「疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事」(著:柴崎真木)
主食のひとつ、麺類。あなたは何が好き?
主食といえば、ごはんやパン、麺類などがあげられますね。これらの中でも、さっと手軽に食べられる麺類は、好きな人が多いのではないでしょうか。駅のホームにある立ち食いそば、暑い夏に嬉しい冷やしそうめん、飲み会の後に食べると格別においしいラーメン…。おいしい麺類はたくさんありますね。あなたのお気に入りの麺類は何ですか?
しかし、麺類も食べ方によっては、身体を疲れやすくしてしまいます。今回は、麺類の中でも特にエネルギー効率があまりよくないラーメンに焦点を当てて、お話したいと思います。
みんな大好き。ラーメンはどのくらい食べられている?
次々に新商品が発売されるカップラーメンや、町のいたるところにラーメン店がみられるように、中華料理を起源とするラーメンも、今や日本を代表する国民食になりました。
ラーメン店の利用率についての、ベンチャー・リンクによる調査では、「ラーメン店をよく利用する、たまに利用する」と回答したのは、男女合わせて75%と全体的に高いことがわかりました。ラーメンは特に、30代から50代の男性に人気で、50代男性では週に1回以上利用するヘビーユーザーが18%もいるそうです。
ビジネスマンにとって、ラーメンとは、さっと食べられる手軽さや飲んだ後の〆の定番として魅力的な食べ物なのでしょう。お店で食べるだけでなく、安価で手軽につくれるインスタントラーメンも残業のお供になったり、休日のランチに利用したりすることもあるでしょう。
ラーメンはエネルギー効率が悪い!?
このように男女問わず人気の高いメニューであるラーメンですが、ラーメンばかり食べてしまうと、疲労感を覚えやすくなってしまいます。
ラーメンは麺がメインですから、炭水化物が多い一方、野菜のビタミンや肉などのたんぱく質が不足してしまいがちな食べ物です。ライスや餃子とセットにすることも多いと思いますが、このような食べ方をすると、さらに炭水化物量が増えてしまいます。
そのため、麺類を単品で食べると、ビタミンB1やビタミンB2などの、ビタミンB群の摂取量が少なくなってしまいます。ビタミンB1やビタミンB2は、炭水化物をエネルギーに変えるために必要な栄養素であり、これらが不足すると、炭水化物をエネルギーに変える効率が低下してしまいます。エネルギーが上手に生産できないため、疲労感を感じやすくなるというわけですね。
脂肪が多いラーメン。なんと午後の眠気にも影響する!?
また、ラーメンは脂肪が多く、消化に時間がかかることも問題です。食後は消化のために胃腸に血液が集まり、他の組織への血流量が少なくなるため、脳の血流量も少なくなり、酸素不足になってボーッとしてしまうのです。ですから、消化に時間がかかるラーメンを昼食に食べると、胃腸に血液が集中する時間が長くなり、午後の眠気を誘う原因の1つになります。
午後にたえられない眠気がしょっちゅうある人は、昼食がラーメン、うどん、パスタなどの麺だけの食事にならないようにしましょう。また、麺類ではありませんが、どんぶりものや菓子パンだけで済ませたりしないようにすることも重要です。このように、炭水化物や脂肪が多い単品メニューを避けることで、午後の仕事のパフォーマンスが向上するようになるでしょう。
また、飲んだ後の〆にラーメンを食べてしまうと、寝ている間も内臓が働くことになります。すると、アルコールの影響と、内臓が働いていることのダブルの影響で睡眠が浅くなるため、疲れはますますとれなくなります。
そばは単体でもバランスが抜群!おすすめは月見そば
そばは、そば自身に食物繊維が多いだけでなく、炭水化物をエネルギーに変換するために必要なビタミンB1やビタミンB2も多く含まれています。ビタミンB1やビタミンB2といった、炭水化物をエネルギーに変えるのに必要なビタミンが不足してしまうと、炭水化物を効率よくエネルギーに変えることができなくなってしまいます。炭水化物を体内でエネルギーにうまく変えられないと、エネルギー不足になり、疲れを感じやすくなります。
卵を加えた月見そばであれば、卵に含まれるたんぱく質が血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。また、卵はビタミンB1やビタミンB2も含んでいるので、エネルギー効率がますますよくなります。そこにねぎをたっぷり加えるとより効果的。ねぎには、ビタミンB1の吸収を助けるアリシンが多く含まれているので、効率よくビタミンB1を摂取することができます。
食物繊維を多く含むそばで疲れにくい身体に!
いかがでしたか?ランチにも飲み会の後にも、手軽に楽しめるラーメンですが、ラーメンばかりを食べるのは禁物。毎日の食事としてではなく、特別なときのお楽しみとしてとっておきましょう。ラーメンの代わりにねぎたっぷりの月見そばを食べることで、疲労感をためない身体に一歩近づきますよ。食物繊維やビタミンB1、ビタミンB2を一緒にとって、疲れにくい身体をつくりましょう。
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