「相手を変える習慣力」(著:三浦将)より
承認がきっかけで、ホームレスが人気講演家に!
著書の中でメンタルコーチとして大成功を収めている講演家の話がありました。
講演家として、世界規模の講演の舞台も経験しており、講演となれば、すぐに数百人が集まり、受け切れないほどの様々なオファーが次々と殺到している、こんな方が実は、
実は数年前はホームレスだったのです。
その方は、かつて生死をさまようような大事故を経験したこともあり、そのときの障害のためもあり勤めていた職場では、理不尽な差別も受けたと言います。
ホームレスになるような奴、仕事が捗らない奴、この職場にいらない奴、人間として価値のない奴。職場での容赦ない言葉が、その方の勇気をくじきまくっていました。
しかし、ある職場では、そんな 状況である、この方をしっかりと受け止めてくれている人がいたのです。その人と一緒にいる時だけは、自分の存在を認められている感じがして、本音を素直に伝えることができたそうです。このたった 1人の存在が、生きる勇気を与えてくれたのです。
そしてある日誘われたセミナーに参加したことがきっかけで、人生が急激に変化していったそうです。自分が生まれ変わってきていることを実感できる日々が続くようになったそうです。このように、彼の可能性と根本にある彼の本当の素晴らしさを信じ、承認し続けてくれた人がいたことが、その無限の可能性を開花させたのです。
この方を変えたのは、そのセミナーではないと思います。それは、彼を信じ続けてくれたたった 1 人の存在だった、その人に他なりません。心からの承認と勇気付けの行為。これらさえあれば、目の前の人は変わっていくのです。
“承認“の方法とは? ダメ出しからの脱却
さて、皆さんは、相手を変えたいと思うとき、あなたはどんなことをするでしょうか?
または、どんな風に考えるでしょか?
◦「あなたの○○○な点は問題だから、変えた方がいい」
◦「あなたは人に△△△な態度を取るから、直した方がいい」
◦「あなたは怠け者だから、ちゃんと勉強(仕事)をして欲しい」
例えばこんな感じでしょうか。ついこんな感じに思ってしまいますよね。
しかし実は、こう言った考え方に目の前の相手が変わらない根本的な原因があるのです。
相手を変えようとするメッセージが強ければ強いほど、実のところ
なかなか素直になれず、「あなたは変わるべき」というメッセージは、
相手にとっては、
「あなたはダメだから、変わる必要がある!」というメッセージになってしまいます。
仮にダメ出しをしている気持ちはなくとも、相手の潜在意識は、ダメ出しだと受け止めて、メッセージの送り手を「ダメ出しする人」と受け止めてしまう可能性があります。
だから、逆説的で、ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、
相手を変えたいのであれば、変えようとしないこと
このことが、この上なく重要なのです。
「そんなこと言われても、変えようとしなければ、相手は変わらないじゃないか」と思う気持ちもあるかもしれません。
では、どうしたらいいのか?
まず、相手を承認するのです。
「君は、今はたまたまこういう状態だけど、君の本質は可能性に溢れている」というような見方です。相手を変えようとする前に、相手をしっかり承認することによって、
相手はあなたのことを「認めてくれる人」、「勇気付けをしてくれる人」、さらには「気持ちをわかってくれる人」と感じます。そして、ようやく意識と潜在意識両方のレベルで、あなたのことを「安全な存在」とみなします。つまり、意識と潜在意識の境がゆるい状態が形成されるのです。
これが変化への大切な第一歩なのです。
相手の状態は、相手の本質ではない! レッテルを剥がそう
相手を承認しているというのは、相手の存在そのものを承認して、相手の可能性を信じていることになります。逆に、承認していないとは、相手の現在の状態にダメ出しをしていて、そのダメな状態が、その人の本質だと思い込んでいることです。これはまさにレッテルを貼っていることであり、これをはがすことが大事です。
最初から “ ダメな奴 ” はいないはずなのです。
相手の現在の状態と、相手の可能性と本来の存在を切り離すことはできると思います。
レッテルをはがし、その潜在意識に火を付ける。
そうして承認を続けることで相手が変わっていくのです!