こちらの記事は週刊女性PRIME(運営:主婦と生活社)の提供でお送りします。
40歳以上を襲うのは、血管の病気ばかりではありません。ささいな症状が意外な大病につながっていることも。10のサインから読み解きます!
サイン1:肩こりや首が痛いと心筋梗塞
よくある肩こりが、なんと心筋梗塞のサイン?
医学博士で医学ジャーナリストの植田美津恵先生が解説する。
「心筋梗塞のサインは、胸が痛くなるとか、苦しくなることだけだと思っていませんか? 心臓の病気は、肩や首、デコルテなどに現れやすい特徴が。その予兆は時に、疲れていて、肩こりがする程度のものだったりします」
通常の肩こりとの違いは?
「経験者の話を聞くと、あとから思えば、痛み方がいつもとは違っていたと話していました」(植田先生、以下同)
少しでも肩のこり方に違和感があったら要注意。
サイン2:虫歯で歯が痛いのではなく狭心症
「心臓の病気は、心筋梗塞と同じく肩や首に現れます。特に、狭心症では歯やあごに痛みが出ることがあります」
サイン3:EDで悩んでたら動脈硬化だった
「EDはそもそも、血管の弾力性が落ちてきて起こります。そのため血管の状態を表すバロメーターと考えてもいいでしょう。ただ、精神的なことも大きく影響してくることがあるので、血管だけが原因というわけではありません」
動脈硬化や高血圧がある人は、自己判断でED治療薬を選ぶのはNG。必ず専門の医療機関で処方してもらうこと。
サイン4:咳が長引くと思ったら……結核!?
「咳が続いて風邪だと思ったら、実は結核だったということも。40~50代は、ほとんどワクチンの効果が残ってないと考えていいでしょう」
結核は、お笑い芸人・ハリセンボンの箕輪はるかや、モデルでタレントのJOYがかかったことで知られる。
「結核は若い人も高齢者もどの年代もかかります。結核菌による感染症で、昔は学校や職場などが感染経路でしたが、最近の調査ではネットカフェという事例がありました」
結核菌は空気感染でうつるので、その場にいるだけでも感染するおそれが。
「不特定多数の人が集まる場所は危険。
また、咳のほかに、だるさ、微熱が続いたら結核を疑ってみてもいいかもしれません」
サイン5:二重に見えるのは老眼ではなく脳梗塞
目がかすみ、ものが二重に見えるとき、オーバー40が真っ先に疑うのは老眼だけど、
「脳梗塞かもしれません。視野が欠ける、ろれつが回らない、食べ物をこぼす、顔が非対称になるなど症状はさまざま。
人やものによくぶつかるという場合も、ウッカリさんではなく脳梗塞のおそれがあります」
一過性の脳梗塞の場合、一時的に症状がおさまることがあるものの、のちに本格的な発作が待ち受けていることが。
「健康診断の数値がいくら正常な人でも、突然起こる可能性があります。予兆を見落とさないようにしてください」
サイン6:更年期以降の貧血は胃がんの予兆
「更年期を迎えたあとの貧血は少し厄介です。若いころの貧血は生理によるものが多いですが、更年期以降は胃がんや大腸がんなど消化器系のがんの可能性があります。
また、貧血が悪化したなと思い病院へ行ってみたら実は胃がんだった、というケースをときどき耳にします」
消化器系のがんは少しずつ出血があるため貧血になりやすい。
「大腸がんの場合、便に血が混じり黒っぽくなります。食べ物によるものだと思っていたら大腸がんだったということもありえます」
サイン7:冷えは糖尿病が進んでいるサイン
女性の大敵・冷え。冬のせいと思ったら、意外な理由が……。
「もしかすると糖尿病が進行しているサインかもしれません。現在、診断されていなくても、過去に血糖値が高めだと言われた人は要注意です」
糖尿病の合併症では末梢の血管にダメージが起こる。冬の寒い時期に血管が縮むと、冷えやピリピリした痛みを感じることがあるという。
「血糖値が高くても、これといった自覚症状がないので、糖尿病は知らないうちに悪化してしまう怖い病気です」
サイン8:くしゃみをしただけなのに骨折!
「今の40~50代は、誰もが若いころにダイエットをした経験があるのでは、と思います。
私たちは、思春期に貯金したカルシウムを年々崩して使っているわけですが、更年期になると女性ホルモンが少なくなるため、ただでさえ骨がもろくなっているのに、カルシウムの貯金が少ない元ダイエッターは骨代謝のバランスが悪く、さらに骨がもろくなりやすいのです」
そのため、くしゃみをした拍子に、実は骨が折れていたということもあるんだそう。
「足を組み替えるなど何気ない動作でも骨折することがあります」
サイン9:靴がきつかったらリウマチのおそれ
「太ってブーツのファスナーが上がらなくなってしまったり、年末年始に飲みすぎてしまったために、一時的に足がむくんでいるのなら心配ありませんが、靴が合わないのはリウマチかもしれません」
リウマチは足の関節から症状が出る場合もあり、腫れて靴が入らなくなることがあるという。
サイン10:胸のブツブツは乳がんの可能性
冬はニットが肌に触れたり、厚着をしてムレたりするなど、皮膚に湿疹ができることがある。ただ、こんな例も。
「夏みかんのようなブツブツが胸にできたら、乳がんかもしれません」
乳がんのサインはしこりだけではない。かゆみや湿疹などの皮膚症状もあることを覚えておこう。
<教えてくれた人>
植田美津恵先生◎医学ジャーナリスト・医学博士。首都医校教授、愛知医科大学客員研究員。医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動も行う。
当記事は「週刊女性PRIME」(運営:主婦と生活社)の提供記事です。