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【習慣化】脱・三日坊主“自分に合った”継続方法の見つけ方を徹底解説

何を始めても続いた試しがない…そんな自分に愛想が尽きている…

「継続力がない」「飽きっぽい」などの悩みから自分を責めていませんか?

習慣化できない人とできる人の違いは、性格や努力の差がすべてではありません。

「自分に合ったやり方」を見つけることができれば、目標に向けて前向きに取り組むことだってできます。そこで今回は書籍『自分を変える習慣力』のメソッドを中心に、三日坊主から脱却し、習慣力を身につける方法をご紹介していきます。

三日坊主ってどんな意味?   

三日坊主は「物事に飽きやすく、長続きしないこと。また、その人」(『大辞林』小学館より)という意味の言葉です。「坊主」とあるように、三日坊主の由来には仏教のお坊さんが関係しています。

僧の修行というのは俗世で生活するよりも大変厳しく、出家をしても並大抵の覚悟では長続きしませんでした。こうして三日も立たないうちにあきらめてしまう人が多かったことから「三日坊主」という言葉が生まれたのです。

 

「お坊さんの修行に比べれば大変な目標じゃないのに“三日坊主”になってしまうのですが…」

と、継続力を手に入れたい人のほとんどは思うでしょう。

 

継続が苦手な人には共通する特徴があります。

 

ダイエット、勉強、読書、継続できない人の共通点とは?

―ジョギングを始めたAさんの例―

結婚式をひかえてダイエットを初めて友人が、SNSで「朝活」としてジョギングの様子を投稿している。感化された私も、「毎朝ジョギングをして体重を4㎏減らす」「1週間でタイムを縮める」という目標を立てて実行してみた。
しかし、走ったあとは疲れてしまって仕事に集中できないし、お腹が空いてランチは大盛りに。もともと早起きが苦手なのもあり結局1週間も続かなかった…

 

この失敗例、どこに問題があったのでしょうか?

 

①動機や目標が漠然としている

朝活をしたいのか、早く走りたいのか、体重を減らしたいのか、そもそもなぜ体重を減らす必要があるのか…

このように、ジョギングに取り組むと決めた目的が曖昧です。

 

Aさんが立てた毎日の目標も、いつまでに4㎏減らすのか、何キロ走るのか、何分タイムを縮めるのかなどが明確でなく、その日走りきったとしても達成感が得られにくくなっています。

 

②欲張りすぎ・頑張りすぎ

「毎朝ジョギングをして体重を4キロ減らす」「1週間でタイムを縮める」という2つの目標を掲げられていますが、短期的に成果を得ようと一度にたくさんのことにチャレンジしたり、目標を高く設定してしまうのは悪手です。

 

困難な課題を達成できた自分を想像して、最初は意気揚々と目標に向かって行動できるかもしれません。しかし、数多いハードル・高いハードルを飛び越え続けていてはすぐに疲弊してしまいます。

 

③毎日の習慣が苦になっている

頑張りすぎはモチベーションの低下や挫折の原因です。

Aさんの場合、結果的にジョギングが「疲労」や「早起き」というネガティブ要因と結びついてしまいました。我慢やストイックさはある程度必要ですが、あまり自分に厳しすぎると逆効果になります。

 


長続きしない理由を理解した上で、自分のやる気を最大限引き出せる継続方法は何なのか、探っていきましょう。

 

自分に合ったやり方を見つける4ステップ

何か新しいことに取り組もうとする時、しっかり目標を建てられていますか?

なんとなくやりたくない…さぼり癖がある…と三日坊主に終わってしまうのは、あなたの性格が原因ではなく、曖昧な目的と間違った目標設定がやる気を削いでいるからかもしれません。

 

やる気を引き出すためには、

 

① 目的(自分は何がしたいのか)を明確にする
② 3週間続けられる習慣を1つだけ決める
③ 目標を達成度がわかるように具体的にする
④ ポジティブな感情と結びつける

 

という4つの段階を踏んで目標を立てていきましょう。

 

①目的(自分は何がしたいのか)を明確にする

先ほどのAさんの失敗例では、朝活をしたいのか、体重を減らしたのか、目的が曖昧でしたね。自分は何のために走っているのか、早起きしているのかがわからないと、毎日同じ行動をするのが億劫になります。

 

反対に、目的さえ明確になれば少し面倒で辛いと感じていたことでも習慣化できます。例えば、オープンキャンパスに行くことで受験生の勉強に対するモチベーションが上がるのは、受験生の「この大学で学びたい!」という目的意識が強くなるからです。

 

書いて見つける「本当にしたいこと」

ここからは、書籍『自分を変える習慣力』のメソッドを用いて、実際に紙に書き出しながら「本当にしたいこと」を見つけていきます。

 


▶︎Step 1

今後取り組んでみたいと感じている習慣を1つ挙げてください

(A)

 

▶︎Step 2

A を習慣化したいのは、何のためですか?

