一日最低何キロ走れば痩せられる?
日々、みなさんは様々な理由でランニングやウォーキングを行っていると思います。しかし、あなたが今まで信じてきたその走り方は、もしかしたら間違っているかもしれません。もしくは、ちょっと惜しいかもしれません。
今回は、一日にどのくらいの距離を走るとダイエットの効果があるのかという、走る距離と肥満についてご紹介します。
体重維持についての研究結果によると
どの程度の距離を走れば同じ体重を維持できるのか。これを明らかにしたアメリカの研究結果があります。
BMIが25以上の中高年(40歳~65歳)260名を、運動量と運動強度の違いから、次の4グループに分けて分析しました。
①とくに運動をしないグループ
②運動の量は少なく、強度が中程度のグループ(週に12マイル(19.2km)のウォーキング/ジョギング、最大酸素摂取量の40%~55%の強度)
③運動の量は少なく、強度が高いグループ(週に12マイル(19.2km)のウォーキング/ジョギング、最大酸素摂取量の65%~80%の強度)
④運動の量が多く、強度が高いグループ(週に20マイル(32km)のウォーキング/ジョギング、最大酸素摂取量の65%~80%の強度)
1日に約2km
8ヶ月間に及ぶ実験の結果、①のグループは体重が増加しました。運動をした②と③と④のグループでは、運動量と運動強度の多い順に体重が減少しました。
そして、同じ体重を保持できるのは1週間に8マイル(12.8km)のウォーキング、もしくはジョギングを余分にする必要があると結論づけられています。
8マイルを1日に換算すると、2km程度になります。つまり、2km程を度余分に運動していれば、体重が増えることはないと言えます。さらに言えば、それ以上に実施すればそれだけ減量できるということになります。
効果には個人差が
とはいえ、同じ運動をしても、その効果には個人差があります。普段から体重を管理して、効果を測定することが必要です。朝の起床後や排尿を済ませた後、などといった毎日決められた時刻に、同じ体重計で体重を測定するようにしてみましょう。
歩数と肥満の意外な関係
よく「1万歩歩けば寿命が延びる」などと言われていますが、仕事をしていると1万歩という数字は結構大台ですよね。なかなか毎日継続して歩ける距離ではないかもしれません。
歩数計を使って、肥満との関係を調査した研究がありますのでご紹介します。この実験は、80名の平均年齢50.3歳の女性を対象として、7日間歩数計を装着してもらいました。そして、1日の平均歩数を算出するものでした。
まず、参加者を歩数で次の3つのグループに分けました。
①6000歩未満
②6000歩~9999歩
③1万歩以上
結果はどうだったのでしょうか。体脂肪率で見てみると、
①のグループ 44.2%
②のグループ 35.1%
③のグループ 26.1%
と、いう結果になりました。
1万歩が分かれ目
結果を見てみると、明らかに一日あたりの歩数が少ないグループの方が、体脂肪率が高いことが分かりました。BMIをみてみても、歩数の少ないグループの方が高く、①のグループでは30に近い平均値だったようです。
つまり、やはり1万歩という大台を目指して歩くことは、肥満の防止にもつながるということが分かりますね。
ウォーキング習慣とBMI
他にもこんな研究があります。
ウォーキング雑誌が購読者3578名に、郵送調査を行いました。歩数と肥満の関係について調べたものです。郵送した3578名のうち、2万7596名が身長・体重・ウォーキング習慣について回答してくれました。
その回答によると、1週間に歩く距離別にBMIを見てみると、年齢に関わらずBMIは1日の歩数とともに曲線的に減少すると報告しています。
目標は1万歩
つまり、やはり1万歩という大台を目指して歩くことは、肥満の防止にも繋がるということが分かりますね。
前向きに考えると、運動する機会をわざわざ作らなくても、例えば歩いていけるところは、電車を使わずに歩いたり走ってみたりしてみると、1万歩を達成できるかもしれません。
普段から歩数を意識して
もしくは、オフィスへ行くのに、普段はエレベータを使っているけれども、使うことをやめて階段で上り降りをしたり、出勤時には一駅前で降りて歩いてみてはいかがでしょうか。案外、生活の中で歩く機会は意識して作ることができます。そして、それは健康に繋がるという考え方をすると長続きしそうですね。
ランニングを行う際は、運動強度やペース、目的に合ったタイミング、距離などに注意して行うと、脳を鍛えることが出来ます。ダイエットや体重維持を目的としている場合は、走らない日でも一万歩を目指して歩いてみましょう。日常生活の中で、歩数を意識して歩いたり、走ったりすることによって健康な体を維持できるのではないでしょうか。
「走れば脳は強くなる」(著・重森健太)より
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