「自分を変える習慣力」(著:三浦将)より
イチロー選手の成功の秘訣とは?
日本プロ野球史上最高の選手と言っても過言ではない男、それがイチローこと鈴木一朗選手。
イチロー選手は、特別に恵まれた体格を持った選手ではありません。屈強な体格を持つ選手が多く集まるMLBにおいては、むしろ最も小柄な部類に入るでしょう。
プロ野球に入った時も、決して「10 年に1人の逸材」的な言われ方、つまり「鳴物入」で入ったワケでもありません。1991 年のドラフトでは、実にオリックスからの4 位指名でした。
そんなイチロー選手がいかにして、ここまでの選手に成り得たか?
さまざまな要因があることでしょうが、今回注目したいのは、彼の「習慣力」です。
特別なことをするために、普段どおりのことをする
イチロー選手の「習慣力」を象徴するのが、彼のこの言葉です。
「夢をつかむというのは一気にはできません。小さなことを積み重ねることで、いつの日か信じられないような力を出せるようになっていきます。」
小学校の時代から、来る日も来る日もバッティングセンターに通い、小さなことを積み重ね続けたイチロー選手。
彼はこうも言っています。
「高校時代、毎日10分だけ素振りをしました。1 年365 日、3 年続けたそのことで、 たった10分がすごい時間に感じ、誰よりも継続したことで強い気持ちが持てるようになりました。」
そして、彼が教えてくれるシンプルで、最も重い言葉がこれです。
「特別なことをするために、特別なことをするのではない。特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことをする。」
当たり前のことをしっかりと習慣化し、絶え間なく行う。
彼の行動や発言の中に、習慣化に関する事項がいくつもあるのがわかります。
イチロー選手のルーティン
「無事これ名馬」と言いますが、イチロー選手ほど怪我をしない選手は珍しいと思います。実際に、彼が怪我で長期の離脱をした記録はありません。だからこそ、これだけの実績を残し続けており、40歳を越えてもメジャーリーガーとして活躍することができているのではないでしょうか。
そんなイチロー選手が日ごろ心がけているという4つの習慣をご紹介します。
①独特の素振り
イチロー選手は、バッターボックスに立つ前には、同じストレッチや、バットを縦に振るような独特の素振りを必ず行います。
テレビ中継やニュースなどで、イチロー選手がこれらのルーティンを行っているのを観たという方も多いのではないでしょうか。
このルーティンを行うことで、体やメンタルの調子を整え、パフォーマンスを上げるための”スイッチ”としているのでしょう。
②8時間睡眠
これも有名な話ですが、イチロー選手は必ず8時間の睡眠を取るそうです。この習慣も、怪我をしない体の状態を保つことに貢献しているでしょう。
③ストレッチ
また、イチロー選手の体は凄く柔らかい。腕を体の後ろに廻したとき、信じられないような位置まで腕が移動したりします。
本人によると、元々彼の体は柔らかい体質ではなかったそうです。実際に、オリックス入団当初は、むしろスポーツ選手としては、かなり固かったとのこと。しかし、普段からの弛まぬストレッチの習慣によって、人並み外れた柔軟性を身に付けていったそうです。
④階段を使わない
さらには、イチロー選手は極力階段を使わないそうです。階段とスロープのあるところでは、必ずスロープを使う。階段は、踏み外す可能性があり、それが足首の捻挫や、腕の骨折などにつながる危険性があるからです。
このような細かなことを習慣として徹底することによって、「無事これ名馬」としての側面も持ち合せているのでしょう。
プロフェッショナルは習慣力が高い!
プロ野球界には、センスのある選手、アスリートとしての資質の高い選手はたくさんいるでしょう。
そんな中でも、イチロー選手が日米双方において突出した実績を残してきた背景には、このように徹底した習慣化の取り組みがあったのです。
そうして身につけた「習慣力」が、怪我をせず、ロングランで優れた実績を残し続けるイチロー選手をつくり上げているのでしょう。
イチロー選手にかぎらず、多くのアスリートや、あらゆる分野で道を極めているプロフェッショナルには、こつこつと小さなことを積み重ねて成功した人や、調子を出すための独自のルーティンを持っている人がとても多いです。
よりよい食事、睡眠、運動などの生活習慣や、勉強やスキルアップのための習慣などは、ビジネスパーソンにとっても是非身につけたいものですよね。
イチロー選手をはじめとしたプロフェッショナルを参考に、「特別なことをするために、普段どおりの当たり前のことをする」習慣力を鍛えてみてはいかがでしょうか。
(※文中の画像はイメージです)
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