(B)

 

英語を上達したいとか、ダイエットしたいとか、良い習慣をつくりたいそもそもの目的があると思います。そして、その習慣が習慣化されたとき、どんな良いことが起こっているか、イメージしてみてください。できるだけクリアに。

 

▶︎Step 3

Bという目的が達成できたとしたら、さらに何をしたいですか?

(C)

 

この質問によって、やりたいことや、習慣化を通じて達成したいことがさらに見えてきたのではないかと思います。この見えてきたものを具体的に、クリアにイメージしてください。

 

▶︎Step 4

そして、ステップ3 でイメージしたものを基に、また自分に聞いてみます。

Cが達成できたら、さらに何をしたいですか?

(D)

 

見えてきたものを具体的にクリアにイメージしてください。

 

▶︎Step 5

さらに、ステップ4 でイメージしたものを基に、また自分に聞いてみます。

Dが達成できたら、さらに何をしたいですか?

 

 

見えてきたものを具体的にクリアにイメージしてください。やりたいことのレベルがどんどん上がってきた感じなのではないでしょうか?このように、「さらに」を3回繰り返すと、直近レベルで達成したいことから、人生レベルで達成したいことぐらいまで、目的のレベルが上がっていくと思います。

(もし、1, 2回繰り返して、本当の目的が実感できていたら、それでも構いません。3回繰り返すと、大抵の場合、本当の目的に辿り着くという目安です。)

そして、あらためて自分に聞いてください。

あなたが本当にしたいことは何ですか?

 

 

『自分を変える習慣力』より引用


いかがでしたでしょうか?本当にしたいこと、見つけられましたか?

 

②3週間続けられる習慣を1つだけ決める

自分の中にある本当の目的が明確になったら、達成のために必要な習慣を決めます。

 

三日坊主に終わらないためには、自分のクセを最大限生かして、ポジティブに取り組んでいくことが大切です。「自分に合ったやり方」を見つけていきましょう。

 

「自分に合ったやり方」を見つけるには、まず「自分を知る」ことが大切です。自分を観察しながら、最も快適に習慣化に取り組める環境をつくってあげること、それが習慣化の成功のために後押しになってくれます。

 

習慣化に必要な期間は21日?66日?

人間が新しいことを習慣として定着させるための期間が必要なのか。よく言われているのが、「21日」説と「66日」説です。

 

「21日(=3週間)」説は、整形外科医のマクスウェル・マルツ博士の著書「Psycho Cybernetics」が影響しています。

著書では、「整形手術後に患者が新しい顔に慣れるまでの期間」「手足を切断した患者の手足の幻影が消えるまでの期間」「新居が我が家のように感じるまでの期間」が、最低でも約21日であると指摘されており、これらの例から、新しいイメージが定着するまでには約21日必要であるとまとめられるのです。

 

「66日(=2ヶ月)」説は、ロンドン大学で行われた調査※1が元になっています。

調査では、96名のボランティアを対象に新しく始める行動に取り組んでもらい、その行動が自動的にこなせるようになるまでの期間を計測しました。

結果、ボランティアは平均66日で行動が習慣化しました。

 

ここで注意しなければならないのは、66日という期間はあくまで平均値であることです。研究において、習慣化にかかった日数は18日〜254日と大きくばらつきを見せています。

 

3週間や2ヶ月といった期間は、あくまで目安として考えた方が良いでしょう。ロンドン大学の調査が示すように、習慣化に必要な期間は習慣化したい行動や人によって様々です。

 

ポイント:最初のハードルは低めにしよう!

特に、三日坊主に陥りやすい人がいきなり2ヶ月の継続を目指すのは現実的ではありません。まずは、「3週間続けられることを1つだけ」を毎日の目標として決めること

そして1週間、3週間、2ヶ月と段階的に目標を見直しながら習慣化を図ります。

 

毎日の目標を決める際にいくつも選んでしまいがちですが、欲張りすぎは逆効果です。

「ジョギング」と決めたなら、まずは短い距離を設定します。何日か続けてみて、「1㎞じゃなくて2kmでも余裕だな」と思ったら、途中で変更してもかまいません。

 

③目標を達成度がわかるように具体的にする

続けられそうな毎日の小さな目標を設定したら、それができたかどうか明確にわかる目標であるかどうかをチェックしてください。

  • 具体的にやること
  • 実行タイミング
  • 回数

などが設定されていると、それができたかどうかをチェックしやすくなります。

 

ポイント:自分の気持ちがのるタイミングを選ぼう!

