にあった。この本では、一流が通う疲労回復専用ジム・ZERO GYMが開発した、「毎日の仕事の準備」として取り入れるべき究極のコンディショニング法を大公開!
この本を読めば、見る見るうちにあなたのコンディションは引き上がり、朝スッキリと目が覚め、最高の一日のスタートを切れることだろう。今、あなたの体は劇的に変わる。
ZERO GYM『エグゼクティブ・コンディショニング』目次(一部抜粋)
【序章】体調:最高のコンディションとは
・爽快な朝の目覚めを基準にする
・キーストン・ハビット(要の習慣)を見つける
・バイオリズムを整える
【1章】睡眠:安心して眠る
・睡眠は寝る直前の仕込みで決まる
・脳の戦闘モードを遮断! 『スクリーン門限』
・コリ解消&リラックス効果抜群! 『ウサギのポーズ』
・睡眠に最適な姿勢をつくる! 『胸開き』
コラム 午後のパフォーマンス最大化には「パワーナップ」
【2章】運動:重力に逆らう
・コンディションに重要なのは滞らせないこと
・下半身の筋肉が最重要!
・時短&簡単&効果最大! 『5秒スクワット』
・スクワットのレベルアップ! 『ハイランジ』
コラム 姿勢改善のカギ。あなたはブリッジできますか?
【3章】呼吸:意識を操る
・呼吸こそ、心身を整える最高のルーティン
・呼吸をコントロールするカギ~Doの呼吸とBeの呼吸~
・タクティカルブリージング(戦術的呼吸)
・意識をパノラマ的に広げるトレーニング:木のポーズ
・マインドフルネスで常に呼吸を意識し続ける
コラム ゾーンも呼吸でつくれる? いい集中と悪い集中
【4章】食事:食事を革新する
・血糖値を制するものは食事を制する
・食事アップグレードのカギ『白いものを減らす』
・食事アップグレードのカギ『食物繊維を足す』
・食事アップグレードのカギ『お味噌汁を足す』
コラム 朝食を抜くと生産性が上がる? 朝断食のススメ
【終章】習慣化:よりよい自分に変わっていく
・ヨガ哲学に学ぶ、習慣を変える方法
・修習と離欲
・ポジティブ・アプローチ
・相談できるパートナーを見つける