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肉食中心の食生活っていいの?ハム・ソーセージ類や缶詰は添加物に注意しよう。

「忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」(著:杉本恵子)より

肉食中心の食生活は身体にいい?

medium roast rib-eye steak isolated on white background

最近、炭水化物の摂り過ぎは糖質が摂取オーバーになるので、控えたほうがいいという考えが浸透してきましたね。特に男性ビジネスパーソンの中には「肉食中心のほうが太らず、エネルギーになる」と考える人も少なくないようです。

たしかに肉類をしっかり食べることは大切ですが、「肉しか食べない」という考え方はあまりお勧めできません。

肉と一緒に食べるべきものは食物繊維

肉を食べるのであれば、その分だけ食物繊維の豊富な野菜や海藻類も摂ったほうが腸内環境も良い状態に保てますし、生活習慣病の予防にもなるからです。

肉類が重要なのは、自分自身でつくり出すことのできない必須アミノ酸が含まれた動物性タンパク質が豊富な点にあります。人間の体の髪の毛も皮膚や筋肉、血管もタンパク質でできているわけですから、タンパク質を摂らないと身体がボロボロになります。

とはいえ、肉類を摂るときには「脂肪」の問題が切り離せません。脂肪の取りすぎは良くないというのは多くの人が知っていますが、大事なのは脂肪の中の「脂質の種類」だという点は、まだまだ知らない人も多いのです。

肉類の脂肪には飽和脂肪酸が多いものと不飽和脂肪酸が多いものがある

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

大きく分けると、脂質には常温で固まるものと固まりにくいものがあります。牛肉の脂肪からつくる「ヘット」と呼ばれる油は固まる油。ステーキ肉などを買うと、一緒に白いサイコロ状の油が付いてきますが、まさにその油です。

豚肉の脂肪からつくられる「ラード」は「ヘット」に比べると溶けやすい油です。上質のラードは「不飽和脂肪酸」が多く含まれていて、見た目にも透明感がありますが、牛肉の脂肪からつくられる油は「飽和脂肪酸」が多く、見た目も白いクリーム状になっています。

豚肉の不飽和脂肪酸は体内に蓄積されにくい

raw meat

どちらの油のほうが身体に負担にならないかといえば、やはり「不飽和脂肪酸」です。なぜなら固まりにくく溶けやすい性質なので、体内に蓄積されにくいからです。

牛肉と豚肉で言えば、豚肉のほうが身体にいい脂質が含まれているということですね。

筋肉を増やしたいという場合は、高たんぱく低カロリーの鶏肉のササミがお勧めですが、日常的によく食べるというなら、やはり豚肉です。

豚肉の加工食品ハム・ソーセージには添加物が多いものがある

Assorted meatworks products including ham and sausages isolated on white

豚肉の加工品で代表的なものはハム・ソーセージですね。しかしハム・ソーセージ類は添加物だらけだから身体にとってよくないものなのでしょうか?

たしかに市販のハム・ソーセージ類の表示を見ると、たくさんの添加物が入っていることがわかります。

中でも広く使われている「リン酸塩(Naナトリウム、カリウムなどの表示をされることもあります)は、ハム・ソーセージの食感を浴するためのもの。もともとお肉は加熱すると水分が失われてしまいます。

そうなると、ボロボロのパサパサした食感になり、結着性もよくありません。

そこで保水性や結着性を高め、ハム・ソーセージらしい弾力やジューシーさを出すために「リン酸塩」が使われるわけです。

「リン酸塩」が使われていなかった昔のハムなどは、逆に包装を剥いていくとボロボロと崩れたものでした。

ほかにも発色を良くするための「亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)」も、いかにもハム・ソーセージといった見た目をつくり出すだけでなく、ボツリヌス菌などの食中毒菌や腐敗防止のために使われています。

添加物は食物繊維を一緒に食べて体内から排出しよう

Fruit and vegetable variety, water droplets visible at 100%.

これらの添加物の入っていないハム・ソーセージを食べようと思ったら、手づくりするのが一番ですが、あまり現実的ではありません。食べないわけにもいかないとなれば、できるだけそうした添加物を体内から排出できるような食べ方をするほうがいいでしょう。

そのためにも、ハム・ソーセージ類を食べるときは、一緒に食物繊維を摂ることが重要になってきます。

缶詰のランチョンミートは調味料代わりに使えて便利なアイテムです

缶詰のランチョンミート(スパムなどが有名です)も添加物は使われていますが、すでに油や塩分も多いので、調味料代わりに使うのであれば、そこから更に余計な油や塩分を使わずに簡単な料理がつくれるので独り暮らしのビジネスパーソンにはいいかもしれません。

野菜とランチョンミートを一緒に炒めるだけで、味付けをしなくても一品ができてしまいます。

缶詰はビジネスパーソンの強い味方

おつまみ用の缶詰が人気になりましたが、一般的な缶詰もビジネスパーソンの食生活には利用価値が大。鮭や鯖の缶詰などは、骨もそのまま食べられるので栄養素も豊富。

野菜サラダの上にそのまま載せればドレッシングを使わずに食べることができますし、味噌汁の具などにも使えます。

缶詰も野菜サラダもコンビニで手軽に手に入るので、忙しいビジネスパーソンこそ缶詰を取り入れたようがいいと思うのです。

そのときに気を付けてほしいのは、ドレッシングをさらに追加しないこと。缶詰についている味は、それだけで十分濃い味なので、そのタレをドレッシング代わりにつるのがポイントです。

どうしても物足りないかなと思ったら、黒コショウなどをちょっと振りかけると味が違います。

やはり、肉やハム・ソーセージ・缶詰の魚など中心で炭水化物を摂らない食べ方は「糖質をとりすぎないからヘルシー」だという考え方は少し違いますよね。

食物繊維と上手く組み合わせていろいろな食材をバランスよく食べることをおすすめします。

 

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