クールダウンでクリアな思考を呼び覚ます
みなさんは、ランニングをした後に、クールダウンを行っていますか?
運動を行う前にはウォームアップを行います。そして、運動をした後にはクールダウンが必要です。ランニングなどの運動をした後、とくに速いペースで走ったときや、全力疾走をした後には、クールダウンは欠かすことはできません。
なぜならば、激しい運動の直後に急に動きを止めてしまうと、筋肉に留まる大量の血液が、心臓に戻らなくなってしまいます。そして、脳が一時的な貧血状態におちいってしまうのです。
クールダウンのメリット
もしも、クールダウンを行わないと、めまいや吐き気などを招くことがあるので注意が必要です。しかし、激しい運動をした後には、思考がクリアになるというメリットがあります。
これは実は、いいアイディアが生まれやすくなるのと同じ原理です。脳に酸素を多分に含んだ血液がたくさん流れ込むことで起こる効果です。そして、さらにその効果を高めるには、クールダウンをしっかりやってあげることが大切になります。
ダッシュからのクールダウン
クールダウンは、整理運動とも呼ばれます。筋肉内に留まったままの血液を循環させ、脳などに必要な血液を送り込んでくれます。
走った直後は、ゆっくりとペースダウンさせていきます。そして、最後に軽いストレッチを行ってから、体を休めるのがベストなのです。ストレッチでは、主に走るときによく使う筋肉「アキレス腱」「太もも」などをよく伸ばすようにしましょう。
クールダウンで思考力アップ
このように、走ってすぐに何かを行うのではなく、息を整えてからストレッチを行う、といったクールダウンをしっかりとしてあげると、運動を終えてまもなく脳に血が戻ってきて、鋭い思考が生まれます。
相手を論破したいような案件があるときには、その前に激しい運動をしてみてはいかがでしょう。きっと、クリアな思考で仕事をこなすことができるでしょう。
逆のことを考えてみる
走っている最中、走ることに没頭するのもいいことですが、できれば周りの景色を見て、よく観察するくせをつけておくと、脳のいいトレーニングになります。
例えば、次のように、ランニングのコース途中にあるお店を観察するだけでもいいのです。
・どうしてあのお店はいつも繁盛しているのだろうか?
・一方でこっちの店はなぜ閉店してしまったのだろう?
・この前走ったときよりも行列ができている気がするけれど、それはなぜだろう?
・もしかして、テレビなどのメディアで紹介されたのだろうか?
・それとも強烈な新メニューができたのだろうか?
なぜの視点を持つ
あるいは、川沿いを走っていたなら、こんなことも考えられるかもしれません。
・おや、この川には随分とゴミが捨てられているな。
・誰が捨てていってしまうんだろう?
・空き缶やお菓子の袋が目立つな。
・近くに中学校があるから、もしかしたら、部活帰りの学生が捨てているのかもしれない
・ゴミを捨てられない方法、川をキレイに保つ方法は何だろうか?
・夕方、学校や地域が主体となってゴミ拾いをしてみてはどうだろう?
・恐らくゴミ拾いをやっているそばから捨てていくような学生はいないだろうから、自然とゴミが捨てられることが減っていくはずだ
思考力を高めよう
このように、ランニングの最中でも、普段から視野を広げてアンテナを張り、「なぜ?」の視点を持つことが大切です。
そして、ときには次の展開や逆のことを考えてみることが、物事の本質をとらえる力、つまり思考力を高めてくれます。
外を走っていると、自然といろんな物や事が目に入ってきますから、たくさんの情報に触れる機会が増えます。心がけ次第で、物事を多角的に考える力をつけるトレーニングになるのです。
テーマ設定をしてみる
また、具体的なテーマを設定してから走ると、同じ景色の中を走っていても、普段は意識しないようないろいろなことが目に入ったりします。問題意識があるとそのことに注意が向き、発想やひらめき、発見が増えます。
走るたびにテーマを変えてみたり、発見した様々な物や事などについて「なぜ?」の視点で考えてみると、新たな気づきや発見が得られるでしょう。
走りながら考えよう
漫然と走るだけでは思考力のトレーニングにはなりません。ランニングをする時は、よく周りを観察してみて「なぜそうなのか?」を考えながら走るようにしましょう。すると、思考力のベースができます。手軽に行うことが出来る方法なので、ぜひトレーニングに取り入れてみてください。
このトレーニングを行うことによって、高いパフォーマンスを維持することが出来るのではないでしょうか。そして、ランニングをした後には、しっかりとクールダウンも忘れずに行うようにしましょう。脳に新鮮な酸素をたくさん含んだ血液が戻ることによって、さらに高い効果を得られることでしょう。
「走れば脳は強くなる」(著・重森健太)より
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