「顎がゆるめば、不調は改善される」(著:滝澤聡明)より
唾液を増やすためには、よく噛んでマッサージを
ストレスで一時的に唾液の分泌量が減っているときや、普段から唾液の量が少ない場合、その量を増やす方法はいろいろあります。
まずは基本的なことですが、よく噛むこと。
ガムを噛んだり飴を舐めたりすることで唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。
歯の健康のためには甘味料の入ったものは極力避け、歯科医院などで購入できるキシリトール入りのガムを利用することをお勧めします。
それから、マッサージで唾液腺を物理的に刺激してあげるのも有効です。
唾液腺とは、顎の下にある「顎下腺(がっかせん)」、
舌の裏側にある「舌下腺(ぜっかせん)」、
耳の下から顎下腺の間の「耳下腺(じかせん)」の3つ。
それぞれ指や掌を使ってやさしくマッサージをすれば、それぞれのリンパ腺に刺激が伝わって自然と唾液が分泌されます。
舌下線は指ではなく舌の先で刺激してもOK。
口の中にじわっと唾液が広がっていくのを実感できるはずです。
これなら仕事中でも家事をしていても、気になったときにすぐ実践できるので、一番手軽な方法かもしれませんね。
また、当院では表情筋を動かし、ストレス改善と唾液分泌を増加させる「口腔筋機能療法」という、舌と口を使った運動を患者さんに勧めています。
いろいろな方法がありますが、どれも簡単な動きでできるので、ぜひこちらも試してみてください。
唾液を増やすマッサージ方法3つ
◆ ポッピング法──舌下線を刺激する
①口を開けて、舌を上顎に吸いつける
②吸いながら後ろにズラす
③ギリギリまで後ろにスライドさせる
④ポンッと良い音が出るように舌を離す
①、②、③、ポンッ! のリズムで4秒かけて行う。①~④までを続けて10回行う
◆ 舌回転法──頬粘膜の小唾液腺を刺激する
①舌を歯ぐきと唇の間に入れ、ぐるっと回す
②1周終わったら、反対周り
8カウント(8秒)で1回転ほどのゆっくりとしたペースで行う。回すのがつらくなったらそこ
で回転を止める
◆ 空気法──頬粘膜の小唾液腺を刺激
①右頬だけに空気を入れて4秒、左頬だけに空気を入れて4秒静止
②唇の上に空気を入れて4秒、唇の下に空気を入れて4秒静止
慣れてきたら①②の動作を「プクプクプクプク」と4回膨らませる
ドライマウスには人工唾液スプレー
さらにこちらは最終手段かもしれませんが、唾液に近い成分の人口唾液のスプレーを使用する方法もあります。
歯科クリニックなどで販売されていることが多いですが、スプレーを口の中に直接噴射してうるおいを与えるというもの。
ドライマウスの治療を受けている方などは、こうしたアイテムに頼るのも1つの手段です。
いずれの方法も、習慣化することによって口の中がうるおっている状態を長くキープすることができます。
まずはガムや舌下線のマッサージなどから始めて、生活習慣にも合わせて自分のやりやすい方法を試してみましょう。
『顎がゆるめば、不調は改善される』 (クロスメディア・マーケティング) |