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転職希望者必見!“ダメな職場”に共通する8つの悪とは?

仕事選びは自分の将来を左右する一大事。後悔しないためには、直感や思い込みをなくした合理的な判断が不可欠です。そして、企業のネガティブ要素もしっかりと分析しなければなりません。書籍『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』の著者である鈴木祐氏は、適職を見つける上で避けるべきポイントして「最悪の職場に共通する8つの悪」を提示しています。

適職選びカギは「ネガティブ要素の排除」

 

やりがいのある職場を望んで転職したものの、労働時間が長すぎる

夢の仕事に就けたはいいが、どうしても上司と合わない

 

ネガティブな経験はポジティブな経験よりも心に残りやすく、頭から取り除くのが困難と言われています。つまり、いくら自由が効く仕事や達成感のある仕事に就いたとしても、働く環境にひとつでもマイナスの要素があれば、あなたの幸福度はなかなか上がりません。

仕事から安定して満足感を得るには、仕事選びの際にできるだけネガティブな要素を排除する必要があるのです。

 

ストレスを感じやすい職場には2つの”乱れ”がある

では、仕事におけるネガティブ要素とは具体的にどのようなものでしょうか。

 

鈴木氏は、「人間がストレスを感じやすい職場の条件」を示す研究として、組織行動学者のジェフリー・フェファー氏が手がけたメタ分析を取り上げています※1

 

研究チームはデータに細かな感度解析を行い、「従業員に悪影響をおよぼす労働条件」を絞り込みました。結論から言えば、私たちに悪影響をおよぼす職場の特徴は、2つに大別されます。

①時間の乱れ

②職務の乱れ

『科学的な適職』P156

 

時間の乱れとは、

  • シフトワーク
  • 長時間通勤
  • 長時間労働
  • ワークライフバランスの崩壊

など、働く時間やタイミングに問題がある状態を指します。

 

職務の乱れとは、

  • 雇用が不安定
  • ソーシャルサポートがない
  • 仕事のコントロール権がない
  • 組織内に不公平感が多い

など、仕事や報酬の内容にストレスを感じてしまう状態を指します。

 

以上に挙げたのが、最悪の職場に共通するネガティブ要素=「8つの悪」です。

 

最悪の職場に共通する8つの悪

また、ジェフリー・フェファー氏によるメタ分析などによれば、それぞれの「悪」をダメージが大きい順番に並べると、次のようになります。

 

月の残業時間や通勤時間は、長ければ長いほど私生活を圧迫します。休日でも仕事のことが頭をよぎるようなストレスフルな職場も避けたいものです。そう考えると、1位が「ワークライフバランスの崩壊」になるのも納得です。

今回は「8つの悪」の中から、仕事探しで見落とされがちな3点をピックアップ。なぜ避けるべきなのか、具体的に説明してきます。

 

その職場に心理的安全性はある?

6位:周囲からのサポートがない

職務の乱れ

 

最高の組織には「心理的安全性」が不可欠です。心理的安全性とは、リーダーシップ・組織学習の研究者エイミー・C・エドモンドソンによって提唱され、「だれかに助けを求めたり、ミスを認めたりしたからといって、罰が科されることはないと保証することである」と定義されています。要するに、周りの人間に頼りやすく、発言や行動が制限されにくい環境ということです。

 

「職場の雰囲気なんて実際に働かないとわからない…」

と、思う方もいるでしょう。

 

鈴木氏は、ソーシャルサポートの有無は外からの判断が難しいとした上で、心理的安全性のある職場かを見極めるポイントを次のように示しています。

 

・社内での出世競争が激しすぎる兆候はないか?

・マネージャーが従業員の成果にフィードバックを与えるシステムはできているか?

・フィードバックを管理職の自主性に任せていないか?

・育児や出産休暇、健康維持のための補助金システムなど、社員に「困ったときは会社がどうにかする」というメッセージを発しているか?

・社内でどのような交流イベントが行われているか?

『科学的な適職』P171

 

「助け合える環境ですか?」

「働きやすい雰囲気ですか?」

と、面接官に漠然とした質問をするだけでは職場の内情を深くは知り得ません。ぜひ上記の項目を参考にしてみてください。

 

シフトワークは体調管理がネックに

4位:シフトワーク

時間の乱れ

 

シフトワークとは、不特定なタイミングで働く勤務形態のことです。社会インフラに関わる職種が多く、その意味で社会貢献度が高い働き方です。また、深夜割増賃金や夜勤手当によって日勤よりも多くの報酬を得られたり、平日休が取れることも求職者によってはメリットになります。

 

しかし、早朝や深夜にシフトが組まれる場合、体内時計のリズムが崩れることで睡眠の質が下がり、心と身体の両方に悪影響が及びます。仕事選びの際には、自身の体調管理と仕事を両立していけるのか、必ず考慮するようにしましょう。

 

「フリーランスは自由な働き方」に潜むワナ

2位:雇用が不安定

職務の乱れ

 

「雇用の不安定」とは、急に同僚が解雇されたり、断続的にしか仕事の依頼が得られなかったりと、安定感のない働き方が人体にもたらす悪影響を指します。

近年はフリーランスや個人事業主をサポートするサービスも増え、「個人の力で自由に働く」ことにあこがれを抱く人も少なくありません。こうした層の間では、企業に所属せず、インターネットを通じて単発の仕事を受注するギグエコノミーという働き方が注目を集めています。           

 

しかし、鈴木氏はギグエコノミー(特にクラウドソーシングなどで安い仕事を受注し続ける働き方)は、必ずしも幸福につながるとは限らないと指摘しています。

 

理由は簡単で、不安定な賃金や勤務スケジュール、次の仕事が見つからない不安などがストレスになり、長く続けるほどストレスがたまっていくからです。さらに言えば、フリーとして安定した仕事を得るには会社員よりも高い評判を保ち続けねばなりませんし、保険などのライフラインも自分で用意する必要があります。これらもまたメンタルに負荷を与える大きな要素です。

『科学的な適職』P167

 

【重要】気になる要素はためらわずに質問すべし

「8つの悪」の中には、あなたが仕事探しをする上で既に大事にしているポイントもあったことでしょう。しかし、企業のネガティブな側面については、ナビサイトやSNSの口コミを漁るだけで踏み込んだ分析に及んでいない場合があります。

 

鈴木氏も次のように述べています。

 

もちろん、職探しの段階ですべての「悪」を見抜くのは不可能ですが、実際のところ、転職エージェントや面接官からネガティブな側面を聞き出そうとする人は意外なほどいません。人生の方向を決める一大事にも関わらず、いざ面接となると遠慮してしますケースが実に多いのです。

『科学的な適職』P172

 

自分にあった仕事に就くためには、質問をためらう必要などありません。その際は、今回ご紹介した「8つの悪」に関することは最低でも聞いてみてください。

 

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■註

※1 Joel Goh, Jeffrey Pfeffer, Stefanos A. Zenios(2015)The Relationship Between Workplace Stressors and Mortality and Health Costs in the United States

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