MENTAL

積極的に捉えれば、人生の景色は変わる。

「自分を変える習慣力」(著:三浦将)より

自分自身に問いかけてみる

Thoughtful businessman sitting at the table over gray background and looking away

心の習慣は、豊かな感情が自然に出てくるような信念や価値観を培うことで、日々のストレスを軽減し、人間関係や未来への見通しをより明るくしていくものです。では、一体どうやるのか?キーはこの問いにあります。「その考え方、とらえ方は積極的か?」

何か出来事があって、自分の望まない感情がたくさん出てきたら、そのときあなたが持っている信念や価値観が何なのか確かめてみるのです。そして、それが積極的かどうか、次のように確かめてみてください。

・そのとらえ方は、人生をより良くするために積極的か?

・そのとらえ方は、生産的か?

・そのとらえ方をするとき、意識のベクトルは、自分だけに向いているか?

こんな投げかけをしてみると、あなたが持っている心情や価値観の正体がわかります。そして、それを変えたほうが得策だと思ったら、次はそれを自分の意思で変えていくこと。例えば、自分の中にある消極的なとらえ方が、「反論を言う人は、自分に敵意のある人である」だと分かったとします。これは、敵対関係をつくりやすいとらえ方で、生産的とは言い難いでしょう。人生をより良くつくり上げていくために、積極的とも言えません。

消極的なとらえ方は、ネガティブな視点を多く含み、周りや世間の常識を基にした決めつけや、自分自身や周りの人間への信頼の薄さが表れており、さらには未来への明るい視点が少ないことに特徴があります。

とらえ方は変えることができる

しかし、消極的なとらえ方は、あなた自身ではなく、後天的につくられたもので、後天的に作り変えることもできます。大事なことは、「信念や価値観は、事実とは違う」ということをちゃんと理解しておくことです。これらは良いも悪いも思い込みなのです。つまり、潜在意識の中にある思い込みをどうコントロールするか、ということが心を安定させ、日常レベルでストレスを軽減するキーなのです。

積極的なとらえ方は生産的

Two business partners working with laptop together

一方、積極的なとらえ方は、ポジティブで、柔軟性があり、自分自身や周りへの信頼感が感じられ、未来への明るい視点を持ちます。積極的なとらえ方は、とても生産的なとらえ方です。そして、最大の特徴は「自分を超えたものにもベクトルが向いている」という点にあります。

自分が会議で恰好悪いとか、恥をかくというところよりも、自分のまわりの人たちと会社のために、この企画をより良い形で表現したいというような点に意識が向いています。それゆえ、もしも他部署から多少キツイ発言があった場合でも、批判ではなく、良くするための意見として素直に受け取れるでしょう。

積極的なとらえ方に変えていくことを選択したら、次はこれまでのとらえ方をしていた自分をダメだとは思わないことです。これは、とても重要です。ダメを出し続けたままでは、ずっとそこに留まってしまいます。これまでそんなとらえ方をしていた自分にもOKを出すことで、変わっていくための勇気が自分の心の底に湧いてきます。

徐々に変えていく

Cheerful young handsome man keeping hands behind his head and looking away with smile while sitting at his working place

そして、重要なことは決して急激に変えようとしないことです。例えば、「反論を言う人は、自分に敵意のある人である」というとらえ方を、いきなり「反論を言う人は、愛すべき人である」のように変えようと思うと、あまりにも無理があります。すぐに挫折して、嫌になってしまうでしょう。

「反論を言う人の意見もたまには参考になる」とか「反論が聞けると、次からの対策になる」くらいから始めるといいでしょう。これくらいでも、意識のベクトルがずいぶん外向きになります。これを地道に習慣として定着させていくのです。

このようにまず、自分のコントロールが効くところから、ちょっと始めてみましょう。すると、それに徐々に影響を受けて、やがて相手やまわり、環境の方も変わっていくことを感じる日が来るでしょう。

思い込みをコントロール

とは言え、「そんなこと言われても、そういう風にとらえることが染みついているから、どうしようもないじゃないか」や「普通こういうふうにとらえるよね」などと言いたくなるかもしれません。しかし、信念や価値観は、それまでの経験によって生み出されたものであり、あなた自身ではありません。信念や価値観は心の習慣によって、より望ましい形にしていくことが可能なのです。

できることからやってみる

Man in suit fixing his tie.

「現状がどうであるか」よりも「現状をどうとらえるか」の方が重要です。「社会がこうなってくれたら」とか、「あの人がもっと変わってくれたら」などという気持ちは誰にでも出てきがちです。しかし、環境を変えようとしたり、相手を変えようとしたりするのは難しいです。なぜなら、それは私たちのコントロール外にあることが多いからです。だから、まず自分ができることからやってみる。それは、自分自身のとらえ方、考え方を物事がうまく運ぶ方向に積極的に変えてみることです。

 

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