この時に、Aさんのように朝弱い人がわざわざ「朝活」を選んでも長続きしません。

“いつ”に“何を”するのかを決める時は、自分の生活習慣や行動パターンを振り返ってみて、自分が一番気持ちの乗るタイミングですることにしましょう。

 

自分が行動に移しやすい時間に設定することで、よりルーティン化しやすくなります。

 

④ポジティブな感情と結びつける

体勢改善

習慣化の敵は「モチベーションの低下」です。毎日のルーティンを苦に感じてしまうと、どんどんやる気はなくなっていきます。どんなに達成したい大目標があったとしても、毎度重い腰を上げられるとは限りません。

 

継続的に取り組むには、習慣化の行動(ジョギングや勉強など)を「自分をポジティブにしてくれるもの」と結びつけてみましょう。

 

  • ジョギングをしながら“好きなアーティストの曲を聴く”
  • ジョギングの休憩中は“好きなチョコ菓子が食べられる”
  • 距離は走り足りないくらいに設定して、“もっと走りたい”という気持ちでジョギングを終わる

 

こうした工夫をすると、最初は「面倒臭さ」や「疲労感」を与えていたジョギングが、頭の中でポジティブな感情と結びついていきます。

 

ポイント:文言もポジティブに直そう!

毎日の目標はその都度目にしたり考えたりしてしまうものです。目標を見直してみて、もし、そこにネガティブな言葉が並んでいたら、ポジティブな言葉に変換してみましょう。

 

モチベーションを維持する2つのコツ

自分の性格・生活習慣に合ったやり方で実践していけば、より豊かな生活・自分をイメージでき、前向きに取り組めるようになります。それでも、1週間、2週間とルーティンを繰り返していると、「今日はいいや」と気が緩む日があったり、目的意識が薄らいでしまうかもしれません。

 

最後に、つくった目標が目標で終わらないために、継続を後押ししてくれる工夫を2つ紹介します。

 

①行動を記録して達成感アップ

香港中文大学とシュン氏とシカゴ大学のフシー氏の研究では、人は無意味な数字の増加が脳への報酬として働くことがわかっています。つまり、「自分で決めたルーティンが完了したら手帳やカレンダーに○をつける」ことを繰り返すだけで、自分の脳を喜ばせることができるのです。

 

この時に体重や走った距離などの行動成果も一緒に記録したくなりますが、思うように結果がでない日があるとモチベーションがさがってしまうので要注意です。ラジオ体操のスタンプを集める感覚で行動記録のポイントをためつつ、行動成果は別に記録しておきましょう。

 

②一緒に取り組むパートナーを見つける

習慣化の種類によっては、最も強力なやり方が、「一緒に取り組むパートナーを見つける」というやり方です。

 

米ベイラー医科大学と会員制ダイエットサービス「Wight Watchers」が協同で行った実験※2では、インターネットやミーティングで情報共有ができたグループは、独力でダイエットに取り組むグループよりも大幅な減量に成功したことが示されています。

また、主任研究員のジョンストン氏は、「独力の減量は、時間の経過とともにダイエットの成功する可能性が低くなる。」と発表の中で指摘しています。つまり、独りで取り組むダイエットはリバウンドしやすいのです。

 

ダイエットに限らず、お互いの意見や実体験からのアイデアを交換できることは非常に大きなメリットです。そして、何よりもパートナーがいると、お互いに刺激し合って楽しく進められたりします。

 


―本当にしたいことを考えてみたAさん―

私の中で「本当にしたいこと」が「友人の結婚式までに自分もスリムになって、お気に入りのパーティードレスを着たい!」だとわかった。
以前は早起きがつらく、仕事にも支障が出る方法だった。しかし、ストレス解消感覚で取り組める楽しいジョギングなら続けられると思い、
「夕食前に、大好きなアイドルのプレイリストを聴きながら、リフレッシュ感覚でゆっくり、2km走る」
という目標を立てた。
せっかくなので、友人と連絡を取り合ってダイエットの情報交換をすることにした

 

三日坊主を防ぐポイントは「続けることに重点を置く」ことです。Aさんが新しく立てた目標だとすぐには体重に変化は現れないかもしれません。しかし、ストイックな方法が自分に合うとも限らないのです。

 

継続こそが「本当にやりたいこと」に到達するために最短ルートだと信じて取り組んでいきましょう!

 

ダイエットや習慣力UPをサポート『最高の体調』オンラインプログラム

『最高の体調』は科学ジャーナリスト鈴木祐氏による、科学的根拠のあるコンディションを改善するためのテクニックが集約された書籍です。

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この度より多くの方に効果を実感いただくための実践型オンラインプログラムを開発しました。

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『最高の体調』実践プログラムの特徴

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ときには鈴木祐氏がコメント・回答することも!

ここでの投稿で話題になったテーマや要望のあったテーマについて、鈴木氏がメルマガで回答したり、オリジナルイベントや商品を企画したりと、みなさまの声を吸い上げてプログラムがアップデートされています。

 

 


■参考・出典

『自分を変える習慣力』三浦将 クロスメディア・パブリッシング
『最高の体調』鈴木祐 クロスメディア・パブリッシング
『科学的に自分を変える39の方法』堀田秀吾 クロスメディア・パブリッシング

※1 「How are habits formed: Modelling habit formation in the real world」: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ejsp.674?deniedAccessCustomisedMessage=&userIsAuthenticated=false&

※2「Weight Watchers approach is eight times more effective」Wight Watchers: https://www.weightwatchers.com.au/util/art/index_art.aspx?tabnum=3&art_id=95332

 

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